自害したら転生して、異世界生活??~起きたら貴族になっていた~

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第三十二話 剣技大会でござる。 後半

 数時間気を失っていたようだ。肩の傷の後は完全に無くなっていた。
 そう、三〇分以内に治療師による治療を行った場合、痕が残ることは絶対にないと言われている。しかし、死んでしまった人の蘇生はできない。だから、この大会でも殺すことは許されない行為である。やってしまうと速攻退学となると聞いている。


 身体を確認していると、二人がやってきた。


「おい、大丈夫だったか?試合後倒れていたからな。」


「大丈夫だよ。肩に深手を追ったから、痛かったさ。でも、勝たないと意味ないからね。」


「そうか。Cクラスの人も復活したらしい。」


「レン君心配したんだよぉ。次は、決勝戦だね。また頑張ってね。」


「うん。頑張るよ。ありがとう」


「じゃあ、俺たちは闘技場で先輩方の試合見てくる。絶対に寮に戻るなよ。」


 念を押されたけど、本当に試合を見る気はなかった。


 次は二年の試合だったが、あまり興味もなく決勝戦ぐらいは見ていた方がいいのかなと思っていた。この日は三年の試合まで行うと聞いていたため、実質僕が出る試合はないから、闘技場にいる必要もない。帰ろうと思っていたとき、携帯端末からメッセージがとどいていた。
「いま、帰ろうと考えていただろう。闘技場へ戻れ」


 普通にばれていたけれど、メッセージで届くとは思っていなかった。後から責められると面倒だから従うように闘技場へ向かった。


 闘技場へ向かうと、二年のDクラス対Eクラスが戦っていた。なぜかEクラスの子は避けることしかしていないようだったのでとても詰まらない試合をしている。もしかして、相手の子がけがしたら・・・とか考えていたりしているのかなと思ってしまった。それでは試合などできないと思うけど、さてどうするのだろうか。


 結局、Eクラスの子は最後まで避けることしかしなかった。もうすぐ時間切れになりそうで、この試合には引き分けというのは存在しないらしいから攻撃を仕掛けた方が勝ちとなってしまう。だから、今回はDクラスが倒してはいないが勝ちとなった。なんか見ていた方もモヤモヤとなってしまい拍手喝采をしたくないほどだった。


 次の試合は、一〇秒ほどで終わってしまった。早く終わってしまうのも面白くない。どんな技を相手が使ってくるか全く知らないまま試合終了を迎えてしまう。しかし、Aクラスのダカン先輩は、有名らしく昨年の準優勝だということだ。もちろん優勝は、四年のマルク先輩だ。一年生で準優勝まで進んだということもすごいことだけど、毎回の試合が一分以内ということで、どんな技を使っているか分からないらしい。僕は、ぜひとも戦いたいと思っていた
その後も順調に二年の部は終わった。もちろん勝ったのはダカン先輩だ。


                         ★


 次は三年の試合だったけれどもなんか注目すべき選手も居なくて詰まらなかった。


 毎回の試合は意外と短く二〇分前には終わって、サクッと終わってしまった。


 明日の四年の試合はマルク先輩が勝つだろうから線商戦の相手も決まったのも当然だ。


 多分二年の先輩と当たるだろう。これに勝てば、マルク先輩と戦えるから明日は速攻で倒してしまうと考えた。


 メッセージか届いていて、確認するとリナからだった
〈今から、カフェに行こうよ。この前の所でいいかな?〉
 返信をしないと・・・・・
〈わかった。何処に集合する?〉
 すると、すぐに返信が来た。
〈後ろにいるよ。知らなかったの?〉
 振り返ると本当にいてびっくりした。
 そして、三人はこの前行ったカフェへ行ったのである。


                      ★
次の日になった。


 昨日の予想が当たったようで、四年の試合はマルク先輩の圧勝だった。
 次の決勝戦は、二時間後に行われるようで少しいつものメンバーでいて、少し出店で変わった物をたべた。東方の国で五平餅というらしい。転生する前には聞いたことはあっただけだった。食べてみたらおいしかった。異世界でも味噌はおいしい。買いたいほどだった。
 試合まで三〇分前になったので、控室に戻った。すると、実行委員の先輩は、少しほっとした様子だった。そうこの前はギリギリに来てしまったのが影響だろう。もう少しで始まりそう。


 入場のアナウンスがあり、二人は闘技場に向かう。すると観客はもう大騒ぎだ。アナウンスする人がしーずーまーれーと言うと、観客は静まった。二人は準備ができたようで拳銃の音が響いた。レオンはいつも通りに相手の距離を縮めようと近づいたが、ダガンはいい距離になった瞬間に先制攻撃を仕掛けていて、レオンはびっくりしたようだ。


 レオンは両刀にして攻撃を防ぎ、すぐに攻撃に移り上斬と叫んで、仕掛けた。しかし簡単に防がれ驚いた様子だった。


「レオン君だったかな?この攻撃では俺は倒せないよぉ」


「わかってます。まだまだこれからですよ。先輩」


 二人は一言いい合いながら、攻撃を再開したようだ。
 レオンは攻撃を肩に向かって、影上斬と叫んで仕掛けた。
 ダガンは肩に深手を負っていた。一瞬のことだったので、ダガンでも分からなかったようだ。
 この技は、相手の影まで一瞬で隠れて、後ろから剣を振るう技だ。ほとんどの人は何をしている分からなく、相手が傷を負っていることしか分からないという物だ。
 ダガンは痛そうでも、すぐに攻撃に移った。しかしレオンは一瞬で来ても避けられたようだ。この試合の勝算はレオンにあることは決まったようで、この後、レオンの攻撃でダガンは倒れた。
 レオンの顔は漸く勝てたようなホッとした表情になっていた。


 レオンが控室に戻ったら、二人が来た。


「レン君接戦だったねぇ〜。肩に深手を負わした瞬間私は勝ちだと思ったよ」


「ありがとう。結構強くてし、特に先制攻撃が一瞬きてびくっりしたさ」


「レンは凄いな。マルク先輩にも勝てそうだな」


「おう。頑張るよ。」


                   ★
 次の試合は、余裕でマルク先輩が勝った。三年は全体的に弱いようだ。僕は、あの試合がおわってから絶対にかってやるという気持ちが強くなった。
 控室に戻った。頑張れと言ってくれた。
 アナウンスの人も盛り上がりを見せている。
「けっしょうせんとなりましたぁあああああ」
「うぉおおおおお」
 観客も叫んでいた。二人はそんな中入場をしたため、もっと盛り上がりを見せていた。
「今年も、まるくじゃあないか?」
「でも、あの一年のやつもすごいらしいぞ」
 観客はどっちが勝つか、予想をしていたようで、中には、賭博していた物いると聴いている学園的には黙認している。
 二人は準備できていたようなので拳銃の音が響いた。まずはマルクが先制攻撃を仕掛けた、なんと剣先が届かない所だが、レオンまで届いていた。レオンは驚いて防ぐ事を忘れて、直撃していた。いろんなところが傷が出来ていた。傷だらけで誰が見ても痛そうだ。レオンはその場で氷上斬を叫んで、マルクの足の周辺は凍っていてマルクは一歩も動けないようだったがすぐに剣と火属性を合わした攻 撃で氷を溶かした。攻撃を仕掛けた。これは決勝戦で毎回使われており、この攻撃を受けると両手の骨が折れてしまい、攻撃不能になってしまう。
 レオンはギリギリ避けきった。そして、足を狙った。粉砕斬と叫んで、足の骨を折れる技を仕掛けたら、なんとマルクは避けれなかった。なぜなら、レオンは右に避けるだろうと思って右に曲がるようにしていた。
 マルクは戦闘不能になってしまった。
 「よっしゃぁああああああああ」
 レオンは叫んだ。すると、先輩から
「俺のあの技を避けた者は初めて見たぞ。あれは剣で防いでも意味がない。瞬間に移動しないとな」
そう言って、担架で運ばれていった。



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