異世界の親が過保護過ぎて最強
──第15話──
サンルークとライア、そして俺は少し会話を楽しんだ後、サンルークに魔法を教わる事になった。
とは言っても、ライアには必要無いので生徒は俺だけだ。
大きな木の下まで移動し、木陰に座る。
『ところでぇ………………ライア=ギルバート?』
『な、なにかの?』
俺をじっと見ていたサンルークは、その目をライアに移す。
『どうしてぇ、ルディ=ギルバートはこんなにレベルが高くなっているのかなぁ?』
少し黒いオーラを出しつつライアに問い詰めていた。
光の大精霊なのに黒いよ!!
なんで!?
『そ、それはの…………』
『うん?』
『ルディのレベルが低いとすぐに死んでしまうと思ったのだ!神狼族は狩りをするのだし、深淵の森には遥かに高いレベルの魔物もおるじゃろ?だからの、少しでもレベルを上げてやりたいと思ったのだ!』
勢い良く早口で話すライアの言葉をサンルークは黙って聞いていた。
サンルークは一つため息を溢すと
『だったらぁ、深淵の森に行かなくても良かったんじゃぁないかなぁ…………その森はこの大地の中でぇ強い魔物の〈闇落〉が多くいる場所だよぉ?他の森や洞窟だとぉ、ほとんど300以下のレベルしかいないんだしぃ…………』
『それ以上の魔物が突然現れたらどうするのだ!ルディが死んでしまうではないかっ!』
俺を殺さないで。
いや、まぁ、強い魔物がいたら殺されるかもしれないけど、逃げる選択肢もある、はずっ!
『…………う~ん。でもねぇ、この歳でレベル258はぁ、やり過ぎじゃないかなぁ?』
『そんな事ないぞ!まだまだ、これからだしの!』
『………………そっかぁ。じゃぁ、ルディ=ギルバートに“常識”を説明しておくねぇ。』
常識って言葉を強調したな……
ライアが非常識だとは思っていないんだが……
あれ?
もしかして、俺って毒されてきてんの?
『あのねぇ?人間だとぉ、200~300のレベルでぇ中級冒険者位にはなれるんだよぉ?300~400のレベルだとぉ、上級冒険者位でぇ、王宮の騎士団には入れるねぇ。400~500レベルだとぉ冒険者のギルドマスターや騎士団長になるねぇ。一部500レベル以上の人もいるけどぉ、人間はそこまでレベルを上げなくても生きて行けるからねぇ。』
中級冒険者がどれくらい強いのか、いまいちイメージが出来ないんだけど……
会ったことないしね。
『500レベルは弱いじゃないかの!?』
『……それがぁ、人間の“普通”なんだよぉ?』
弱い!?
え、弱いの?強いの?
どっちを信じたら良いの!?
俺以外の人間に会ったことないから分かんないよ!
誰か正解を教えてっ!
『…………後はぁ、ルディ=ギルバートが決める事だけどねぇ?』
急に投げてきた!
ライアにレベル上げするのを止める為の話じゃなかったの!?
『え、あの……?』
『ルディ=ギルバートぉ。僕達はぁ、『こうだよ』って教えたりぃ、伝えたりは出来るんだけどぉ、最後に決めるのは本人なんだよねぇ。強制はしないしぃ、否定もしないよぉ?それでぇ、君はぁ、強くなりたいのぉ?』
強くなりたいかどうかって聞かれたら、なりたい。
ラルフに負けてられないし。
それに、ネロにも。
『うん、つよくなりたい。』
『さすが、妾の子じゃの!!』
『そっかぁ。じゃぁ、頑張ってねぇ。』
ライアは俺に抱きついて喜び、サンルークは優しい笑顔で笑っていた。
本当に止める気は無かったんだな。
人間での普通を親切に教えてくれただけみたいだ。
俺は神狼族の普通しか知らないしな。
そりゃ、人間の普通とは違う部分があるかもしれないな。
☆
そして一息ついた後、待ちに待った魔法を教わる事になった。
『まずはぁ、ルディ=ギルバートは魔法ってぇ、何だと思う~?』
魔法か……。
前世の記憶がある俺としては、魔法は非現実的なものだけど、こっちの世界では日常的なものだしな……。
ゲームとかのイメージだと…………
『まりょくをつかうもの?』
『そうだねぇ。その認識は間違いではないけどぉ、少し違うかなぁ。』
『ちがうの?』
『魔法は頭でイメージしてぇ体内にある魔力を変換してぇ放つものなんだよねぇ。そのぉ変換の時にぃ、適正の無い魔法は上手く変換出来ないんだよねぇ。』
『……?てきせい?』
『適正はぁ本人が生まれた時から持っていてぇ使えるものの事だねぇ。後はぁ、僕が加護を与えたみたいにぃ、大精霊から加護をもらうとぉ変換出来る素材が増えるって感じかなぁ。』
俺の頭が悪いのかっ!
全然分からんぞ!!
『まぁ、そこは分からなくても良いかなぁ?』
急に説明を諦めないでっ!
頭悪くてごめん!
『それでぇ、魔力を使うものはもう1つあってぇ、魔術って言うんだぁ。魔術はぁ適正が無い魔法でもぉ使える様になるんだよねぇ。』
『どうして?』
さっき適正が無いと使えないって言ったばかりだよね?
これ以上俺の頭を混乱させるつもり??
オーバーヒートしちゃうよ?
『魔術はねぇ、使いたい魔法を記号化して回路を作っているものなんだよねぇ。その記号化した回路にぃ魔力を流すとぉ適正が無い魔法でも使えるようになるんだぁ。』
…………どういうことですか。
ちんぷんかんぷん。
もうワケわからん。
俺ってこんなに頭悪かったんだな。
いや、頭良いとは思ってないけど!
『…………つまりぃ、魔法は魔力とイメージでぇ魔術は魔力と回路が必要って事かなぁ?』
よし、それなら分かる!
簡単に言ってくれてありがとう!!
『うん!わかった!!』
『そぅ、それなら良かったよぉ。』
サンルークから教えてもらった事を反芻してると、サンルークの周りにふよふよと浮かぶ光の珠があった。
それはサンルークに加護を貰う前に見たサンルークの姿に似ていた。
『やぁ、ノア。君も来たのぉ?』
『───────。』
あの時と同じ音がする。
多分サンルークはノアと呼んだ光の珠と話をしているんだろう。
聞き耳を立てるつもりも無いので、魔法と魔術について考えていると……
《【闇の精霊の加護】を取得しました。》
え!?
なんでーーーー!?
とは言っても、ライアには必要無いので生徒は俺だけだ。
大きな木の下まで移動し、木陰に座る。
『ところでぇ………………ライア=ギルバート?』
『な、なにかの?』
俺をじっと見ていたサンルークは、その目をライアに移す。
『どうしてぇ、ルディ=ギルバートはこんなにレベルが高くなっているのかなぁ?』
少し黒いオーラを出しつつライアに問い詰めていた。
光の大精霊なのに黒いよ!!
なんで!?
『そ、それはの…………』
『うん?』
『ルディのレベルが低いとすぐに死んでしまうと思ったのだ!神狼族は狩りをするのだし、深淵の森には遥かに高いレベルの魔物もおるじゃろ?だからの、少しでもレベルを上げてやりたいと思ったのだ!』
勢い良く早口で話すライアの言葉をサンルークは黙って聞いていた。
サンルークは一つため息を溢すと
『だったらぁ、深淵の森に行かなくても良かったんじゃぁないかなぁ…………その森はこの大地の中でぇ強い魔物の〈闇落〉が多くいる場所だよぉ?他の森や洞窟だとぉ、ほとんど300以下のレベルしかいないんだしぃ…………』
『それ以上の魔物が突然現れたらどうするのだ!ルディが死んでしまうではないかっ!』
俺を殺さないで。
いや、まぁ、強い魔物がいたら殺されるかもしれないけど、逃げる選択肢もある、はずっ!
『…………う~ん。でもねぇ、この歳でレベル258はぁ、やり過ぎじゃないかなぁ?』
『そんな事ないぞ!まだまだ、これからだしの!』
『………………そっかぁ。じゃぁ、ルディ=ギルバートに“常識”を説明しておくねぇ。』
常識って言葉を強調したな……
ライアが非常識だとは思っていないんだが……
あれ?
もしかして、俺って毒されてきてんの?
『あのねぇ?人間だとぉ、200~300のレベルでぇ中級冒険者位にはなれるんだよぉ?300~400のレベルだとぉ、上級冒険者位でぇ、王宮の騎士団には入れるねぇ。400~500レベルだとぉ冒険者のギルドマスターや騎士団長になるねぇ。一部500レベル以上の人もいるけどぉ、人間はそこまでレベルを上げなくても生きて行けるからねぇ。』
中級冒険者がどれくらい強いのか、いまいちイメージが出来ないんだけど……
会ったことないしね。
『500レベルは弱いじゃないかの!?』
『……それがぁ、人間の“普通”なんだよぉ?』
弱い!?
え、弱いの?強いの?
どっちを信じたら良いの!?
俺以外の人間に会ったことないから分かんないよ!
誰か正解を教えてっ!
『…………後はぁ、ルディ=ギルバートが決める事だけどねぇ?』
急に投げてきた!
ライアにレベル上げするのを止める為の話じゃなかったの!?
『え、あの……?』
『ルディ=ギルバートぉ。僕達はぁ、『こうだよ』って教えたりぃ、伝えたりは出来るんだけどぉ、最後に決めるのは本人なんだよねぇ。強制はしないしぃ、否定もしないよぉ?それでぇ、君はぁ、強くなりたいのぉ?』
強くなりたいかどうかって聞かれたら、なりたい。
ラルフに負けてられないし。
それに、ネロにも。
『うん、つよくなりたい。』
『さすが、妾の子じゃの!!』
『そっかぁ。じゃぁ、頑張ってねぇ。』
ライアは俺に抱きついて喜び、サンルークは優しい笑顔で笑っていた。
本当に止める気は無かったんだな。
人間での普通を親切に教えてくれただけみたいだ。
俺は神狼族の普通しか知らないしな。
そりゃ、人間の普通とは違う部分があるかもしれないな。
☆
そして一息ついた後、待ちに待った魔法を教わる事になった。
『まずはぁ、ルディ=ギルバートは魔法ってぇ、何だと思う~?』
魔法か……。
前世の記憶がある俺としては、魔法は非現実的なものだけど、こっちの世界では日常的なものだしな……。
ゲームとかのイメージだと…………
『まりょくをつかうもの?』
『そうだねぇ。その認識は間違いではないけどぉ、少し違うかなぁ。』
『ちがうの?』
『魔法は頭でイメージしてぇ体内にある魔力を変換してぇ放つものなんだよねぇ。そのぉ変換の時にぃ、適正の無い魔法は上手く変換出来ないんだよねぇ。』
『……?てきせい?』
『適正はぁ本人が生まれた時から持っていてぇ使えるものの事だねぇ。後はぁ、僕が加護を与えたみたいにぃ、大精霊から加護をもらうとぉ変換出来る素材が増えるって感じかなぁ。』
俺の頭が悪いのかっ!
全然分からんぞ!!
『まぁ、そこは分からなくても良いかなぁ?』
急に説明を諦めないでっ!
頭悪くてごめん!
『それでぇ、魔力を使うものはもう1つあってぇ、魔術って言うんだぁ。魔術はぁ適正が無い魔法でもぉ使える様になるんだよねぇ。』
『どうして?』
さっき適正が無いと使えないって言ったばかりだよね?
これ以上俺の頭を混乱させるつもり??
オーバーヒートしちゃうよ?
『魔術はねぇ、使いたい魔法を記号化して回路を作っているものなんだよねぇ。その記号化した回路にぃ魔力を流すとぉ適正が無い魔法でも使えるようになるんだぁ。』
…………どういうことですか。
ちんぷんかんぷん。
もうワケわからん。
俺ってこんなに頭悪かったんだな。
いや、頭良いとは思ってないけど!
『…………つまりぃ、魔法は魔力とイメージでぇ魔術は魔力と回路が必要って事かなぁ?』
よし、それなら分かる!
簡単に言ってくれてありがとう!!
『うん!わかった!!』
『そぅ、それなら良かったよぉ。』
サンルークから教えてもらった事を反芻してると、サンルークの周りにふよふよと浮かぶ光の珠があった。
それはサンルークに加護を貰う前に見たサンルークの姿に似ていた。
『やぁ、ノア。君も来たのぉ?』
『───────。』
あの時と同じ音がする。
多分サンルークはノアと呼んだ光の珠と話をしているんだろう。
聞き耳を立てるつもりも無いので、魔法と魔術について考えていると……
《【闇の精霊の加護】を取得しました。》
え!?
なんでーーーー!?
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