全スキル保持者の自由気ままな生活

ノベルバユーザー255253

117話 UNO

 結局、第二ラウンドも俺が余裕で勝利した。
 
 「ふっ!結局俺の勝利は揺るがなかったな!」

 「いや、まだだ!次はこのゲームをやろう!」

 そう言って取り出してきたのが、まさかのUNOだった。
 ……何でこの世界の人間がUNOを知ってるんだ?あ、異世界人か。
 だから何故トランプは広めないのにUNOは広めるんだ!価値観が間違ってるんじゃないか?!

 「ルールは——」

 「問題ない。知ってる。7枚から始まり、どんどん数を減らしいていく。記号は最後には出せないだったか?」

 「最後には何というでしょう?」

 「UNOだろ?」
 
 「ルールは分かってるようだね。じゃあやろうか」

 「おう。ギッタギタにしてやるよ」

 「UNOだけは昔から自信があるんだよね」
 
 ふっ!面白いではないか。その自信ごと俺が真っ二つにぶった切ってやろうか!

 「じゃあ始めようか」

 そしてギルバートはカードをくり、俺に7枚渡してきた。
 ……それにしても雑いくり方だなぁ……。もうちょっと上手く出来んのかね?

 「じゃあ始めようか」

 さっきと同じセリフを言ってギルバートは山札から一枚めくった。
 それは青の7だった。

 「順番はお前からでいいぞ」

 あんまり順番に意味はないからな。
 最初の方が有利と思われてもカード運が無かったら意味ないし。

 「じゃあ私の番だね。……これで」

 そしてギルバートはいきなり色変えをして黄色の7を出してきた。

 「もう俺の勝ちは決まった」
  
 そして俺はまず黄色のスキップを置く。
 
 「ぐっ!」

 「まだまだ俺の猛攻は終わらねぇぞ!」

 そこからドロー4を置いていく。
 そして色を青にした。

 「はい4枚ね」

 そしてギルバートに強制的に引かせる。

 「はい俺のターン」

 そして次に青のドロー2を置いていく。

 「ぐっ……!?」

 「はい2枚~」

 俺は調子の乗り始める。
 もうこのカードでは勝ったもの同然だ。

 「じゃあ俺のターンね……はい」

 そして
 青のスキップを置き、ギルバートの番を飛ばす。

 「どんどん行こ~!」

 そして俺はドロー4を置く。

 「なにっ!?」

 「色は赤だ」

 そしてまた4枚引かせる。
 
 「そしてスキップ来た~!」

 興奮した解説者のような声で俺は赤のスキップを置く。

 「UNO」

 UNOコールは忘れずに。
 そしてまたギルバートの番が飛び、最後の俺に回ってきた。

 「はい」

 赤の8を二枚出して勝負がついた。

 「なっ!??」

 ギルバートは驚かずにはいられなかった。

 「イカサマだ!そんなカードが言い訳有るはずがない!」

 「お主……我を誰だか忘れたのか?我は勇者ぞ!この程度の逆境、乗り越えてしかるべきだ!」

 どんな逆境だよと心に突っ込みながら俺は中二病になったように喋る。

 「まあ普通に俺の運値が高いだけなんだけどな。まあEXだし!」

 「な……っ!?」

 何故かこっちの方が驚かれていた。
 あれ?EXって珍しくないんじゃないの?俺の周りに結構ステータスがEX超えがたくさんいるんだけど?

 「EXって……。なら他のステータスはどんなのだい?」
 
 「俺のは基準にしない方がいいですよ〜。人外なんで」

 「それでも頼む!見せてくれないか?」

 「……いいよ。今は知らないから前のでいいなら」

 そして俺は前に他の人に見せたステータス表を取り出した。

 「……………………………………………」
 
 ギルバートはただ黙ることしかできていなかった。

 「……まさかこれほどとは……喧嘩を売らなくて正解だったね」

 「当たり前だろ?一撃でこの国……は難しいからこの王都ぐらいなら消し飛ばせるんだから」

 「……喧嘩を売った帝国はドンマイとしか言いようがないな」

 「ふっ!我の魔法の餌食となってたくさん人が死んだわ!」

 ……ていうか俺ってどのくらいからステータス見てなかったんだっけ?……まあ今見てもそこまで変わらないような気がするけどな。
 
 「それでUNOはもういいのか?」

 「いや、もうそろそろ他の人が来る時間だ」

 「そうか……もうそんな時間だったか」

 そして二人は会議へ備えるために散らかっていたUNOを片付けるのだった。

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