第二十八話　帝国についてでござる。

家に帰ると、


「レオン、町の中で堂々と告白をされたらしいな。父さんも見に行けばよかったな。なんか町の人によると空中で爆発ような光があったと聞いているぞ。どうせ、レオンだろ？」


「ばれていましたか。彼女に綺麗な光景を見せたかったの」


「へぇ。なんというものだ？」


「花火という物です。光魔法に属しています。叫ぶことにより遠くの場所に花火を出すことができます。」
「ほう。面白そうだな。今日の夜にでも見せてくれ」


「分かりました。」


レオンは、なぜかこの魔法を夜に見せることになった。家でゆったりとしていたら、夜になろうとしていた。家族みんなが玄関の外に集まっており、今か今かと待っていたから急いで玄関を出た。


「漸くきたな。外で魔法をみせてくれのだろう？」


「はい。もう少し暗くならないときれいに見えないと思います。」


「あぁ、そうか。待機！！！」


２時間ぐらいが経ち、空は真っ暗になり星が良く見えるようになった。


「それでは、行きます」


レオンは、光魔法の花火をやった。今回は、二人だけではないので少し遠めにしてどでかい花火を作り出した。家族全員おどいていながら、歓声を上げていた。


「レオン、これはすごいな。夏の夜空にぴったりな魔法だ。お前はどこでそんなものを考えたのだ」


「たまたま、思いつきました。」


「そ、そっか。この魔法を登録しておけよ。お前しか使えないように」


この異世界には、自分で作った魔法については登録ができる。登録をすることにより、開発した者以外は誰も使えなくなる。使いたい場合は使用料として金貨１枚を支払う必要がある。登録しない場合は、国より餞別がもらえる仕組みになっている。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★


夏休みが終わり、学園は始まった。


夏休みにどこか出かけた子は、真っ黒に日に焼けていた。別の国の人かと思うほどだ。


「レン、久しぶり。恋愛の方はうまくいっているかい？」


「うん。楽しい日々だよ。」


「それはいいな。俺は選ばれた人しか付き合えないから、面白くない。」


「そうなのか。残念だね。夏休みも自分の行きたい場所にはいけないとかあるの？」


「あるよ。第一王子だし、勝手には出れないよ。行きたいと言えばどこでも行けるけど、人が多いところには行けないね。結局、城の中でいることしかできない。」


「それは、大変だなぁ」


話が盛り上がり過ぎて、授業に遅れそうになってしまった。


「はい。もうすぐあれがありますね。レオン君は準備をしてきましたか？クラスの恥にならないように頑張ってくださいね」


先生は、一言言ってから授業を始めた。


座学では、帝国のことを授業をしていた。帝国は僕が住んでいる王都の南側まあ、屋敷がある方に５日かけて歩くと着くらしい。王都は都市国家で、国としての機能や面積において小さい。それに比べて帝国はこのような国に戦争などを行って、領土を増やしているそうだ。まだこの国に攻めてくることは、今のところはないが、何十年経つとせめて来る日もあるかもしれない。そんな帝国には、物があふれかえっており、ないものは無いという感じだ。人種も様々で意見が食い違えて反乱が起きるのが日常茶飯事だと聞いている。


このぐらい知っておけば、大丈夫だと言われてしまった。


「やっぱり、帝国は凄いな」


「おう。そうだな。俺が行けるときは国交を戻すときか戦争をするときぐらいしかいな。レオンは行ってみたいのだろ？」


「よくわっているやん。ゼアンはいけ無さそうだから、ゲート気分で行こうかな？」


「はい、はい。そうしてくれ」


レオンは王都に行く夢が一歩前進した。