アーマード勇者育成記 ハイファン異世界でAI積んだ強化外骨格着て勇者育ててるんですが!
第5話 俺、金を作る
「どうやら何事もなく街に着いた様だな」
「はい、そのようですね」
着いた街は中世ヨーロッパの町並みが色濃く見える、ベローアへと俺は到着する。中世とは言っても道端にうんこが捨ててあるとかそういった事は全くなく、実に小綺麗な街である。
「しかし、メイタリオの金貨はこの世界じゃ使えないんじゃないか?」
「武器をお売りになれば宜しいのでは? もしくは錬金術のスキルで素材変換を使い、この世界の金貨もしくは銀貨へ変えてしまえば――」
「普通に犯罪ですよねそれ。まぁ、要らない武器防具なら腐る歩あるし、無きゃまた作りゃいいしな」
しばらく適当に歩き、剣と盾が書かれた木製の看板が掲げられた武器屋を見つけ、店内へと入る。
カウンターには左の頬から目にかけてガッツリ傷の入ったドワーフが暇そうにしていた。
「武器を売りたいんだが良いかな?」
「あぁん、おめぇ……言い値で買おう」
「は? まだ見せてすらいないんだが?」
「あんたが装備してる、甲冑だか鎧だかわからねぇそれ、そんじょそこらのモノじゃねーな。言い値で買わせてもらう。その代わりお前さんが装備してるそれ触らせてくれ」
「触るだけでいいのか?」
「ああ……」
変な事をいうドワーフだな。
まぁ言い値で買ってくれるってなら、幾らでも触らせてやろう。
右手をそのままレジカウンターへ置くと、ドワーフは両腕を震わせながらガントレットに触れ、目を瞑《つぶ》る。
「じゃ、じゃ鑑定させてもらうぜ」
ん? 詠唱とかなしで触って分かるもんなんだろうか?
「あぁ……信じられん。まさか生きて神の鉱物に、出会える日が来るなんて……」
ドワーフをよく見ると、泣いていた。
目を開けたドワーフはすす汚れた服で顔を拭くと、赤くなった眼を俺に向ける。
「な、何だどうしたんだ。急に泣き出したりして」
「こいつは、ヒヒイロカネ合金で出来てやがるな。それも装備一式全部だ。そうだろう?」
鬼気迫る表情で俺の顔を真っ直ぐ睨みつけるこのドワーフに、嘘は通じまいと思い正直に話す。
「あぁ、そうだよ」
「あんたが何者かは聞かん。たまにで良いから店に顔出してくれ。約束通り武器は言い値で買ってやる」
「ありがとう。でも今のレートとかよく知らねぇから見繕ってくれ」
俺はインベントリから無作為に武器防具やアクセサリーを選び、カウンターへ次々置いていく。
「……ッ」
然程、強くない武器や防具を選んだはずなのだが、ドワーフのおっさんは絶句している様に見える。やはり3000年という月日は相当なものらしい。
「で、どの位になるんだ?」
「あ……ああ、俺の今この店にある金庫の金、全部でどうだ?。確か70億位あったはず」
「いや、それは――」
「足らねぇか」
「そういう事言ってんじゃねぇよ。店主はそれで良いのか」
「おらぁ武器や防具が好きだから武器屋やってんだ。金なんて二の次に過ぎねぇ。お前の武器はすげぇ業物だ。生半可な覚悟でたどり着ける頂きじゃねぇ。俺にはそれがわかる。だから、そんなものをこれだけ売ってくれるあんたに、せめてものお返しとして俺の持つ全財産をやるって言ってんだ。この武器達に囲まれるならもう死んでも後悔はねぇ」
「そこまで言うか。わかった。あんたの覚悟として金は頂くぜ」
「じゃあ、裏の金庫に案内すっからよ。一緒に付いてきてくんなぁ」
俺は頷き、店主の後に付いていく。
裏手の扉を開け、1人用の小さな工房を抜けるとまた扉だ。
その扉を抜けると地下へと続く階段が現れた。
「この下が金庫だ」
石造りの階段を店主と共に降りていくと、ダイヤル式の鋼鉄製の扉が現れた。
「よしよし、いい子だ。さぁ言う事を聞いておくれ」
主人公はまるで子供を諭す様な言葉づかいでダイヤルを不規則に回しだす。
しばらくしてダイヤルから手を離すと扉がひとりでにゆっくりと開いた。
金庫の中は埋め尽くされんばかりの金貨でいっぱいだ。さながら金の波と表現できるだろうか?
眼前には数え切れない程の金貨が積まれている。
「――これ全部が金貨?」
「さっきも言ったが、70億はあったはずだぜ。煙臭ぇ故郷飛び出してはや半世紀、世界中周った時に集めた金だ」
「ほんとにいいんだな? やっぱ返せってのはなしだぜ?」
「おう、どーんと持っていけ。どうせおらぁ貯めるだけで使わねぇからよ」
俺はインベントリから、コードレスの赤い掃除機を取り出し、スイッチを入れる。金がみるみる掃除機に吸い込まれていき、あっという間に金庫は空になった。
「やっぱ面白ぇ奴だな。ヒヒイロカネの兄さん」
「そうか? まぁお金大好き君掃除機バージョンは確かに見た目ユニークだしな」
店主は踵を返し、階段を登っていく。
俺も掃除機をインベントリにしまい、後を追う。
「今日はいい日だ。酒が飲みたくなった。もう店じまいとするか」
「じゃあ、俺も行くわ。じゃあなドワーフのおっさん」
「おうヒヒイロカネの兄さんも達者でな」
俺は店の出入り口の扉に手をかけ、外に出る。扉のかけた手を離そうとした時、ふと思い出し聞いてみる事にした。
「なぁ、ドワーフのおっさん。この金貨の名前は何て言うんだ?」
「金貨の名前? ローゼス金貨だが?」
「ローゼスってのがこの大陸の名前なんだな?」
「あぁ、そうだぜ。ヒヒイロカネの兄さん。んなもん、常識だろ?」
「ふぅん。ありがとな、ドワーフのおっさん」
まさかとは思ったが、金貨の名前が大陸の名称になっているのもハガセンと一緒か。
この異世界の名称を知った俺は、ドワーフに礼を言いながら武器屋を後にした。
「はい、そのようですね」
着いた街は中世ヨーロッパの町並みが色濃く見える、ベローアへと俺は到着する。中世とは言っても道端にうんこが捨ててあるとかそういった事は全くなく、実に小綺麗な街である。
「しかし、メイタリオの金貨はこの世界じゃ使えないんじゃないか?」
「武器をお売りになれば宜しいのでは? もしくは錬金術のスキルで素材変換を使い、この世界の金貨もしくは銀貨へ変えてしまえば――」
「普通に犯罪ですよねそれ。まぁ、要らない武器防具なら腐る歩あるし、無きゃまた作りゃいいしな」
しばらく適当に歩き、剣と盾が書かれた木製の看板が掲げられた武器屋を見つけ、店内へと入る。
カウンターには左の頬から目にかけてガッツリ傷の入ったドワーフが暇そうにしていた。
「武器を売りたいんだが良いかな?」
「あぁん、おめぇ……言い値で買おう」
「は? まだ見せてすらいないんだが?」
「あんたが装備してる、甲冑だか鎧だかわからねぇそれ、そんじょそこらのモノじゃねーな。言い値で買わせてもらう。その代わりお前さんが装備してるそれ触らせてくれ」
「触るだけでいいのか?」
「ああ……」
変な事をいうドワーフだな。
まぁ言い値で買ってくれるってなら、幾らでも触らせてやろう。
右手をそのままレジカウンターへ置くと、ドワーフは両腕を震わせながらガントレットに触れ、目を瞑《つぶ》る。
「じゃ、じゃ鑑定させてもらうぜ」
ん? 詠唱とかなしで触って分かるもんなんだろうか?
「あぁ……信じられん。まさか生きて神の鉱物に、出会える日が来るなんて……」
ドワーフをよく見ると、泣いていた。
目を開けたドワーフはすす汚れた服で顔を拭くと、赤くなった眼を俺に向ける。
「な、何だどうしたんだ。急に泣き出したりして」
「こいつは、ヒヒイロカネ合金で出来てやがるな。それも装備一式全部だ。そうだろう?」
鬼気迫る表情で俺の顔を真っ直ぐ睨みつけるこのドワーフに、嘘は通じまいと思い正直に話す。
「あぁ、そうだよ」
「あんたが何者かは聞かん。たまにで良いから店に顔出してくれ。約束通り武器は言い値で買ってやる」
「ありがとう。でも今のレートとかよく知らねぇから見繕ってくれ」
俺はインベントリから無作為に武器防具やアクセサリーを選び、カウンターへ次々置いていく。
「……ッ」
然程、強くない武器や防具を選んだはずなのだが、ドワーフのおっさんは絶句している様に見える。やはり3000年という月日は相当なものらしい。
「で、どの位になるんだ?」
「あ……ああ、俺の今この店にある金庫の金、全部でどうだ?。確か70億位あったはず」
「いや、それは――」
「足らねぇか」
「そういう事言ってんじゃねぇよ。店主はそれで良いのか」
「おらぁ武器や防具が好きだから武器屋やってんだ。金なんて二の次に過ぎねぇ。お前の武器はすげぇ業物だ。生半可な覚悟でたどり着ける頂きじゃねぇ。俺にはそれがわかる。だから、そんなものをこれだけ売ってくれるあんたに、せめてものお返しとして俺の持つ全財産をやるって言ってんだ。この武器達に囲まれるならもう死んでも後悔はねぇ」
「そこまで言うか。わかった。あんたの覚悟として金は頂くぜ」
「じゃあ、裏の金庫に案内すっからよ。一緒に付いてきてくんなぁ」
俺は頷き、店主の後に付いていく。
裏手の扉を開け、1人用の小さな工房を抜けるとまた扉だ。
その扉を抜けると地下へと続く階段が現れた。
「この下が金庫だ」
石造りの階段を店主と共に降りていくと、ダイヤル式の鋼鉄製の扉が現れた。
「よしよし、いい子だ。さぁ言う事を聞いておくれ」
主人公はまるで子供を諭す様な言葉づかいでダイヤルを不規則に回しだす。
しばらくしてダイヤルから手を離すと扉がひとりでにゆっくりと開いた。
金庫の中は埋め尽くされんばかりの金貨でいっぱいだ。さながら金の波と表現できるだろうか?
眼前には数え切れない程の金貨が積まれている。
「――これ全部が金貨?」
「さっきも言ったが、70億はあったはずだぜ。煙臭ぇ故郷飛び出してはや半世紀、世界中周った時に集めた金だ」
「ほんとにいいんだな? やっぱ返せってのはなしだぜ?」
「おう、どーんと持っていけ。どうせおらぁ貯めるだけで使わねぇからよ」
俺はインベントリから、コードレスの赤い掃除機を取り出し、スイッチを入れる。金がみるみる掃除機に吸い込まれていき、あっという間に金庫は空になった。
「やっぱ面白ぇ奴だな。ヒヒイロカネの兄さん」
「そうか? まぁお金大好き君掃除機バージョンは確かに見た目ユニークだしな」
店主は踵を返し、階段を登っていく。
俺も掃除機をインベントリにしまい、後を追う。
「今日はいい日だ。酒が飲みたくなった。もう店じまいとするか」
「じゃあ、俺も行くわ。じゃあなドワーフのおっさん」
「おうヒヒイロカネの兄さんも達者でな」
俺は店の出入り口の扉に手をかけ、外に出る。扉のかけた手を離そうとした時、ふと思い出し聞いてみる事にした。
「なぁ、ドワーフのおっさん。この金貨の名前は何て言うんだ?」
「金貨の名前? ローゼス金貨だが?」
「ローゼスってのがこの大陸の名前なんだな?」
「あぁ、そうだぜ。ヒヒイロカネの兄さん。んなもん、常識だろ?」
「ふぅん。ありがとな、ドワーフのおっさん」
まさかとは思ったが、金貨の名前が大陸の名称になっているのもハガセンと一緒か。
この異世界の名称を知った俺は、ドワーフに礼を言いながら武器屋を後にした。
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