魔王と歩む世界

太津川緑郎

二十話 宣戦布告


 その日は朝から街が騒がしかった。

「レグルス、今日祭りでもあるの?」

「いや、そんな話は聞いてないが」

 魔法薬の買い出しに街まで来てみれば、何か住民が騒がしかった。
まだ朝早いというのに、店仕舞いをするところもちらほら見当たる。

「どうかしたんですか?」

 店を畳んでいる店員にそう聞いた。
僕の突然の問いかけに驚いたような、怯えているような反応を見せた。

「魔法師様! 今街の正門に大量の血が!」

 街の正門とは、街と草原を分離させる目的で作られた壁だ。
 そこに交代制で、第七魔法軍から門衛が送られているらしい。
 その正門に血が、状況を考えるに第七魔法軍の魔法師のものと考えるのが無難だ。

「レグルス、行こう」

「おう!」

 正門で何かあったとなると、街に被害が出かねない。
 急いで正門に向かうと、そこには夥しい量の血の海があった。
  血の位置が正門の内側にある。
 
 おそらく何者かが外にいた門衛に危害を加えたのだろう。
 この血はその時に門衛が出血したものだろう。

「どうだった?」

「いなかった⋯⋯ 」

 レグルスに頼み門衛がいるか確認したが、結果は捜査? を難航させる結果だった。

「ん? あれなんだ?」


 そこには巻物のようなものが、不自然形で落ちていた。
 その巻物は血の上に置いてあったからか、血だらけだった。

「開けるぞ?」

その巻物にはこう記されてあった。

これは宣戦布告だ――ルージュクイーン

 これを開けると同時に住人がよんでいたのだろう、魔法師が大勢駆けつけた。

「君たちは?」

 黒髪の長髪に、甚平のような和装、腰には日本刀のような刀を帯びていた。
歳はおそらく二十代後半から三十代前半だろう。

「僕は、第二魔法軍ミノル・ヒオカと申します」

「同じくレグルス・スターリー」

「俺は第七魔法軍で軍隊長をやっている、ギキョウ・サオカだ。それで?この状況を説明してくれるとありがたいのだが」

 一見したら、殺人事件とも取れる現場を説明するのは少し難しく、言葉を迷っていた。

「これを」

手に持っていた、血塗れの巻物を渡した。

「宣戦布告だ? いい度胸じゃねーか!」

 何故が敵の挑発に乗ろうとする軍隊長を、部下たちがツッコミを入れている。
 これがこの軍のスタイルなのだろう。

「これはこちらで預からせてもらうぞ。部下たちが見当たらないところを察するに、ルージュクイーンによって吸い尽くされみたいだしな。部下の仇は上司が取るもんだろ?」

「待ってください! 僕も同行します!」

一度乗りかかった船だ、浮上も沈没も最後まで付き合うことにした。

「お前が行くなら俺も行くぜ!」

 何故がこの頃親しいのは、ちゃんとした理由があるがそれはまた別の機会に。

「一旦うちの宿舎で作戦会議を行おう」

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