全スキル保持者の自由気ままな生活

ノベルバユーザー255253

62話 天変地異の決闘

 「それでどこでやるのだ?」

 オジルがこれからの決闘について、どこの場所でやるのか話しかけてきた。

 「どこでもいいんだけどな……」

 俺が心配しているのは俺たちが本気を出したのならそれこそ地形崩壊を起こしかねない。
 いや、十中八九起こすだろうな。
 特にオジルが。

 (俺は手加減に慣れてるんだけどオジルはなぁ……)

 見るからに不器用そうだし、何より俺だって手加減できるのは全スキルのおかげだしな。

 「……そういうわけにはいかんだろう。我たちは一国をも易々と破壊出来てしまうのだから」

 「確かにそうだな……」

 じゃあそれこそどうするか何だよな……。

 (……あれってこういうことは出来たんだっけ?)

 俺の思ってる疑問とは、創造で別空間を作ることができるのかどうか、ということだ。

 (試してみるしかないか……)

 俺には魔力超回復があるからもし失敗しても大丈夫何だけど……。
 もういいや!やろう。
 考えるのが面倒くさくなった俺は試しに作る。

 (〈創造〉)

 頭の中でどんな大きさにしたいかをイメージして、スキルを発動させる。
 すると、俺の魔力が急激に吸われ、ドンッ!という音と砂煙ともに何かが姿を現した。

 「な、なんだっ!?」

 オジルが慌てていたが、それも仕方ないだろう。
 ……ていうか実際に何なんだ?
 そう思っているうちに砂煙が晴れ、俺たちの前にはドアが存在していた。

 (これは……一体どういうことなんだ?)

 何故にドア?
 多分成功したんだろうけど、これが入り口って事なのか?

 「入ってみるしかないか……」

 「そうだな……」

 そうなしないと、まず始まらないということだ。
 
 「行くぞ……」

 「ああ」

 俺たちは二人で扉を開けた。
 すると、ピカッ!という生温い光ではない、強烈な光が光った。

 光が晴れると、そこは縦約5000キロ、横約2500キロ、高度約1万キロの超巨大空間がそこにはあった。

 「「な、な、なんじゃこりゃ~~~~っ!!」」

 あまりのデカさに作った本人の俺でさえも驚いていた。
 ……いや、これ冗談抜きで地平線が見えそうなんだけど……。

 「こ、こんなものを作ることができるのか……」

 オジルはまだ固まっていた。

 「今ので結構魔力使ったな……。〈超魔力回復〉」

 切れかけの魔力が再び蘇った。
 
 (ふぅ……)

 これだけの空間、作るのにも流石に魔力は使いすぎた。
 普通の人間全ての魔力とほぼ同等かそれ以上分の魔力を使ったぞ?
 ……今考えると、俺ってやっぱり強くなっていたんだな……。
 いや、強くなっていなければそれこそ不自然なんだが、何よりこの魔力を自分一人で補うことができたことだろうな。

 (俺は……確実に強くなってきている!)

 逆にあれだけステータス変わって、強くならないのはどうかと思うんだ!

 「少しあまりのことに驚いたが……試合を始めるとしよう」

 「ああ、そうだな」

 こうして舞台は整い、両者準備完了となったところで、絶対壊れない空間の中での試合が始まった。

 ここで両者のステータスを紹介しよう!
 ではまず、オジル選手からどうぞ!
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<名前>オジル=ブレイズ     〈種族〉龍
<性別>男
<年齢>3897
<レベル>3764979
<体力>EX
<物攻>EX
<物防>EX
<魔力>EX
<魔攻>EX
<魔防>EX
<敏捷>EX
<運>EX

<スキル>
 「眷属召喚」、「龍魔法」、「煉獄魔法」

<称号>
 「原炎の龍」、「九十九の眷属を従えしもの」、「ゴッドスレイヤー」、「超再生」
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<眷属召喚>
 
 己が従えているものを召喚する。
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<龍魔法>
 
 龍だけが使用することができる魔法。詠唱が必要な上、発動までに時間がかかるが、その分天変地異並みの力を持つ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<煉獄魔法>

 炎魔法の強化バージョン。その威力は炎魔法とは桁が違い、その分魔力消費も激しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 こんな感じですね!
 彼が最強とされている由縁は眷属召喚だね!
 99体いるとされているし、最弱の眷属でもレベルは3桁を超えるんだって!
 そして透選手のステータスは!
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<名前>金山 透    <種族>亜神
<性別> 男
<年齢>17
<レベル>8798616735
<体力>測定不能
<物攻>測定不能
<物防>測定不能
<魔力>測定不能
<魔攻>測定不能
<魔防>測定不能
<敏捷>測定不能
<運>EX

<スキル>
「スキルリスト」、「検索ツール」

<称号>
 「神に選ばれしもの」、「異世界の勇者」、「引きこもりマスター」、「絵画神」、「半分神になりしもの」、「ドラゴンスレイヤー」、「神の慈愛を受けしもの」、「神の使徒」、「神のレベルへと至りしもの」、「超越者」、「魔王」
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 やっぱり透選手はキチガイです!
 レベルは以前より約70億アップ!
 しかも前回の一件で魔王の称号をも持っております!
 これをキチガイと言わずしてどう呼ぶのでしょう!
 それではこれからの戦いをお楽しみください!

 俺とオジルは互いに一定の距離に着いて、気持ちを落ち着けていた。

 「行くぞっ!」

 「来いっ!」

 俺が言葉を言い切った瞬間にお互いに飛び出し、拳を振るった。

 「煉獄拳ッ!」

 オジルの手が黒く染まり、俺に迫ってきた。
 だが、

 「はぁっ!」

 俺の全力の拳に何かをする暇もなく右腕ごと吹き飛ばした。
  当たり前だろう。レベル差は10億を超えているんだから。
 むしろ、片腕だけで済んだ方が幸いだ。

 「くぅっ……!!」

 自身の全力が軽々と凌がれた上に、さらに自分の腕まで吹っ飛ばされたオジルは苦悶の表情を浮かべる。

 (これは……ちょっとまずったか?)

 俺がそう考えていると、

 「〈超再生〉……っ!!」

 オジルが何とかそれを唱えると、吹き飛ばされ、千切れていた腕が何事もなかったように元どおりになった。

 「もはやこれほどとは……。これは様子見などしてる暇はないな……」

 「当たり前だろ。早く全力で来いよ」

 「抜かせっ!」

 そういったオジルは次の攻撃に移った。
 
 「〈眷属召喚〉!出でよ!鬼嚠蝶!」

 そう言うと、オジルの前に魔法陣が現れ、全長10メートルの日本では考えられないような蝶が現れた。

 (何あれっ!?デカイし、しかもなんか頭の方にツノみたいなのついてるしっ!?)

 はっきり言って眷属召喚って何の眷属なんだろうな?
 こんな生き物は少なくとも地球にはいないし、異世界版に変化したのか?

 「真似させてもらうぞ……煉獄拳っ!」

 俺は一気に鬼嚠蝶まで距離を詰め、さっきオジルが放った技を使用した。

 「次っ!」

 俺は倒した後、さらに空中で勢いをつけ、オジルに迫る。

 「……………せよ!龍魔法カタラ=アルバ!」

 俺が鬼嚠蝶を倒している間に詠唱していたのだろう。
 俺に向かって極大のレーザーが発射された。

 「なんのっ!!縮小版アトムディトラクション!」

 俺は自身の指と同じぐらいサイズのアトムディトラクションを発射した。
 それはレーザーを打ち消し、ものすごい爆発音と共に消失した。

 (縮小版だったらこんなもんだろう)

 これの利点は詠唱なしであの破壊力が撃てるということだが、本来レーザーとして撃つものではないので威力も落ちる。

 「くっ!」

 爆発に押され、オジルと俺は互いに下がる。
 
 「まだまだぁっ!」

 オジルは本来の力を解放し、龍の姿に戻る。

 「それは!悪手!だぞ!」

 俺は言葉の節目節目にアイテムボックスで取り出した耐久力だけの剣で攻撃を入れていく。

 「何のっ!!〈眷属召喚〉!不動王!!」

 すると、後ろに煉獄を背負った一人の男が現れた。

 (ここからか……)

 ここからが本番ということだ。
 とうとうオジルも切り札を切ってきたという訳か。
 
 こうして俺たちの天変地異を起こす決闘はまだ続くのだった。

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