コミュ障陰キャは2度笑う

ケッキング祖父

第2話

「ようこそ、勇者様方。」
事態を掴めず当惑するばかりの僕たちに法衣を着た老人はそう言った。
「ゆ、勇者って、どういうことですか…?」
僕の別クラスの男子、鹿場雅士しかばまさし
がクラスの代表として老人に尋ねる。
鹿場は容姿、勉強、運動と何でもござれの超人である。正義感が強く、様々な問題を持ち前のスペックと熱い正義感で解決してきた。たまに空回りしてしまうこともあるが、それすらも彼の魅力の一つであるというのを女子が話していた気がする。

「おお、すみませぬ。こちらからの説明が一切ないままでは、なにがなにやらわからないでしょうな。」
老人は少し微笑む。何故かその笑みが胡散臭く感じられたのは、自分があまり人と話してこなかったからだろうか。

「貴方方は、この世界である使命を果たすために、我が国の召喚の魔法を用いて異世界からこの世界に引き寄せられました。」
「使命って…なんなんだよ」
そう老人に問うのは月森亜葵つきもりあき
僕とは別クラスの女子で、輝崩した制服、染めた金髪、少しきつい目元がとくちょうのいわゆるヤンキーである。以外にも成績は良く、整った顔立ちをしているので、何故グレてしまったか本当にわからない女子。まあ聞く勇気もあるわけではないのだが。
「貴方方の使命とは、我が国に広まりつつある汚染地域の拡大阻止及び原因の根絶です。」

月森の問いに老人は答える。
その後の詳しい説明を要約すると、
僕たちが召喚された国、ゴドー国では数十年前から土地が汚染されることがあるという。汚染されてしまうと、恐ろしい怪物が現れその土地の人々を蹂躙したり、人にとって有害な地形の出現などが起きるという。その汚染の浸食速度が最近になって例年になく速く進んでいるのだという。このペースでいけばあと数年で僕たちが今いるゴドー国の首都、ジョーゴにまで達してしまうという。
そのため、この国の重鎮であるバイトが急遽国の秘術であった召喚の魔法を用い、僕たちをよんだのだという。

コメント

  • オナ禁マッスル

    クラス転移って1クラスだけが転移するわけじゃないんですね

    0
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