転生バーテンは生き残る
29話
ホーンボアを捕獲してからはホーンラビットが数匹出たくらいで警戒してかフォレストウルフが出てくることはなかった。
その後は1度休憩を挟み、淡々と見たことのない薬草や果実を採取し、森を抜けた。森を出て少しした場所には納屋と繋がる小屋があり、何台かリアカーが置いてあった。
小屋には誰が森に入ったか記録する冒険者ギルドの職員が詰めているそうだ。その職員にホーンボアが採れた為リアカーを借りる事と、遭難者である俺の事を報告し、長距離連絡用魔道具で先に連絡してもらうことになった。そこで自分の名前と遭難者だということ。魔法で転送されてしまったことなどを記した羊皮紙をもらい、これを見せれば通常の税金で町に入ることができ、冒険者ギルドに行けば事情を知った職員が詳しい事情聴取後に案内してくれるらしい。
非常事態にも対応とは冒険者ギルド様様だな。
そこからガイツと交互にリアカーを引き緩い丘を越えたところで高い石壁と、その周りの穀倉地帯が見えてきた。
 門まで来ると出て行く人と入る人にそれぞれ門番が付いていた。門番は揃いの金属製の兜と鎧を着て腰のベルトに剣をさしていた。
 自分たちの順番が来ると、ガイツ達はカードを見せ、俺は羊皮紙を門番に見せた。入るときに支払う税金は貴族だと高くなり、商人だと貨物に税がかかり、平民や冒険者は一律50ルーツらしい。中銅貨5枚。ガイツが俺の入門税を立替えてくれ、門の中に入ることができた。遭難者の俺に門番さんが一言声をかけてくれた。
「ようこそアルス地方の都市ゲイルの町へ。」
時刻は大体午後3時くらいだろうか。門の中は人で溢れてた。
この南門から入ってすぐには広いメインストリートが北門まで続いており、町の中央で十字に東西へのメインストリートが通っている。
中央には円形の噴水があり、噴水を囲む道は一律時計回りなのだそうだ。
北と南は商業街。東は工業街。西は貴族街。
中央付近には役所など主要な施設が立っており冒険者ギルドもその外れにある。
俺達はリアカーを引き、まず中央外れにある冒険者ギルドに向かった。
なんだろう?中世ヨーロッパ風?男は首元を紐で止めたシャツにパンツ姿、そして少し丈の高いブーツを履いてる。紐で止められたベストを着てたり、革のベルトをしてたりの違いはあるけど似た服が多いな。女性は上下別な人がほとんどいない。若い子に白い長袖のチュニック?の上に、色付きの紐で前止めの袖のないワンピースを着てる子はたまに見るけど、ミニスカートとはいかなくても膝上丈のスカートはいないのか。木のソールの革靴が多いな。滑りそう…。そういえば革靴で靴底すり減ったとき雨の日に濡れた階段とか道でこけそうになったっけ。
色々な商店や人々をチラ見しながらも真っ直ぐ向かいギルドの建物に着くと、ちょうど中から茶髪でタレ目の美人さんが出てきた。
あれ?この人は上下別で長袖シャツに膝下丈スカート、それにベストも着てる。制服っぽいな。珍しい。
「あらガイツ。その子が遭難者?の割には元気そうね。ホーンボアは裏に回して解体してもらって。その他に採取したものもとりあえず裏で鑑定しましょう。そのあと表で報告と報酬を受け取ってもらって、その子のことはその後でいいかしら?。」
淡々と今後の予定を立てていく。
「ああメルヴィル。それで構わない。まだ日も高いし時間はある。美味い肉がもったいないしな。カイト、ギルドの脇道から裏に回るぞ。」
「裏に解体場があるのか。わかった。」
アリスが先頭に立ち案内してくれるようだ。その後にリアカーを引く海斗。リアカーの後ろからガイツ、ルドルフ、メルヴィルが続く。
「ところでそのホーンボアは今日はルドルフが捕まえたの?」
「いいや僕じゃない。カイト。そこにボアと一緒に乗ってる黒い杖で殴りあげて。僕もはじめはまさかカイトもガイツみたく脳筋だとは思ってなかったけどね。普通は鼻と下顎が弱点ってアドバイスしても殴りはしないよ。」
メルヴィルが変な汗を掻く。
「へ、へー…。」
「メルヴィルはやろうとして吹っ飛ばされてたな。はっはっはっ。」
「…よくもバラしてくれたわねガイツ♪今夜は快く奢ってもらおうかしら♪破産するまで。」
「すみませんでしたーっ!頼む!お願いします!それだけはどうか ︎」
背中に冷たい汗をかき、その言葉を聞くや嫌なガイツは振り向きざまにジャンピング土下座しメルヴィルにすがりついた。
その後は1度休憩を挟み、淡々と見たことのない薬草や果実を採取し、森を抜けた。森を出て少しした場所には納屋と繋がる小屋があり、何台かリアカーが置いてあった。
小屋には誰が森に入ったか記録する冒険者ギルドの職員が詰めているそうだ。その職員にホーンボアが採れた為リアカーを借りる事と、遭難者である俺の事を報告し、長距離連絡用魔道具で先に連絡してもらうことになった。そこで自分の名前と遭難者だということ。魔法で転送されてしまったことなどを記した羊皮紙をもらい、これを見せれば通常の税金で町に入ることができ、冒険者ギルドに行けば事情を知った職員が詳しい事情聴取後に案内してくれるらしい。
非常事態にも対応とは冒険者ギルド様様だな。
そこからガイツと交互にリアカーを引き緩い丘を越えたところで高い石壁と、その周りの穀倉地帯が見えてきた。
 門まで来ると出て行く人と入る人にそれぞれ門番が付いていた。門番は揃いの金属製の兜と鎧を着て腰のベルトに剣をさしていた。
 自分たちの順番が来ると、ガイツ達はカードを見せ、俺は羊皮紙を門番に見せた。入るときに支払う税金は貴族だと高くなり、商人だと貨物に税がかかり、平民や冒険者は一律50ルーツらしい。中銅貨5枚。ガイツが俺の入門税を立替えてくれ、門の中に入ることができた。遭難者の俺に門番さんが一言声をかけてくれた。
「ようこそアルス地方の都市ゲイルの町へ。」
時刻は大体午後3時くらいだろうか。門の中は人で溢れてた。
この南門から入ってすぐには広いメインストリートが北門まで続いており、町の中央で十字に東西へのメインストリートが通っている。
中央には円形の噴水があり、噴水を囲む道は一律時計回りなのだそうだ。
北と南は商業街。東は工業街。西は貴族街。
中央付近には役所など主要な施設が立っており冒険者ギルドもその外れにある。
俺達はリアカーを引き、まず中央外れにある冒険者ギルドに向かった。
なんだろう?中世ヨーロッパ風?男は首元を紐で止めたシャツにパンツ姿、そして少し丈の高いブーツを履いてる。紐で止められたベストを着てたり、革のベルトをしてたりの違いはあるけど似た服が多いな。女性は上下別な人がほとんどいない。若い子に白い長袖のチュニック?の上に、色付きの紐で前止めの袖のないワンピースを着てる子はたまに見るけど、ミニスカートとはいかなくても膝上丈のスカートはいないのか。木のソールの革靴が多いな。滑りそう…。そういえば革靴で靴底すり減ったとき雨の日に濡れた階段とか道でこけそうになったっけ。
色々な商店や人々をチラ見しながらも真っ直ぐ向かいギルドの建物に着くと、ちょうど中から茶髪でタレ目の美人さんが出てきた。
あれ?この人は上下別で長袖シャツに膝下丈スカート、それにベストも着てる。制服っぽいな。珍しい。
「あらガイツ。その子が遭難者?の割には元気そうね。ホーンボアは裏に回して解体してもらって。その他に採取したものもとりあえず裏で鑑定しましょう。そのあと表で報告と報酬を受け取ってもらって、その子のことはその後でいいかしら?。」
淡々と今後の予定を立てていく。
「ああメルヴィル。それで構わない。まだ日も高いし時間はある。美味い肉がもったいないしな。カイト、ギルドの脇道から裏に回るぞ。」
「裏に解体場があるのか。わかった。」
アリスが先頭に立ち案内してくれるようだ。その後にリアカーを引く海斗。リアカーの後ろからガイツ、ルドルフ、メルヴィルが続く。
「ところでそのホーンボアは今日はルドルフが捕まえたの?」
「いいや僕じゃない。カイト。そこにボアと一緒に乗ってる黒い杖で殴りあげて。僕もはじめはまさかカイトもガイツみたく脳筋だとは思ってなかったけどね。普通は鼻と下顎が弱点ってアドバイスしても殴りはしないよ。」
メルヴィルが変な汗を掻く。
「へ、へー…。」
「メルヴィルはやろうとして吹っ飛ばされてたな。はっはっはっ。」
「…よくもバラしてくれたわねガイツ♪今夜は快く奢ってもらおうかしら♪破産するまで。」
「すみませんでしたーっ!頼む!お願いします!それだけはどうか ︎」
背中に冷たい汗をかき、その言葉を聞くや嫌なガイツは振り向きざまにジャンピング土下座しメルヴィルにすがりついた。
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