24話 出会い。

3人で山中に入り依頼をこなす最中、気付いたのはアリスだった。

「川の方から何か聞こえます！」

3人は立ち止まり音に耳をすます。

「なんか叫んでいるのと、何かがぶつかる音だな。」

「あと煙の匂いもするね。」

「一応調べてみるか。俺が先頭ルドルフは後衛アリスが真ん中な。」

「了解(はいっ)。」

一歩一歩川の方に近づいていく。もう少ししたら森が途切れ川が見えるだろう。3人は足早にもりの切れ目から出る。

煙が立ち上る焚き火、見たことのない武器と杖と皮鞄、マンバらしき肉、干されたタオルや服、からの川辺でしゃがむ締まった体つきの全裸の男である。ちなみになかなかの美男であった。

年若い男は立ち上がり振り向き、こちらを一人一人見ているようだった。あたりを沈黙が支配する。びっくりしたが声をあげたのは男の方だった。

「きっ」

「キャーーーー　︎」

そのまま男は背中から川に飛び込んだ。それは見事な背面飛び込みだったそうな。

「「「え？」」」

男が浮き上がってくるまで何秒くらいだったろうか、時間が止まったような気がした。止まった感覚はあるのにどれくらいの時間が経ったのかわからない。

男が川から顔を出す。

「変態！もうお婿に行けません！」

「…俺たちは冒険者なんだが依頼を受けてこの近くに来た。異変を感じここに来てみたのだが、ちなみにお前はここで何してたんだ？？ちなみに叫ぶべきは本来コイツであってお前じゃない気がするが。」

「今できる渾身の冗談を流さないでください…。女性に叫ばれるより叫んでしまえば叫ばれなていう捨て身の…。コホンっ、俺は数日前にこの川の上流の森に、住み慣れた町から飛ばされてしまった哀れな一般市民です。今は汚れた服を洗濯をしていました。お手数ですが出来れば行動を共にさせていただけるか、お邪魔でしたら近くの町までの道を教えていただけると幸いです。朝食がまだでしたらそこのベビ肉を食べませんか？ご馳走します。服が乾くまでもうしばらくかかるので時間があるようでしたら待っていただけると有難い。下着1枚の姿でも構いませんか？」

と濡れた下着を見せてくる。

「どうする？」

2人の仲間にそう聞くと

「お肉…じゅるりっ」

「ガイツさんに任せます。ある程度は昨日狩ましたし、相手は一人でマンバを倒せるみたいですので」

「なら頂こう！出来れば立派なもんをもう少し隠してくれ！」

「ガイツさん言い方」

「じゅるり…お肉…」

「すみません。では女の子には後ろを向いてもらってくれますか？肉だけじゃなく食べられそうな目線が初対面には痛いです。」

そういうといつのまにか下着を履いた男は岩に上がった。