魔王と歩む世界

太津川緑郎

十一話 最強の魔法師


豪勢な椅子に腰掛けていた。
そこは第一魔法軍、軍隊長の部屋だった。

「すまないね、ここまで招いておいて」

金色輝く髪、目測だが百八十くらいはありそうな背丈、背に背負った大剣は、相当な切れ味であると推測できる。

「この剣かい? これは魔法剣だよ、少し大きいけどね」

愛想のあるその笑顔は、女子受け間違いない。

「君も光魔法の使い手なんだって? 仲間がいて嬉しいよ!」

「えぇ⋯⋯ありがとうございます」

テンザイナについて、 国民が口を揃えてこう言う、彼は歴代の軍隊長の中でもトップクラスの実力者だ。
そんな人物と、サシで話すなど、緊張をするなと言う方が無理だ。

「緊張してるのかい? 少し話したくてさ」

「どのようなお話を?」

最大限浮かぶ敬語を使う、もし言い誤りでもあり、気分を害してしまうと死罪もあり得る。

「ん?」

死罪? 僕死なないんだった! 最近新しいことを覚えなければいけなかった、それ故に昔のことを少し忘れていた。
そう考えると気持ちが少し楽になった。

「どうかしたのかい?」

「いえ! 僕もお聞きしたいことが沢山あります!」

「じゃあ少し話し合おう。同族としてね」

そこから少しの間話し合った、光魔法を扱うコツや、数々の死戦をくぐり抜けた魔法師だ、面白い逸話なども聞かせてもらえた。


「あっ、もう時間だ。ごめんね、もう軍隊長会議の時間だ」

「そうですか、またお話聞かせてもらえませんか?」

全ての話、一言一句が為になる。
聞けば聞くほど、この人には、人としての魅力があることが、痛いほどわかった。

「あぁ、勿論だとも」

最後も笑顔で送り届けてくれた。

「やばい! 惚れそうだ⋯⋯」

少しだが、そっちの趣味に移行しそうになってしまった。


いつでも魔法の訓練ができるようにと、トレーニングルームが、二十四時間開いている。
そこで、今日学んだことを試みようと思った。

「ん? 先約がいるのか?」

まぁ、二人くらいなら有り余るほどのスペースが完備されている。
扉を開けると、轟音がお出迎えしてくれる。
扉や壁には、防音材が入っているが、開けると別だ。

「お前練習熱心なのな」

そこには、レグルスが風魔法を練習していた。

「正直言って、見くびってた⋯⋯ただ容量が多いだけのやつだと思っていた。だが諦めないぞ! お前はいい好敵手になりそうだからな!」

勝手にライバル認定されたと思いきや、逃げるようにトレーニングルームを出て行った。

「なんだあいつ⋯⋯」

練習まえに、変な奴に絡まれて気分が萎えていたが、ある一言を思い出し、やる気が復活した。

「そうだった」

光魔法は、太陽光だけではなく、蛍光灯など人工の光でも代用が効くらしい。

「だから夜にも、ここに来れば練習できる!」

リングを起動させ、最下にある光魔法を発動させる。
手に持つ魔法剣を振りかざし、魔法の名を唱える。

「ライトソード!」

魔法剣を光が包む、鞘から抜いた魔法剣の刀身の部分が眩く光る。
鋭く光る刃は、対魔法人形を簡単に真っ二つにする。

「あの時を思い出すな」

過去に想いを馳せながら、色々な光魔法を試してみることにした。

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