神龍に育てられた世間知らずは王都で暮らすそうです

霧雨 紫

早速、絡まれちゃいました

「さぁウルさん!この水晶に手を出してください」

 そう言った受付嬢のレイナさんは受付の奥から綺麗な青色の水晶を俺の目の前に置く。

「これはなんですか?」

「この水晶はステータスが見れる水晶です、この上に手を置くとステータスが開示されますよ」

 鑑定能力がない人間がこれを使って誰でも見れるようにしたっていう感じかな。

 俺は水晶にゆっくりと手を置く…。

 そして触れる前に水晶にヒビが入り出す。

「え!?なんで?」

 慌てふためく受付嬢はそのまま奥に走っていってしまった。

「…なんなんだよ」

「おう、ガキ邪魔だ、ってあぁ?レイナいねぇのかよ、ちっ」

 いきなり後ろから長身の金髪で目つきの悪い男が肩を掴んできた、そして腰には短剣を差していた。

 物騒な人だし強そうな人だな…関わらないようにしよ う。

 鑑定は…人のプライバシーを覗くのは好きじゃないし、いいか…。

「ウルさん!今から別室に来てください!ほらこっちに!」

 興奮したような様子のレイナさんに腕を引っ張られる。

 すると

「おい、レイナ!俺の相手をしろよ!そんなガキより俺の方が絶対いいだろ?」

「今はあなたに構ってる暇はないんです!」

「あぁん?俺よりこのガキがいいってか?勝手にしろよ」

 そしてその男が俺に足払いをかけようとしたからそれを躱す。

 するとそのまま男は体制を崩し転びかけた。

「おい…クソガキ、何避けてんだよ」

 えぇ…そんな理不尽な怒られ方なんてあるのか、わざと遅くやってくれたんじゃないのか?

「いや、ごめんなさい、手加減をしてくれたのは分かるのですがあのスピードは当たる方がおかしいと思って…」

 すると周りのギャラリーが笑い出した。

 逆に男は顔を真っ赤にして、体を震わせていた。

「決闘だ…」

「え?」

「だから決闘しろと言ってんだよ!聞こえねぇのか?!それともこのAランク冒険者のガレオス様が怖ぇのか!」

「いや、僕は、用事もあるし…」

 しかもAランクって、下から上のランクがわからないからなんとも言えないだよなぁ。

「このままじゃ俺の気持ちが収まらねぇんだよ、こんなクソガキに恥かかされてちゃなぁ!」

 ギャラリーからも何故か、いいぞ!やれ!などと言う声が聞こえてくる。

「ウルさん、やっちゃってください!」

 ぐっとレイナさんはキメ顔で親指を立てているが、ほんとに言ってるのかこの人は!ガレオスさんだって自信めちゃくちゃあるじゃん!絶対強いじゃん!

 まぁ先輩に戦いを教えてもらえるだけいいか…。

「分かりました、じゃあお願いします!」

「場所は闘技場だ!5分後スタートだ、ぜってぇころしてやる!」

 ギャラリー達は既に闘技場に観戦するため向かい始めていた。

 俺は生きて帰れるんだよな…。

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