全スキル保持者の自由気ままな生活
108話 受け渡し
 競争が終わった後、品物の手渡しが行われるということで、俺たちは運営が指定してきた場所へとやってきた。
 「ここで商品が来るまでしばしお待ちください」
 係員さんにそう言われたから、俺たちはその場で待機する事にした。
 しばらくして、エリクサーなどなど商品が運び込まれてきた。
 『ではこれより商品の手渡し会を行います!』
 手渡し会なんてものがあるんだなぁ……って思った。だって普通第三者の係員が落札した人に渡すものだと思ってたし。
 そして俺の元には四人の人が来た。
 一人目は知らない人。二人目は女王様で、三人目はあのお爺ちゃん。四人目はギルバートだった。
 「……なんでこんなところにいるんだ?」
 「ちょっとオークションに興味がありまして……」
 「いや、それだけで普通は来ないだろ。俺がいるならともかく」
 「それよりも早く商品の受け渡しをしてくれるかね?」
 一人目の貴族感満載の人が俺にそう告げてきた。
 「あ、はい。じゃあこれがお望みの品ですね?」
 俺は事前に受け取っておいたエリクサーを取り出し、その人へ渡す。
 「おお!これだよ!ありがとう。またの機会を楽しみにしておくよ」
 そう言って貴族感満載の人は帰っていった。
 「ではワシもそうさせてもらおうかの」
 お爺ちゃんもそう言ったので俺は竜の雫50個セットを渡す。
 「ホッホッホ。助かったのぉ。これでワシの兵も安泰というものよ」
 部下思いのお爺ちゃんなんだな。
 「それでは残るは私たちだけですね」
 「……別に欲しいとあらかじめ言えばこちらだって取る選択肢は変わってたのに……」
 それだったらオークションなんてことはせず、通常よりも安い値段で売ろうと思ってたのに。
 「それではつまらないだろう?だからそちらの女王様と協力してここのオークションへとやってきたというわけなのだ」
 
 「そういうことです」
 「はぁ……ルーナには言っておいて俺には言わないんですか」
 「だってトオルさんに言ったら絶対売りつけてくるから、言わないでほしいとルーナに言われたからですよ」
 「マジか?」
 「うん。だってそうでしょ?」
 確かにそうなんだけどさぁ……。国家代表がこんなところでウロつかれるよりはまだマシじゃない?
 「それよりも商品を早く渡してほしいものですねぇ」
 「ああ。全くもってその通りだ」
 「残念ながらもう売り切れとなっています」
 反応にイラッとした俺は少し反撃することにした。
 「えぇ?早く出してくださいよ!」
 「当店の商品は先ほどをもちまして完売となりました!」
 「そんな嘘はいいから早く渡したまえ」
 
 「嘘じゃねぇし!そんなことを言う人にはこれから出禁にします!」
 「それは困るねぇ」
 まだ余裕そうな顔を見せるギルバート。
 今思ったんだが、こいつってこんなに俺にタメ語使ってたっけ?俺の記憶では結構丁寧に喋っていた記憶があるんですが?
 「……はいはい。渡せばいいんでしょ渡せば」
 
 投げやりな気持ちになった俺は適当にファフニールの分身の素材を取り出し、竜の雫の入っていた瓶を地面へ置いた。
 「おお!これだよ!すまないね」
 「ありがとうございます。トオルさん」
 「俺にお礼をお言われてもねぇ……。それじゃあ早く受け取って帰ってくださいよ?」
 「もちろん分かっているとも」
 
 「元々このためだけにこの国へと来たのですからね。観光ならまた別の機会にさせてもらいましょうか」
 そうしてくれるとありがたい。ていうかなんて護衛が付いていないんだよ……。
 それを聞くと、
 「お忍びに護衛をつける人がどこにいるんですか!?」
 と、逆ギレされた。
 兎にも角にもオークションは万事無事に終了した。
 「ここで商品が来るまでしばしお待ちください」
 係員さんにそう言われたから、俺たちはその場で待機する事にした。
 しばらくして、エリクサーなどなど商品が運び込まれてきた。
 『ではこれより商品の手渡し会を行います!』
 手渡し会なんてものがあるんだなぁ……って思った。だって普通第三者の係員が落札した人に渡すものだと思ってたし。
 そして俺の元には四人の人が来た。
 一人目は知らない人。二人目は女王様で、三人目はあのお爺ちゃん。四人目はギルバートだった。
 「……なんでこんなところにいるんだ?」
 「ちょっとオークションに興味がありまして……」
 「いや、それだけで普通は来ないだろ。俺がいるならともかく」
 「それよりも早く商品の受け渡しをしてくれるかね?」
 一人目の貴族感満載の人が俺にそう告げてきた。
 「あ、はい。じゃあこれがお望みの品ですね?」
 俺は事前に受け取っておいたエリクサーを取り出し、その人へ渡す。
 「おお!これだよ!ありがとう。またの機会を楽しみにしておくよ」
 そう言って貴族感満載の人は帰っていった。
 「ではワシもそうさせてもらおうかの」
 お爺ちゃんもそう言ったので俺は竜の雫50個セットを渡す。
 「ホッホッホ。助かったのぉ。これでワシの兵も安泰というものよ」
 部下思いのお爺ちゃんなんだな。
 「それでは残るは私たちだけですね」
 「……別に欲しいとあらかじめ言えばこちらだって取る選択肢は変わってたのに……」
 それだったらオークションなんてことはせず、通常よりも安い値段で売ろうと思ってたのに。
 「それではつまらないだろう?だからそちらの女王様と協力してここのオークションへとやってきたというわけなのだ」
 
 「そういうことです」
 「はぁ……ルーナには言っておいて俺には言わないんですか」
 「だってトオルさんに言ったら絶対売りつけてくるから、言わないでほしいとルーナに言われたからですよ」
 「マジか?」
 「うん。だってそうでしょ?」
 確かにそうなんだけどさぁ……。国家代表がこんなところでウロつかれるよりはまだマシじゃない?
 「それよりも商品を早く渡してほしいものですねぇ」
 「ああ。全くもってその通りだ」
 「残念ながらもう売り切れとなっています」
 反応にイラッとした俺は少し反撃することにした。
 「えぇ?早く出してくださいよ!」
 「当店の商品は先ほどをもちまして完売となりました!」
 「そんな嘘はいいから早く渡したまえ」
 
 「嘘じゃねぇし!そんなことを言う人にはこれから出禁にします!」
 「それは困るねぇ」
 まだ余裕そうな顔を見せるギルバート。
 今思ったんだが、こいつってこんなに俺にタメ語使ってたっけ?俺の記憶では結構丁寧に喋っていた記憶があるんですが?
 「……はいはい。渡せばいいんでしょ渡せば」
 
 投げやりな気持ちになった俺は適当にファフニールの分身の素材を取り出し、竜の雫の入っていた瓶を地面へ置いた。
 「おお!これだよ!すまないね」
 「ありがとうございます。トオルさん」
 「俺にお礼をお言われてもねぇ……。それじゃあ早く受け取って帰ってくださいよ?」
 「もちろん分かっているとも」
 
 「元々このためだけにこの国へと来たのですからね。観光ならまた別の機会にさせてもらいましょうか」
 そうしてくれるとありがたい。ていうかなんて護衛が付いていないんだよ……。
 それを聞くと、
 「お忍びに護衛をつける人がどこにいるんですか!?」
 と、逆ギレされた。
 兎にも角にもオークションは万事無事に終了した。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
1
-
-
1359
-
-
969
-
-
2265
-
-
35
-
-
4503
-
-
3
-
-
75
-
-
4
コメント