神龍に育てられた世間知らずは王都で暮らすそうです

霧雨 紫

真剣勝負がしたいんです

《前書き》
更新です!明日も更新できたらいいな〜






「今夜は宴じゃ!!!」

「「おおおお!!!」」

 里の龍たちの咆哮が森中に響き渡る。

 俺の旅立ちを祝ってのパーティーのようなものらしい、今までお世話になった龍たちに挨拶をしに行くたびに

「うお、ほんとに強くなったなあ」

 と、ほぼ同じような反応ばかりだった、まあ少しは強くなったのだがまだまだ足りてないことも分かっている。

 しかも、ここの龍達は戦うことをあまり好まないらしい、だからこそ俺はもっと別の場所で強い奴らと戦ってみんなを守れるくらいにならなければならない。

 みんなはだいたい100レベル前後くらいなのだが初期値が高く、かなりステータスが高い。

 まあ俺のレベルはニルヴァーナに口止めされているから周りは知らないのだが、ステータスもそこまで変わらないし言う必要もないからかな。

「兄ちゃん!最後に試合しよう!」

「ああ!俺もしようとしてたんだ!最後は本気出せよ!」

「う、わかったよ...手は抜かないからね」

 俺はレイスが本気でやったことがないことを気づいていた、それは無意識に俺を壊さないように気を使っていたんだろう、だが最後くらいは俺も本気でやりたかった、だからこそ...。

 俺達は広間に立ち互いに距離を置く。

「おお!本気の兄弟対決が見れるぞ!」

「お前はどっちが勝つと思うんだ?」

「決まってんだろ...」

 そんな周りの声を無視しレイスに向き合う。

「いつでも来いよ」

「じゃあ、行くよ!」

 レイスは巨体なのにも関わらずかなりのスピードで距離を詰めてくる、たしかにいつもに比べるとかなり早い、だが俺からすれば大したスピードではない。

「まずは小手調べ...か、じゃあ俺もまずはこいつで、水槍!」

 俺は右手を突き出す、するとまわりに3本の水で作られた槍が現れる。

 これは水操魔法で槍を作っただけのものだ。

「穿て!」

 水槍は一直線にレイスに飛んでいく。

「甘いよ兄ちゃん!」

 それをレイスは飛び旋回して避ける、だが水槍は軌道を変え、変わらずレイスを追い続ける。

「うええ!!!そんなのありかよお!」

 悲痛な声を出すが余裕そうだ。

 レイスは魔力障壁を張り、自慢げだった。

「へへん!まだまだ!」

「ほお、おれもまだまだ行けるぞ?」

「え?」

 レイスの顔に汗が滲む。

 水槍が障壁に触れる瞬間止まった...そして細かく分離し、レイスを囲んだ。

「爆ぜろ」

 一つ一つの細かい水槍がすべて爆発しレイスを呑み込む。

「ぐおおおおお!!!!!」

 激しい爆風と煙があたりに広がる。

 やべ、やりすぎたか?

 だが次の瞬間、煙の中から火の玉がこちらに向かってくる、その大きさは軽く俺を呑み込む大きさだった。

「でっかいな...」

 それを俺は跳んで避ける、だがそこには傷だらけのレイスがいた。

「ふっふっふ、くらえ!」

 ウルはその巨体から生み出される重い爪で叩き落される。

 更にレイスはそこへ火を吐き止めを刺す。

「まあ、僕の勝ちだね、兄さん」

「そうでもないぞ?」

「な!?」

 上からウルがすごいスピードで落ちてくる。

「ほらよ!」

 そして俺はその勢いでレイスをぶん殴り吹き飛ばす。

 そして大木にぶつかりそのままずり落ちる。

「ぐは!い、いつの間に!?」

「いや普通に障壁張って、風魔法で地面にぶつかる前にスピードを落として、あとはジャンプした」

「えぇ...もう参ったよ、体がぼろぼろだよ」

「ほれ、ヒール」

 するとボロボロだったレイスの体は元の健康状態の戻った。

「「うおおおおお!!!すげえ!」」

「いやあ、兄ちゃん強すぎるよ...その上、回復魔法も完璧だなんて...しかも本気だったのに傷一つ付けられないなんて」

「いや、結構惜しかったぞ、あと少しだな!」

 そう言うとレイスは少しだけ嬉しそうにしていた。

「ヘヘ、兄ちゃんがいない間にもっと強くなってやるんだからね!」

「俺ももっともっと頑張ってやるよ」

 そしておれらは握手をする、すると他の龍が集まってきて、魔法を教えてほしいとか、修行方法とかも聞いてきたが、俺が素直に答えると必ず総じて

「いや、それは...むり」

 だとさ。

 やれやれ、みんなは甘いな。

 その様子を見た龍たちもウルに対してやれやれと唸っていた。








《後書き》
次回、「里を出ます」です、ぜひおたのしみに!

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