誤:最弱魔物の成り上がり〜VRMMOで目指す最凶プレイヤーへの道~
2:主人公、キャラクター設定でやらかす
「いよいよサービス開始時間だ!」
ハキハキとした声で俺は言った。
一昨日は急いで準備したのに、まさかの展開…だが今日は大丈夫だ!
そう思い、自分の手で頬を2回叩き、気合を入れてから【ジック】を装着した。
【ジック】を起動させる
視界が真っ白になり、またガラスのボードが現れる。
【JOKER】のゲームアイコンをタップする
「【サービス開始5秒前】」
「緊張してきたな…」
カウントダウンを見ながら呟く……
「【サービス開始4秒前………3…2…1…】」
0秒前と表示されようとするのと同時に視界が真っ青になる
「【キャラクター設定】?…」
真っ青な空間に【キャラクター設定】という文字が浮かんでいた…
タップすると、種族、性別、髪型、容姿、体格の項目があった。 
 
ニヤリと俺は笑い、1時間かけて理想の自分のキャラクターを作った…
そして、全て完了したか確認する。
「あ、まだ種族選択してなかった…何にしようかなぁ…」
このゲーム、【JOKER】には大きくわけて2つの勢力がある。
勇者や英雄、人族を中心とする勢力。
魔王、魔神、魔族を中心とする勢力。
プレイヤーはこのふたつのどちらにつくか選ぶことが出来る。テスト版では、8割のプレイヤーが、人族中心の勢力に着いた。
俺ももちろん、人族側に着こうと思っている……
冒険者とかやりたいし…恋愛だってしたい…ぬへへ…
それに何より、魔族側に着いたらほとんどの確率で殺される…
テスト版では、プレイヤーの8割が、人族側に着いていた…今回はそれ以上に人族にプレイヤーが集まると言われている。
だから魔物側に着くのは死にに行くようなもの同然。せっかく【ジック】買ったのに、魔物で負け続けるゲームライフなんて嫌だ!
多分、ほとんどのプレイヤーがその理由で人族側に着いているんだと思う…
種族選択に、魔族の一覧があった。間違ってもそこに触れないようにして、俺は【ハイヒューマン】を選択した。
そして、震えた指で「【完了】」と書かれたとこをタップした。
が、
1分待っても変化なし。どこかに飛ばされる気配もないのでもう一度【ハイヒューマン】を選択。完了。
「ダメだ…」
普通ならこの後、始まりの街に飛ばされるのだが、何故か飛ばされない…
 
「んんんんんん…」
目を瞑りながら、考え事をしていると「【魔族】」の所を誤ってタップしてしまう。
そしてそのまま、【完了】と書かれたところをタップ。
目を見開くと 
 
「【キャラクター設定完了。】」
と出てくる。
「来たか!」
 すごい時差だな…重いのか?と思いながら言うと、視界が急激に狭まっていき、気づいたら森にいた。
俺はこの時さっき自分が何をしたのかを悟った。
「やらかしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺の雄叫びは森中に響き渡った
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