隻眼の英雄~魔道具を作ることに成功しました~
プロローグ 3話 暗闇と閃光
目が覚めた。
けど、何時もの目覚めとは何かが違う。
何が違うのだろうと考えてみるとすぐ違和感の正体に気がついた。
暗いのだ。
何も見えないのだ。
分かってしまえば、何故こんな簡単なことに気がつかなかったのか不思議なくらいだ。
(マヌケだなぁ)などと他人事のように思いつつ瞼を開ける。
ここで更なる異変に気がついた。
暗いのだ。
何も見えないのだ。
あれ?瞼を開いたつもりだったのだが、どういうことだ?
瞼が開いてないと思い、瞼を開けるために両手を顔の前に持ってくる。
「うわぁ!?」
驚いて声が出てしまった。
何に驚いたかだって?
……自分の手にだよ!
だって周りは真っ暗なのに、いきなり目の前にヌッと手が出てくるんだよ? そりゃ驚くよね?
それでもあまりのマヌケさに、一人きりなのにも関わらず急に羞恥心を感じてしまう。
それを振り払うように視線を下に向けると、そこには驚いたことに自分の体があった!
……いや、自分の体があることに驚いたんじゃなくて、周りは真っ暗で何も見えないのに、手だけじゃなく、自分の体までもハッキリと見ることが出来る状態に驚いたんだよ。
しかし何故こんな、真っ暗な場所に僕はいるんだ?
イタズラ、拉致、誘拐、夢、……あの世?
いや、あの世は流石にないか。
死んだ覚えはないし。
あ、そうか。
自分に何が起こったのか思い出せばいいのか。
またまた、何故こんな簡単なことに気付かなかったんだ。
恐らくこんな空間にいるせいで思考力が鈍っているんだろう。と、アイムおバカ説を速攻で否定する。
うーむ……。
確か……そうだ。センターだ。センター試験を受けに行ったんだ。
そして、センターが終わったから、(今日くらいは寄り道して帰ってもいいよね)という甘い考えの下、ヨ○バシカメラの最寄り駅に着く電車に乗ったんだ。
そこからは……なにかが割れるような大きい音がして……そして、頭を叩かれた時特有の少し籠もったガンッという音を聞いて………聞いて………それで………えーっと………そこから先は思い出せないデスネ。ハイ。
アレー?フラグカイシュウハヤスギマセンカー……?
「誰かいませんかぁあああああああ!!いたら返事してくださぁぁぁあああああああい!!」
(もしかしたらここは本当にあの世かも知れない)そう思ったら急に不安が押し寄せてきた。
なのでそれを振り払う為にとりあえず大声で叫んだのだが……。
しかし、僕の声は反響すらすることなく、シーンとした空気が辺りを満たした。
やっぱりここは……。
ドン!ガララララ!ガシャーン!!
「うおぉぉい!?」
すると、突然何処からか物が崩れ落ちるような音が聞こえてきた!
ここはまだあの世じゃない説が浮上してきましたぞ!
少しホッとしつつ、音が聞こえてきた方に何かあると信じて歩いて行く。
んー。周りが真っ暗で景色が変わらないから、ちゃんと進んでいるか分からんなぁ……。
再び何らかの音が返ってくることを期待して大声を出そうとした瞬間、
ブォン!!
「はいぃぃぃぃ!?」
すぐ横で何かが通り過ぎた音が聞こえた。
あまりにも突然だったため、今度は返事のような叫び声が出てしまった……。
そして、そのすぐ直後に
ドンドン!
という、まるでホラー映画に使われるような音が。
「なになになに!? 怖いんですけど!! 超怖いんですけど!! 誰かいるんですか!? いたら返事をお願いしますぅぅぅ!!」
若干パニックになりつつも何とか誰何する。
……しかし、返事は返ってこない。
(このまま、ここにいても何もわからないから、とりあえず先に進むしかない!)と思い覚悟を決める。
スゥと大きく息を吸い……
「よっしゃああ!なんでもこいやぁああ!!なにがきても返り討ちにしてやらぁあああ!!」
と自分を鼓舞し、ソロソロと辺りを警戒しながら移動する。
へっぴり腰で。
……怖いものは怖いんだよ!!
そこから少し進むと進行方向のやや右側で
ガラガラガラ
と何らかの物音が立て続けに聞こえてくる。それと同時に恐らく人の声と思われる音もする。
音が鳴り止まないうちに進行方向を修正しつつ、引き続き警戒しながらゆっくりと近づく。
だいぶ音が近づいてきたと思ったら、恐らく女性が、何やらよくわからない言葉で叫んでいる。
少なくとも英語ではないことは確かだ。
すると辺りが突然、前後にガクガクと揺さぶられている感じがした。
「地震か!?」
非難訓練の賜物か、反射的に頭を手で守り体を丸めて、地震が収まるまでうずくまる。
◇◆◇◆◇◆
「お? 収まった? 収まったな? よし、収まった!!」
と半ば自分に言い聞かせ、顔を上げる。
すると目の前に、丸い光の球が浮いていた。
「……なにこれ?」
そう言いつつ、ゆっくりと両手で、その光の球を下から掬うように取る……直前に、それが急に輝きだし、僕の視界を塗りつぶした。
◇◆◇◆◇◆
「……んん?」
先程までの、瞼を閉じてもなお眩しかった光はどうやら消えたようなので、恐る恐る目をあける。
すると目の前にはメイド服を着た赤い髪の人が泣いてこちらを見ていた。
「え、誰?」
けど、何時もの目覚めとは何かが違う。
何が違うのだろうと考えてみるとすぐ違和感の正体に気がついた。
暗いのだ。
何も見えないのだ。
分かってしまえば、何故こんな簡単なことに気がつかなかったのか不思議なくらいだ。
(マヌケだなぁ)などと他人事のように思いつつ瞼を開ける。
ここで更なる異変に気がついた。
暗いのだ。
何も見えないのだ。
あれ?瞼を開いたつもりだったのだが、どういうことだ?
瞼が開いてないと思い、瞼を開けるために両手を顔の前に持ってくる。
「うわぁ!?」
驚いて声が出てしまった。
何に驚いたかだって?
……自分の手にだよ!
だって周りは真っ暗なのに、いきなり目の前にヌッと手が出てくるんだよ? そりゃ驚くよね?
それでもあまりのマヌケさに、一人きりなのにも関わらず急に羞恥心を感じてしまう。
それを振り払うように視線を下に向けると、そこには驚いたことに自分の体があった!
……いや、自分の体があることに驚いたんじゃなくて、周りは真っ暗で何も見えないのに、手だけじゃなく、自分の体までもハッキリと見ることが出来る状態に驚いたんだよ。
しかし何故こんな、真っ暗な場所に僕はいるんだ?
イタズラ、拉致、誘拐、夢、……あの世?
いや、あの世は流石にないか。
死んだ覚えはないし。
あ、そうか。
自分に何が起こったのか思い出せばいいのか。
またまた、何故こんな簡単なことに気付かなかったんだ。
恐らくこんな空間にいるせいで思考力が鈍っているんだろう。と、アイムおバカ説を速攻で否定する。
うーむ……。
確か……そうだ。センターだ。センター試験を受けに行ったんだ。
そして、センターが終わったから、(今日くらいは寄り道して帰ってもいいよね)という甘い考えの下、ヨ○バシカメラの最寄り駅に着く電車に乗ったんだ。
そこからは……なにかが割れるような大きい音がして……そして、頭を叩かれた時特有の少し籠もったガンッという音を聞いて………聞いて………それで………えーっと………そこから先は思い出せないデスネ。ハイ。
アレー?フラグカイシュウハヤスギマセンカー……?
「誰かいませんかぁあああああああ!!いたら返事してくださぁぁぁあああああああい!!」
(もしかしたらここは本当にあの世かも知れない)そう思ったら急に不安が押し寄せてきた。
なのでそれを振り払う為にとりあえず大声で叫んだのだが……。
しかし、僕の声は反響すらすることなく、シーンとした空気が辺りを満たした。
やっぱりここは……。
ドン!ガララララ!ガシャーン!!
「うおぉぉい!?」
すると、突然何処からか物が崩れ落ちるような音が聞こえてきた!
ここはまだあの世じゃない説が浮上してきましたぞ!
少しホッとしつつ、音が聞こえてきた方に何かあると信じて歩いて行く。
んー。周りが真っ暗で景色が変わらないから、ちゃんと進んでいるか分からんなぁ……。
再び何らかの音が返ってくることを期待して大声を出そうとした瞬間、
ブォン!!
「はいぃぃぃぃ!?」
すぐ横で何かが通り過ぎた音が聞こえた。
あまりにも突然だったため、今度は返事のような叫び声が出てしまった……。
そして、そのすぐ直後に
ドンドン!
という、まるでホラー映画に使われるような音が。
「なになになに!? 怖いんですけど!! 超怖いんですけど!! 誰かいるんですか!? いたら返事をお願いしますぅぅぅ!!」
若干パニックになりつつも何とか誰何する。
……しかし、返事は返ってこない。
(このまま、ここにいても何もわからないから、とりあえず先に進むしかない!)と思い覚悟を決める。
スゥと大きく息を吸い……
「よっしゃああ!なんでもこいやぁああ!!なにがきても返り討ちにしてやらぁあああ!!」
と自分を鼓舞し、ソロソロと辺りを警戒しながら移動する。
へっぴり腰で。
……怖いものは怖いんだよ!!
そこから少し進むと進行方向のやや右側で
ガラガラガラ
と何らかの物音が立て続けに聞こえてくる。それと同時に恐らく人の声と思われる音もする。
音が鳴り止まないうちに進行方向を修正しつつ、引き続き警戒しながらゆっくりと近づく。
だいぶ音が近づいてきたと思ったら、恐らく女性が、何やらよくわからない言葉で叫んでいる。
少なくとも英語ではないことは確かだ。
すると辺りが突然、前後にガクガクと揺さぶられている感じがした。
「地震か!?」
非難訓練の賜物か、反射的に頭を手で守り体を丸めて、地震が収まるまでうずくまる。
◇◆◇◆◇◆
「お? 収まった? 収まったな? よし、収まった!!」
と半ば自分に言い聞かせ、顔を上げる。
すると目の前に、丸い光の球が浮いていた。
「……なにこれ?」
そう言いつつ、ゆっくりと両手で、その光の球を下から掬うように取る……直前に、それが急に輝きだし、僕の視界を塗りつぶした。
◇◆◇◆◇◆
「……んん?」
先程までの、瞼を閉じてもなお眩しかった光はどうやら消えたようなので、恐る恐る目をあける。
すると目の前にはメイド服を着た赤い髪の人が泣いてこちらを見ていた。
「え、誰?」
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