お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

先輩と買い物





 「デカいですね…」
 車の駐車が終わりまゆ先輩の車から降りて目の前に聳え立つ建物を見て僕は呟く。
 今日、僕はまゆ先輩と大型ショッピングセンターに行く約束をしていたのだ。まゆ先輩の車で30分くらいかかったが電車だと1時間以上かかるというよくわからない場所に建っている大型ショッピングセンターだった。
 「うん。ここら辺で一番デカいショッピングセンターだからね」
 「まゆ先輩はここでバイトしてらっしゃるんですよね?」
 「うん。まゆはここの本屋さんでバイトしてるよ。よかったら今度春香ちゃんと一緒に来てよ」
 「はい。まゆ先輩がバイトしてる姿気になりますし機会があれば伺わせてもらいます」
 「まゆのバイトしてる姿って…別に普通だよ」
 そんなやり取りをしながら僕はまゆ先輩と一緒に駐車場を歩いて一緒にショッピングセンターの中に入る。さっきからちょくちょく気になってはいたのだが、まゆ先輩の一人称がたまに、まゆになる時がある。まゆ先輩の可愛らしい顔で一人称が名前だとなんかグッとくるものがあるなと思っていた。
 「どこかみたいお店とかある?ないならまゆのおすすめの雑貨屋さん行こう」
 「どんなお店があるかわからないのでお任せします」
 「うん。じゃあ、行こっか」
 まゆ先輩は笑顔で僕に言い雑貨屋さんに向かって歩き始める。僕はまゆ先輩の横を歩く。こういうショッピングセンターで2人で買い物…春香以外の女性と2人で買い物に出かけるなんて始めてだったから緊張した。しかも、まゆ先輩みたいなかわいい女性と2人で買い物と考えると少しだけドキドキしていた。
 その後、僕はまゆ先輩おすすめの雑貨屋さんに入った。まゆ先輩のおすすめだけあってかなり可愛らしいデザインの商品が並んでいる。
 その雑貨屋さんで僕はまゆ先輩と買い物を楽しんだ。そして、僕が欲しかったものが見つかったのでまゆ先輩にどうか尋ねていいと思うと言ってもらえたので購入した。
 「まゆ先輩、ありがとうございます。おかげで満足いくもの見つかりました」
 「いえいえ、りょうちゃんの目的は達成できたんだから今からはまゆの買い物に付き合ってもらっていいかな?」
 「はい。もちろんです」
 僕が答えるとまゆ先輩は嬉しそうにじゃあ、私のお気に入りの服屋さん行きたいからついて来てと言って歩き始める。
 「ねえ、りょうちゃん、この服まゆに似合うと思う?」
 服屋さんでまゆ先輩は気に入った商品を手に持って自分の体に重ねて僕を見せてくれる。めちゃくちゃかわいい。なんというか、大人しめな服なのだが、少し子どもらしい顔だちのまゆ先輩が重ねるとすごく似合っていた。
 「じゃあ、これ買っちゃおうかな」
 まゆ先輩はレジに向かい服を買ってきた。その後もまゆ先輩はいくつかの服屋さんを回っていろいろなファッションを僕に見せてくれた。まゆ先輩という素材がとてもいいためどのようなファッションでもとても似合っていた。
 そうこうしているとお昼の時間になったので僕とまゆ先輩はまゆ先輩がおすすめの店でお昼ごはんを食べることにした。





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