お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
これがやきもち?
 夕食を食べ、お風呂に入った後の時間はいつもリビングで春香と過ごしている。
 今日もお風呂に入った後、春香がお風呂に入っている間リビングでスマホをいじっていた。
 するとりっちゃんさんからLINEが来た。仮入部が終わった後の片付けの時間にLINE交換していたのだ。
 りっちゃんさんとLINEしているとまゆ先輩と及川さんからもLINEが来た。僕は入部が確定しているので帰宅した後春香が吹奏楽部のLINEグループに招待してくれたのだ。
 りっちゃんさんとは適当な世間話、及川さんにはこれからよろしくお願いします。まゆ先輩とは春香についての話をしていた。
 「りょうちゃん。出たよ」
 お風呂上がりの春香がそう言いながら僕の横に座る。毎日の恒例行事だが、めちゃくちゃドキドキする。
 「あ、春香、明日ちょっと出かけてきていいかな?」
 明日は土曜日で部活も授業もないので僕も春香も特に用事はなかった。
 「え、うん。別にいいけど…」
 「じゃあ、明日は午前からいないから」
 「うん。夜ご飯はどうする?」
 「春香はどうするの?春香が家で食べるなら一緒に食べたい」
 「じゃあ、一緒に家で食べよう」
 「うん」
 僕は返事をして再びスマホの画面でLINEを再開する。
 私の横でスマホをいじっているりょうちゃんを私はチラチラと見る。誰かとLINEしているようだが誰だろう…ふと、頭に彼女かな?という疑問が浮かび私は不安になった。
 「明日は誰かと出かけるの?」
 「うん」
 「へー。誰?もしかして彼女できた?まだ入学して2日しか経ってないのに〜?」
 内心めちゃくちゃドキドキしながら揶揄うように聞いてみた。これでりょうちゃんに彼女できた。と言われたら私はショックで立ち上がれないだろう。
 「彼女じゃないよ。まゆ先輩とちょっと出かけてくる」
 「え、まゆちゃん!?」
 私にとっては一番予想外だった回答だった。
 「うん。そうだよ。LINEしてたら盛り上がって明日一緒に出かけようってなったんだ」
 「へー。そうなんだ。よかったね。楽しんできてね」
 内心めちゃくちゃ混乱していた。何故、まゆちゃんが?という疑問の答えは全くわからなかった。
 まさか、まゆちゃん、りょうちゃんのこと好きになっちゃったのかな…りょうちゃんもノリノリみたいだし…そりゃ、まゆちゃんみたいなかわいい女の子と2人で出かけるってなったら嬉しいか…って言うかこれってりょうちゃんとまゆちゃんデートするってこと……え……
 頭の中が混乱する。りょうちゃんがもしまゆちゃんのこと好きになったら…などと考えるとまゆちゃんにやきもちすら焼いてしまう。
 私はまゆちゃんにLINEしようと思ったが、やめておいた。
 もしりょうちゃんとまゆちゃんがお互いに気があるとしたら私が入ると邪魔になってしまうかもしれないからだ…
 モヤモヤした気持ちのまま私はりょうちゃんに少し体調が悪いから先に寝るね。と言って自室で一人で寝た。
 次の朝、起きるとすでにりょうちゃんは家にいなかった。
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