神龍に育てられた世間知らずは王都で暮らすそうです

霧雨 紫

通行許可証……

「あー、ど、どうしたんだ?」

怪訝そうな顔でこちらを見てくるが、どんな顔をされようとも答えは決まっている

「通行許可証がないです…」

「困ったな、そうなると前の街まで行って発行しないとね」

「いいや!俺達が保証する、頼むこの少年を街に入れてくれ!」

「え?レオンパーティーの皆様はこの人と知り合いなんですか!?」

俺の後ろで待っていた助けた人達は
レオンパーティーと呼ばれているらしい、初心者パーティーじゃなかったのか?

全く状況が掴めないが、俺が助けた人達のことを見張りの兵士は知っているらしい。

「今、一緒にいるんだから知り合いよ、私達はこの人に助けられたの」

「レオンパーティーがですか!?この少年に!?」

「取り敢えず通して欲しい」

「わ、分かりました!あ、あのサインもらえますか!」

「おう、俺たちので良ければ書くぞ」

そして全員がサインを書くと満足顔で見逃してくれた。

「あんた達は結構名があるパーティーらしいな」

「ま、まぁそこそこだ」

「そうね、あなたに比べれば大したことないわ」

そうか…初心者パーティーでも有名なパーティーはあるのか。

街の中は結構賑わっているなあ、獣人と呼ばれる人達が少ないながらも結構見かけるし、かなり大きい街なんだろうな。

「ありがとう、俺はここら辺で失礼するよ」

「分かった、じゃあこっちで学校推薦はしとくから、後日中央学院に行ってみてくれ、そしてギルドは中央広場に行って西に行けばある、学院は北方向だ」

「あぁ、分かった、ほんとに助かったよ」

「それはこっちのセリフよ…」

「こちらこそほんとに助かった」

今まで無口だった男が初めて口を開いた、シャイなのかね。

そして1番大柄な元気そうな男が手を出してくる。

俺はそれをゆっくりと握った。

「じゃあまたな、気が向いたらうちのパーティーに来てくれよ」

「あぁ、そん時はよろしく頼むよ」

そして俺はレオンパーティーと分かれた。

「よっし、じゃあまずはギルドに行ってみるか」

広場といったな、少し北に歩くと大きな広場に出た。

ここから西、あぁ、あのでかいのか。

かなり厳つい見た目をしている建物があった、明らかに冒険者ギルドだな。

そしてその中に入ると酒場やカウンターなどもあり賑わっていた。

受け付けと書いてある場所に行くが、何者かによって阻まれた。

ふと見るとそれはガタイのいい男だった。

背中には大剣を背負っていて、まぁ冒険者って格好をしている。

「なんですか?」

「お前さんよぉ、このギルド初めてだろ?」

「そうですけど」

こちらが警戒をしているといきなり腕を引っ張られる。

これは反撃するか?

「だったらこっちのカウンターで教えて貰え、分かりやすいぞ!」

隣のカウンターに引っ張られ、座らされた。

そして、その男はじゃあな!試験頑張れよ!と言ってまた酒を飲みに帰った。

見た目によらずいい人だな…。

「あら、ギルドに登録しに来たの?」

クールそうな女性だった、怒らせたら怖そうな顔をしているな。

「そうです、お願いします」

「実技試験があるけど大丈夫?」

「大丈夫です」

実技試験か、さっきの男が言っていたのはこのことか。

「じゃあ、腕に自信があるなら討伐試験で、自信が無ければ模擬試合の試験よ、まぁあなたは模擬試合の試験の方がいいかしらね」

確かに俺はまだ未熟だし後者にしておくべきか、グレイシーたちを守れるようになるまでは死ねないからな。

「じゃあ模擬試合の試験でお願いします!」

「それでは闘技場に案内しますね!」

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