隻眼の英雄~魔道具を作ることに成功しました~
22話 実験方法と作図
翌日。
「まずは魔道ランプの魔法陣を紙に書き写して、起動するかどうかの実験をしよう」
昨日の話し合いの影響で何時もより遅く起きた僕らは、朝ご飯を食べながら魔法陣の実験に関して話し合っていた。
「……もし、爆発したらどうするんですか?」
ご飯を食べる手を止め、アンナが不安そうに訊いてきた。アンナがご飯を食べるのを中断するなんて珍しいな。
「ちゃんと考えてるから大丈夫だよ」
これ以上彼女に不安を与えない為にもキッパリと断言する。
「そのお考えをお聞かせ願えませんか?」
すると今度はサーシャがそう訊いてきた。彼女もやはり不安を感じているようだ。
「いいよ。まず庭に縦穴を掘る。次にその穴の底で魔法陣を起動させる。そして起動させた瞬間に肉体強化魔法を使って穴から脱出する。この作戦で魔法陣を起動すれば、爆発しても被害も怪我人も出ないはずだよ」
「……なるほど。なら魔法陣を起動する係のアンナには、私がいくつか防御魔法を掛けましょう」
「……その時は私も全力で肉体強化魔法を使いますね」
あれ? 二人がイヤな顔をするのは分かるんだけど、なんで勝手に話が進んでるんだ……?
「いや、僕が魔法陣を起動させる係をやるから二人は傍で見ていてよ」
「「それはダメです」」
「おぉぅ……」
二人から同時に否定され、思わず怯んでしまった。
「坊ちゃまにそのような危険なことをさせるわけにはいきません」
有無を言わせぬ迫力でそう言ってくるサーシャと、その言葉に同意するように激しく首を縦に振っているアンナ。……これは何を言っても許してくれなさそうだな。
「……でも僕が言い出したことだから、せめて二人と同じ場所で観察させて」
この後、家の中で待機させようとする二人と激しく舌戦をし、僕にサーシャの全力の防御魔法をかけるという条件で、二人と一緒に観察させてもらえるようになった。
◇◆◇◆◇◆
朝ご飯を食べ終わり、食器も全て片付けた。今僕達は場所を移して書庫の読書スペースにいる。
これから行うのは言うまでもなく、爆発する、つまり命の危険がある実験だ。なので爆発する可能性のある要素は極力減らしたい。
「ということで、魔法陣をそっくりそのまま描ける魔道具とかってない?」
「ありませんよ!」
アンナに速攻で否定された。
「そのような魔道具があれば世の中の常識が覆されます。そもそも坊ちゃまはどのような方法で魔法陣を描くおつもりですか?」
サーシャが呆れたような表情でそう言ってきた。どのような方法でって……
「そりゃあもちろん、こう手で」
右手で円を描くような身振りをし、サーシャの質問に答える。
「それはダメですよ!」
するとアンナがそう叫んできた。
……なぜ?
「なぜ? という顔をされていますね」
僕の心の声を見透かしたようにサーシャが言ってくる。いや、実際に見透かされているのか。
サーシャはため息を一つ吐き、その説明を始めた。
「普通、魔法陣を描くには見本となる魔法陣を正確に描ける才能が必要になります。もちろんその才能がなくても努力をすればいずれ描けるようになるでしょう。しかしその領域に至るまでには何年もの歳月が必要になります」
サーシャがそう言い切った瞬間、メイド二人の表情がだんだんと明るくなってきた。
……君らが何を考えているのか手に取るように分かるよ。
二人とも昨日僕が描いた魔法陣を見ているから、僕にその才能が無いのは分かっているのだろう。それにサーシャと魔法陣の研究は二年で切り上げると約束してしまった。つまり努力する時間も無いわけだ。
「残念ですが諦めましょう、坊ちゃま!」
全然残念そうな様子を見せずにそう言ってくるアンナ。
「私たちも魔法陣を描く才能が無いのでそう落ち込まないで下さい」
ニコニコと笑いながらそう励ましてくるサーシャ。
そんな彼女たちを見ていると、なんだか悔しくなってきた。必死に頭を回転させて解決策を探す。
紙に直線を描きたかったら、直線をイメージして魔法で描く。綺麗な円を描きたかったら、それをイメージして魔法で描く。魔法を使えば比較的簡単に魔法陣の模写ができそうなのだが……。
しかし魔法陣を描く上で魔法は使えないらしい。なぜなら魔法陣を描くためのインクが、魔力を通しやすい性質を持った物だからだ。もし魔法を使いながら魔法陣を描くと、描いている途中でインクに魔力が流れ、不完全な魔法陣が起動する恐れがある。
だから今回の場合魔法は使えない。
魔道具も才能も努力する時間も魔法も使えない。となると……そうだ!
「普通の道具を使えばいいじゃん!」
「普通の道具、ですか?」
アンナが首を掲げてそう聞いてくる。サーシャもアンナと同じような顔をしている。
……そうか。この世界は、あらゆるものが魔法で成り立っている魔法文明だ。つまり一部の例外、フライパンなどを除いて、生活で使う全ての物が魔法と魔道具なんだ。その例外のフライパンなども魔法を利用して作られているらしいので、全てが魔法で作られていると言っても過言ではない。
それに、普通の道具は魔道具より不便なため淘汰されたってサーシャがこの間言っていた。
だから僕が、彼女達に馴染みのない普通の道具を使うと言ったことに対して、彼女達は困惑しているのだろう。
「そ。普通の道具。こんな感じの」
分かりやすいように紙にその道具の絵を描き、説明する。
「これが直線を描くための道具で、これが綺麗な円を描くための道具だよ」
「この細長い板のようなものがものさしで、人の足のようなものがコンパス、ですか……? どちらも見たことも聞いたこともありません。アンナは?」
「私もこんなの見たことないですよ」
流石魔法文明。こんな簡単な道具すら無いとは。ま、そんな事はどうでもいいか。今は魔法陣作りに集中だ。
「じゃあ今日はこの二つを作ろう!」
◇◆◇◆◇◆
「坊ちゃま、薪の形はこれでいいですか?」
「それでいいよ。ありがとう、アンナ」
場所は庭。
あれから午前の訓練を早く終わらせ、昼御飯までの余った時間で目的の道具、ものさしとコンパスを作る。
最初はものさしから。
用意する物は今アンナが板に加工してくれた薪、細長い紐、そして黒いインク。これらを使ってものさしを作る。
まずは紐にインクを付ける。そしてそれをピンと張り、板に着ける。これで板にインクが付き、黒い直線が出来る。後はこの線に沿って板を切ればいい。
「アンナ、この線に沿って切ってくれる?」
「分かりました。 ……そりゃ! これでいいですか?」
僕が頼むと彼女はノコギリなどの道具を使うまでもなく、手刀で板を真っ二つに割った。もちろん肉体強化魔法を使って、だ。ちなみにこの家にはノコギリはない。……もしかしたらこの世界にもないかもしれないな。
手渡された板を顔の近くに寄せて見る。
「……うん。これでいいよ、ありがとう」
僕が頼んだ通り、直線の上を寸分の狂いも無く綺麗に切断している。これなら充分にものさしとして使えるだろう。
後は使いやすいように、物を削る魔法[シェイブ]を使って形を整える。これでものさしは完成だ。ちなみ長さを測るためのメモリは無いが、今回は直線が描ければいいのでこれで充分だ。
次にコンパスを作る……とは言っても本格的な物じゃなくて簡単に作れる物にアレンジする。
魔法円の半径は見本の魔法円と同じにするため、コンパスの足の開く角度は固定でオーケー。鉛筆を固定するところも、羽ペンが固定できるように改良する。コンパスを固定する針も木製でいいかな? ま、壊れたらその時に直せばいいか。あ、内円の分も作らなきゃ。
◇◆◇◆◇◆
晩御飯後の運動を終え、僕らは再び読書スペースに集まった。これから魔法陣の模写の開始である。
「坊ちゃま、インクはこれをお使いください」
「ありがとう、サーシャ」
サーシャから魔法陣を書く時に使うインク、魔力をよく通すインクを貰う。何故か倉庫にあったらしい。随分と古い物みたいだけどまだ使えるみたいだ。ご先祖様に魔法陣の研究をしている人がいたのかな? まぁ、いいか。
早速始めよう。
「まずはコンパスを使って円を書く」
コンパスの針をしっかりと固定し、クルッと回す。すると二人から
「「おぉ~」」
という声が。これで一番外側の大きい円、魔法円が描けた。
続けて魔法円の内側にある円、内円も同じ要領で書く。するとまたしても二人から
「「おぉ~」」
という声が。そこまで驚くことかな?
再び魔法円で使ったコンパスを使って、内円の直径の垂直二等分線を描く。中学で習った作図の知識がこのような形で役に立つとは。
これで内円に内接している正方形も描けた。ちなみに今使っているインクは布で拭くと消えるので、余計な線は消しておく。
「サーシャさん、あっという間に魔法記号と模様以外の部分が完成しましたよ」
「そうね。魔道具を作っている魔道具師でもここまで早く書けないわ」
後ろで二人がヒソヒソと話しているが丸聞こえである。だが僕を誉めているようなのであえてスルーする。気分がいいね。
しかしここで問題が発生した。
「模様と魔法記号はどうやって書けばいいんだろ……?」
正方形の中にある渦巻き模様や、複雑な形をした魔法記号。これらをどうやって正確に描くか考えてなかった。どうしよう……。
「まずは魔道ランプの魔法陣を紙に書き写して、起動するかどうかの実験をしよう」
昨日の話し合いの影響で何時もより遅く起きた僕らは、朝ご飯を食べながら魔法陣の実験に関して話し合っていた。
「……もし、爆発したらどうするんですか?」
ご飯を食べる手を止め、アンナが不安そうに訊いてきた。アンナがご飯を食べるのを中断するなんて珍しいな。
「ちゃんと考えてるから大丈夫だよ」
これ以上彼女に不安を与えない為にもキッパリと断言する。
「そのお考えをお聞かせ願えませんか?」
すると今度はサーシャがそう訊いてきた。彼女もやはり不安を感じているようだ。
「いいよ。まず庭に縦穴を掘る。次にその穴の底で魔法陣を起動させる。そして起動させた瞬間に肉体強化魔法を使って穴から脱出する。この作戦で魔法陣を起動すれば、爆発しても被害も怪我人も出ないはずだよ」
「……なるほど。なら魔法陣を起動する係のアンナには、私がいくつか防御魔法を掛けましょう」
「……その時は私も全力で肉体強化魔法を使いますね」
あれ? 二人がイヤな顔をするのは分かるんだけど、なんで勝手に話が進んでるんだ……?
「いや、僕が魔法陣を起動させる係をやるから二人は傍で見ていてよ」
「「それはダメです」」
「おぉぅ……」
二人から同時に否定され、思わず怯んでしまった。
「坊ちゃまにそのような危険なことをさせるわけにはいきません」
有無を言わせぬ迫力でそう言ってくるサーシャと、その言葉に同意するように激しく首を縦に振っているアンナ。……これは何を言っても許してくれなさそうだな。
「……でも僕が言い出したことだから、せめて二人と同じ場所で観察させて」
この後、家の中で待機させようとする二人と激しく舌戦をし、僕にサーシャの全力の防御魔法をかけるという条件で、二人と一緒に観察させてもらえるようになった。
◇◆◇◆◇◆
朝ご飯を食べ終わり、食器も全て片付けた。今僕達は場所を移して書庫の読書スペースにいる。
これから行うのは言うまでもなく、爆発する、つまり命の危険がある実験だ。なので爆発する可能性のある要素は極力減らしたい。
「ということで、魔法陣をそっくりそのまま描ける魔道具とかってない?」
「ありませんよ!」
アンナに速攻で否定された。
「そのような魔道具があれば世の中の常識が覆されます。そもそも坊ちゃまはどのような方法で魔法陣を描くおつもりですか?」
サーシャが呆れたような表情でそう言ってきた。どのような方法でって……
「そりゃあもちろん、こう手で」
右手で円を描くような身振りをし、サーシャの質問に答える。
「それはダメですよ!」
するとアンナがそう叫んできた。
……なぜ?
「なぜ? という顔をされていますね」
僕の心の声を見透かしたようにサーシャが言ってくる。いや、実際に見透かされているのか。
サーシャはため息を一つ吐き、その説明を始めた。
「普通、魔法陣を描くには見本となる魔法陣を正確に描ける才能が必要になります。もちろんその才能がなくても努力をすればいずれ描けるようになるでしょう。しかしその領域に至るまでには何年もの歳月が必要になります」
サーシャがそう言い切った瞬間、メイド二人の表情がだんだんと明るくなってきた。
……君らが何を考えているのか手に取るように分かるよ。
二人とも昨日僕が描いた魔法陣を見ているから、僕にその才能が無いのは分かっているのだろう。それにサーシャと魔法陣の研究は二年で切り上げると約束してしまった。つまり努力する時間も無いわけだ。
「残念ですが諦めましょう、坊ちゃま!」
全然残念そうな様子を見せずにそう言ってくるアンナ。
「私たちも魔法陣を描く才能が無いのでそう落ち込まないで下さい」
ニコニコと笑いながらそう励ましてくるサーシャ。
そんな彼女たちを見ていると、なんだか悔しくなってきた。必死に頭を回転させて解決策を探す。
紙に直線を描きたかったら、直線をイメージして魔法で描く。綺麗な円を描きたかったら、それをイメージして魔法で描く。魔法を使えば比較的簡単に魔法陣の模写ができそうなのだが……。
しかし魔法陣を描く上で魔法は使えないらしい。なぜなら魔法陣を描くためのインクが、魔力を通しやすい性質を持った物だからだ。もし魔法を使いながら魔法陣を描くと、描いている途中でインクに魔力が流れ、不完全な魔法陣が起動する恐れがある。
だから今回の場合魔法は使えない。
魔道具も才能も努力する時間も魔法も使えない。となると……そうだ!
「普通の道具を使えばいいじゃん!」
「普通の道具、ですか?」
アンナが首を掲げてそう聞いてくる。サーシャもアンナと同じような顔をしている。
……そうか。この世界は、あらゆるものが魔法で成り立っている魔法文明だ。つまり一部の例外、フライパンなどを除いて、生活で使う全ての物が魔法と魔道具なんだ。その例外のフライパンなども魔法を利用して作られているらしいので、全てが魔法で作られていると言っても過言ではない。
それに、普通の道具は魔道具より不便なため淘汰されたってサーシャがこの間言っていた。
だから僕が、彼女達に馴染みのない普通の道具を使うと言ったことに対して、彼女達は困惑しているのだろう。
「そ。普通の道具。こんな感じの」
分かりやすいように紙にその道具の絵を描き、説明する。
「これが直線を描くための道具で、これが綺麗な円を描くための道具だよ」
「この細長い板のようなものがものさしで、人の足のようなものがコンパス、ですか……? どちらも見たことも聞いたこともありません。アンナは?」
「私もこんなの見たことないですよ」
流石魔法文明。こんな簡単な道具すら無いとは。ま、そんな事はどうでもいいか。今は魔法陣作りに集中だ。
「じゃあ今日はこの二つを作ろう!」
◇◆◇◆◇◆
「坊ちゃま、薪の形はこれでいいですか?」
「それでいいよ。ありがとう、アンナ」
場所は庭。
あれから午前の訓練を早く終わらせ、昼御飯までの余った時間で目的の道具、ものさしとコンパスを作る。
最初はものさしから。
用意する物は今アンナが板に加工してくれた薪、細長い紐、そして黒いインク。これらを使ってものさしを作る。
まずは紐にインクを付ける。そしてそれをピンと張り、板に着ける。これで板にインクが付き、黒い直線が出来る。後はこの線に沿って板を切ればいい。
「アンナ、この線に沿って切ってくれる?」
「分かりました。 ……そりゃ! これでいいですか?」
僕が頼むと彼女はノコギリなどの道具を使うまでもなく、手刀で板を真っ二つに割った。もちろん肉体強化魔法を使って、だ。ちなみにこの家にはノコギリはない。……もしかしたらこの世界にもないかもしれないな。
手渡された板を顔の近くに寄せて見る。
「……うん。これでいいよ、ありがとう」
僕が頼んだ通り、直線の上を寸分の狂いも無く綺麗に切断している。これなら充分にものさしとして使えるだろう。
後は使いやすいように、物を削る魔法[シェイブ]を使って形を整える。これでものさしは完成だ。ちなみ長さを測るためのメモリは無いが、今回は直線が描ければいいのでこれで充分だ。
次にコンパスを作る……とは言っても本格的な物じゃなくて簡単に作れる物にアレンジする。
魔法円の半径は見本の魔法円と同じにするため、コンパスの足の開く角度は固定でオーケー。鉛筆を固定するところも、羽ペンが固定できるように改良する。コンパスを固定する針も木製でいいかな? ま、壊れたらその時に直せばいいか。あ、内円の分も作らなきゃ。
◇◆◇◆◇◆
晩御飯後の運動を終え、僕らは再び読書スペースに集まった。これから魔法陣の模写の開始である。
「坊ちゃま、インクはこれをお使いください」
「ありがとう、サーシャ」
サーシャから魔法陣を書く時に使うインク、魔力をよく通すインクを貰う。何故か倉庫にあったらしい。随分と古い物みたいだけどまだ使えるみたいだ。ご先祖様に魔法陣の研究をしている人がいたのかな? まぁ、いいか。
早速始めよう。
「まずはコンパスを使って円を書く」
コンパスの針をしっかりと固定し、クルッと回す。すると二人から
「「おぉ~」」
という声が。これで一番外側の大きい円、魔法円が描けた。
続けて魔法円の内側にある円、内円も同じ要領で書く。するとまたしても二人から
「「おぉ~」」
という声が。そこまで驚くことかな?
再び魔法円で使ったコンパスを使って、内円の直径の垂直二等分線を描く。中学で習った作図の知識がこのような形で役に立つとは。
これで内円に内接している正方形も描けた。ちなみに今使っているインクは布で拭くと消えるので、余計な線は消しておく。
「サーシャさん、あっという間に魔法記号と模様以外の部分が完成しましたよ」
「そうね。魔道具を作っている魔道具師でもここまで早く書けないわ」
後ろで二人がヒソヒソと話しているが丸聞こえである。だが僕を誉めているようなのであえてスルーする。気分がいいね。
しかしここで問題が発生した。
「模様と魔法記号はどうやって書けばいいんだろ……?」
正方形の中にある渦巻き模様や、複雑な形をした魔法記号。これらをどうやって正確に描くか考えてなかった。どうしよう……。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
353
-
-
516
-
-
4405
-
-
26950
-
-
549
-
-
2813
-
-
841
-
-
361
-
-
29
コメント