オーバーウェルミング

日向木陰

学園入学編 1話 実力



至高の憤怒から15年が過ぎた。
人は徐々に平穏を取り戻しできた。


しかし、この世は平和と呼ぶには、程遠く。
まさに弱肉強食だ。


そして今も波乱が起きている。
今日は晴天の空模様
何もなければ外で昼寝をしたい
気分になるだろう。
だが、今はそんなことはしている場合
ではない事態が起きている。
ワイバーンの群れ。


ワイバーンは最強種の一つ
龍種に属する種族だ。


しかし龍種の中にも強さのランクがあり。
ワイバーンは中位の強さ。

それでも人間にとっては脅威で、
一般の人なら対峙したら確実にこの世に
お別れを言わなければならないだろう。

おおよそ10メートルの大きさで
鋭い牙と俊敏さが特徴だ。


1体でも、厄介なのに、その数およそ30体。
この時期になると産卵期を終え誕生した
ワイバーンの子に食べさせるために、
群れをなして人や獣を襲う。


そのワイバーンの群れに
対峙する様にローブを着て立つ
二人の姿が見える。


「はぁー。」

「ため息やめろよ。こっちまで気が滅入るだろ。」

「いや、じいちゃんに呼ばれたんだよね。」

「げっ、国王様に?」

「ワイバーンを倒すのに時間かけて行けないことにしようかな。」

「それは今度は別のじいさんに怒られんだろ。」

「マスターの方がまだ楽だよ。」

「まぁ、嫌なことは、とっとと終わらして
ゆっくりした方が楽じゃねぇ。」

「それもそうだな。」

ワイバーンが国に入り込んだら
甚大な被害が及ぶというのに
とても呑気に話ている。

「どうすっかね。あいつら結構防御硬いぞ。
魔力もそこそこあるし」

「ワイバーンの属性は確か火だよな。」

「そうだな。」

「じゃあ雨降らしてくれよ。そのあとは任せてくれ。」

「了解。じゃあとっとと終わらせっか。ソア。

「おけ。ケント。」

そういうと、ケントと呼ばれる少年は、
魔法を展開してワイバーンのいる範囲に
ゲリラ豪雨を降らせた。

ワイバーンは急な雨に戸惑い
雨の降ってる範囲から必死に
逃げようとしている。

ダメージはないが、自分の属性と
相性が悪いことを承知して
攻撃されるとまずいからだろう。

しかし、雨は人によってできたもの
振り解くことなど出来ず。
ワイバーンは雨にどんどん濡れている。

すると、ワイバーンの頭上から
幾つのもの稲妻が降り始めた。

俊敏なワイバーンでも雷の速さには勝てず
次々と稲妻に打たれ地上に落下して行く。



「爽快。爽快。ちょっとは発散できた。」

「ソア〜、水で濡らして、雷で撃つとか、
えげつねぇよ、まったく。」


「合体技だ。今思いついた。」

「じゃあとっとと。回収しに行くか。」

「あいよ。」

魔力を持った生き物は
基本、魔物と呼ばれる。
おそらく人間が作った言葉だが、
この点から言えば、
この世界の人間も他から見たら魔物だろう。
そして討伐した魔物の体は
いろいろな用途で使われる。
食肉になったり、武器に使われたりと。

希少さや、魔物の討伐難易度で売買の額が
変わってくるわけで
ワイバーンの体は高額で取引される。 

そんなわけで、ワイバーンの死体を
回収しない理由がないのだ。

そして、体に傷が少ないほど
取引額は上がる、
その点から言えば、
二人の行った技は、芸術的と言えるだろう。
少し焼けてはいるもののほぼ無傷で
仕留めているのだ。

圧倒的な魔力がなげればできる技ではない。

「あっ、そうだ。合体技に名前つけるわ。」

「だせぇのは、やだよ。」

「わかってるよ。」


そういうと二人は、落下したワイバーンの
群れを回収し帰路についた。



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