お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

車の中で




 僕は下宿を始めてから初めて一人で寝ていた。少し寂しいなと思いながら寝ているとアラームが鳴ったのでアラームを止めて起き上がる。おそらく春香はまだ寝ているだろう。僕はなるべく音を立てないように出かける準備を始める。
 僕が起きてから1時間くらい経過すると今日出かける約束をしていたまゆ先輩から今から向かうね。20分くらいでそっち着くよ。とLINEで連絡をもらったので、わかりました。ありがとうございます。と返信をしてまゆ先輩を待つ。
 まゆ先輩から連絡をもらってから15分くらい経ったので僕はアパートの外に出る。僕が外に出てから少しするとアパートの前にピンク色の軽自動車が止まった。
 「お待たせ〜適当に乗って〜」
 ピンク色の軽自動車の窓が下がりまゆ先輩が僕に言う。
 「おはようございます。わざわざありがとうございます。えっと、どこに座ればいいでしょうか…」
 助手席に座るべきなのか後部座席に座るべきなのかわからなかったためまゆ先輩に尋ねるとまゆ先輩は笑顔でいろいろ話したいし助手席でいいよ。と言ってくださったので僕は助手席に座る。
 「じゃあ、行こうか」
 「はい。よろしくお願いします」
 僕がシートベルトを付けたのを確認してからまゆ先輩は車を動かし始める。
 「いきなりだけどさ、りょうちゃんはさ、春香ちゃんのこと好きなの?」
 車が動き始めてから少し経つとまゆ先輩がいきなり僕に尋ねてきた。
 「え…いきなりですね……」
 「うん。ごめんね。ちょっと気になってね…」
 「僕が春香のことを好きかどうか…ですか……」
 まゆ先輩に聞かれて僕は答えに困って黙っているとまゆ先輩が無理に答えなくていいよ。と笑ってくれた。
 まゆ先輩の質問に対する答えは僕が春香のことが好きなのだろう。僕は本気で春香のことを愛している。
 だが、ここでまゆ先輩に春香のことを好きと言ってそれが春香の耳に入るのが怖かったのだ。
 「どうして、そんなことを聞くんですか?」
 単純な疑問を僕は口にした。まゆ先輩は笑いながら、私は春香ちゃんがりょうちゃんのことどう思ってるか知ってるからりょうちゃんは春香ちゃんのことどう思ってるんだろうなぁって…と答えてくれた。
 春香が僕のことどう思っているのか…気にならないわけがなかった。
 「春香は僕のことどう思っているんですか?」
 「えー、それは内緒だよ。春香ちゃんに直接聞きなよ。私の口から言っていいことじゃないからさ」
 まゆ先輩は笑いながら答えた。私の口から言うことじゃないと言われて僕はそれ以上のことは聞けなかった。
 そんなやり取りをした後、2人で春香のことを話していた。
 まゆ先輩は大学に入ってからの春香の話をしてくれて僕は大学に入る前の春香の話をした。まゆ先輩と話していると春香が昔のままあまり変わっていないということがよくわかった。
 そうして話していると車は海沿いを走っていた。綺麗な海が輝いているところを写真に撮ったりしていると僕とまゆ先輩は今日の目的地に到着した。






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