全スキル保持者の自由気ままな生活
142話 突然の最終決戦
 プルルが人化した俺はある重大な問題に気づいた。
 ……服がない。
 仕方ない……作るか。
 そう思い俺はアイテムボックスから糸と裁縫道具を取り出す。
 「ご主人様、それ何?」
 「……今からプルルの服を作るんだよ……」
 俺は極力プルルの方を見ずにそう答える。
 「ねぇ。なんでプルルの方を見てくれないの?」
 「恥ずかしいからだよ!!」
 思わず怒鳴ってしまった。
 だが手を止めてはいない。
 「むぅ……プルル、このままがいい!」
 
 「ダメです!俺か捕まるし!」
 絶対スライムが人になりましたって言っても信じる奴は本当に極一部でしかない。
 そうなったら詰みよ?
 「いやだいやだ~!!」
 「駄々こねないの!仕方ないだろそれとも俺に会えなくなってもいいのか!?」
 俺はプルルの俺への思いを使ったことに少し罪悪感を覚えた。
 「……ご主人様がそう言うなら……」
 よし!大人しく引いてくれたようだ。
 
 「出来たぞ」
 俺はプルルに服を渡す。
 「早く着ろ……」
 目に毒すぎるので俺は急かした。
 全国の男子諸君?美幼女が目の前で素っ裸でいたら理性が吹っ飛びませんか?
 俺はギリギリのところで踏みとどまったが。 
 ……理性が吹っ飛ぶと、間違いなく犯罪になる。
 
 「着たよ~!」
 俺は作るのに慣れていたワンピースを作ってあげた。
 ふぅ……これでようやくプルルの方見れる。    
 ハッキリ言ってさっきまでの状況を見られているんだったら俺は精神的にも社会的にも生活出来ないからな。  
 出来ればそういうことにはなりたくない!
 
 「それでご主人様?次はどうするの?」
 「……ああ、ちょっと待ってろ」
 俺はプルルに鑑定を使い、ステータスを調べようとする。
 
 ——その瞬間、俺は強烈な殺気と魔力を上空から感じた。
 これはヤバいっ!
 俺は自らの頭上に完全防御結界を張る。
 すると、一瞬の静寂とともに空から黒い稲妻が何万もの数が降り注いだ。
 その一つ一つは街を壊せる程の強大な威力を秘めている。
 
 「ぐっ……!」
 俺自身も集中して襲ってくる稲妻の対処にほとんどの神経をこちらに傾けないと対処出来ない状態だった。
 そしてやっと止んだと思えば、俺の足場が急に崩れる。飛翔を使い、何とか空に留まり、あたりを見渡す。
 「——ッ!?」
 そこで俺が見た光景は一生忘れることが出来ないだろう。
 あれほど華やかだった街が跡形もなく無くなっていたのだ。
 ここだけじゃない。千里眼で確認できる距離にあった街全てが……。
 「嘘……だろ?」
 「嘘じゃないぞ」
 そこで俺は自らの横にいる人物を知る。
 
 「——ッ!」
 
 俺は慌ててトルリオンを抜き、すぐ横を切りつけるが、当たった感触が無かった。
 「ふっ。いろいろと呆気なかったな」
 「これをやったのはお前かっっ!!!」
 
 「そうだとも。私こそ魔王アルスロイド三世だ!」
 
 両手を広げ、高々と笑う白髪の中年男性を見ると、俺の心にふつふつとした怒りが湧き上がってくるも、必死にそれを押さえつける。
 
 「さて、残りの人類は貴様を残すところいないようだな。これで貴様を倒せば、魔族がこの世を支配するッ!!」
 
 その言葉を聞いた時、俺の中で何かが切れた。
 「——今、なんて言った?」
 「貴様が残りただ一人の人類だと言ったのだ。聞こえなかったのか?」
 「……………………………………そうか」
 しばらくの沈黙の内、俺は己の最高速度を大幅に限界したスピードで剣を振るった。
 「——ッ!?」
 
 驚いたのは魔王の方だった。それも仕方ないだろう。一瞬の内に、自分の腕が刈り取られたのだから。
 「——ふふっ、ふははははははっ!!」
 
 魔王は笑う。己自身の腕を切り落とされたのにもかかわらず。
 「面白い!流石は勇者と言ったところか!!」
 そして最強と最凶がぶつかる。
 こうしていきなり最終決戦が始まる——。
 
 ……服がない。
 仕方ない……作るか。
 そう思い俺はアイテムボックスから糸と裁縫道具を取り出す。
 「ご主人様、それ何?」
 「……今からプルルの服を作るんだよ……」
 俺は極力プルルの方を見ずにそう答える。
 「ねぇ。なんでプルルの方を見てくれないの?」
 「恥ずかしいからだよ!!」
 思わず怒鳴ってしまった。
 だが手を止めてはいない。
 「むぅ……プルル、このままがいい!」
 
 「ダメです!俺か捕まるし!」
 絶対スライムが人になりましたって言っても信じる奴は本当に極一部でしかない。
 そうなったら詰みよ?
 「いやだいやだ~!!」
 「駄々こねないの!仕方ないだろそれとも俺に会えなくなってもいいのか!?」
 俺はプルルの俺への思いを使ったことに少し罪悪感を覚えた。
 「……ご主人様がそう言うなら……」
 よし!大人しく引いてくれたようだ。
 
 「出来たぞ」
 俺はプルルに服を渡す。
 「早く着ろ……」
 目に毒すぎるので俺は急かした。
 全国の男子諸君?美幼女が目の前で素っ裸でいたら理性が吹っ飛びませんか?
 俺はギリギリのところで踏みとどまったが。 
 ……理性が吹っ飛ぶと、間違いなく犯罪になる。
 
 「着たよ~!」
 俺は作るのに慣れていたワンピースを作ってあげた。
 ふぅ……これでようやくプルルの方見れる。    
 ハッキリ言ってさっきまでの状況を見られているんだったら俺は精神的にも社会的にも生活出来ないからな。  
 出来ればそういうことにはなりたくない!
 
 「それでご主人様?次はどうするの?」
 「……ああ、ちょっと待ってろ」
 俺はプルルに鑑定を使い、ステータスを調べようとする。
 
 ——その瞬間、俺は強烈な殺気と魔力を上空から感じた。
 これはヤバいっ!
 俺は自らの頭上に完全防御結界を張る。
 すると、一瞬の静寂とともに空から黒い稲妻が何万もの数が降り注いだ。
 その一つ一つは街を壊せる程の強大な威力を秘めている。
 
 「ぐっ……!」
 俺自身も集中して襲ってくる稲妻の対処にほとんどの神経をこちらに傾けないと対処出来ない状態だった。
 そしてやっと止んだと思えば、俺の足場が急に崩れる。飛翔を使い、何とか空に留まり、あたりを見渡す。
 「——ッ!?」
 そこで俺が見た光景は一生忘れることが出来ないだろう。
 あれほど華やかだった街が跡形もなく無くなっていたのだ。
 ここだけじゃない。千里眼で確認できる距離にあった街全てが……。
 「嘘……だろ?」
 「嘘じゃないぞ」
 そこで俺は自らの横にいる人物を知る。
 
 「——ッ!」
 
 俺は慌ててトルリオンを抜き、すぐ横を切りつけるが、当たった感触が無かった。
 「ふっ。いろいろと呆気なかったな」
 「これをやったのはお前かっっ!!!」
 
 「そうだとも。私こそ魔王アルスロイド三世だ!」
 
 両手を広げ、高々と笑う白髪の中年男性を見ると、俺の心にふつふつとした怒りが湧き上がってくるも、必死にそれを押さえつける。
 
 「さて、残りの人類は貴様を残すところいないようだな。これで貴様を倒せば、魔族がこの世を支配するッ!!」
 
 その言葉を聞いた時、俺の中で何かが切れた。
 「——今、なんて言った?」
 「貴様が残りただ一人の人類だと言ったのだ。聞こえなかったのか?」
 「……………………………………そうか」
 しばらくの沈黙の内、俺は己の最高速度を大幅に限界したスピードで剣を振るった。
 「——ッ!?」
 
 驚いたのは魔王の方だった。それも仕方ないだろう。一瞬の内に、自分の腕が刈り取られたのだから。
 「——ふふっ、ふははははははっ!!」
 
 魔王は笑う。己自身の腕を切り落とされたのにもかかわらず。
 「面白い!流石は勇者と言ったところか!!」
 そして最強と最凶がぶつかる。
 こうしていきなり最終決戦が始まる——。
 
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