全スキル保持者の自由気ままな生活
45話 結婚式破り
 走り出した俺は時間短縮のため、屋根の上に登り、走り出した。
 (ここから東に2キロぐらいか)
 別に今すぐ直行してルーナを取り戻してもいいが、せっかくなら式の最中に喧嘩を売ろう。
 (すまないが、少し待ってくれよ……)
 絶対に取り戻すからな!
 俺はそう心に誓い、会場まで走った。
 私は今、結婚式の為にウエディングドレスに着替えていた。
 (結局、トオルは間に合わなかったね……)
 私は自らの国民を守る為に、結婚することにした。
 ……でも、やっぱり怖いよ……。
 
 (助けてよ……トオル……!)
 『待ってろ。式の時に必ず助け出してやる』
 私はそんな声が聞こえて、思わず振り返ると、そこにはだれかいたような跡が残っていた。
 (来てくれたんだ……っ!)
 私のヒーローは今になってようやく到着したようだ。
 私は思わず涙を流してしまう。
 (ダメダメっ!こんな弱虫になっていたなんて。せっかくトオルが来てくれたんだ!私も頑張らないと……!)
 私はそう決意し、堂々と前を見て歩き出した。
 歩き出したルーナを見て、俺は思った。
 (俺の声が届いたんだな)
 なら後は仕事をするだけだ。
 お姫様を奪還するっていう大事なミッションをな!
 1時間後、ウエディングドレスに身を包んだルーナと小太りの見た目年齢中年親父の、結婚式は進んでいった。
 「アルスター帝国王子、アマス=アルスター様、あなたはルーナ=メルトリリス様を妻とし良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」
 長いセリフの後に中年親父が、
 「はひ、誓います」
 「ではーーーーーーーー」
 と、また同じようなセリフが続き、ルーナが答える番になった。
 すると、
 ドアが吹っ飛んだ。
 吹っ飛ぶと言っても次元は違う。
 飛んでいったドアは、新郎と新婦の間に割り込み、さらにその奥の壁すらも破壊した。
 「その結婚っ!異議ありッッ!!!」
 俺は大声でそう叫び、自ら破壊した場所から入ってきた。
 「ぶ、ぶ、ぶ、ぶ、無礼者っ!余を誰だと心得る!」
 「は?知るか?」
 俺はコツ……コツ……と、堂々とした佇まいで歩き、ルーナの前にやってきた。
 「お迎えにあがりました。ルーナ」
 「トオルッ!!」
 すると、耐えきれなくなったのかルーナが俺の胸に飛び込んできた。
 「というわけだ。花嫁は攫わせてもらうよ」
 俺はルーナをお姫様抱っこして身を翻し、この場を立ち去ろうとする。
 「ま、待て!花嫁は余のものだ!貴様などのどこか分からぬ馬の骨に渡さん!やれ!」
 周りの兵どもが俺をすぐさま囲い、倒そうとジリジリ近づいてくる。
 「お前ら“どけ”っ!!」
 すると、前にいた兵士は道を譲り、後ろの兵士は動くことが出来なくなっていた。
 これが俺が新しく発見したスキル〈言霊〉だ。
 これは自身の発する言葉が他人に効果を発揮するというスキルで、自身よりレベルが低い敵にしかかかることはない。
 「行くか」
 俺は再び歩き出す。
 「貴様っ!これは我が国との戦争と受け取って良いのだな!?」
 「ああ、いいぞ」
 「い、いいのだな!貴様のせいでたくさんの国民が死ぬのだぞ!」
 「それはお前らの国の方だ。それだけ言っておく。この場にいる者共もよく聞け!」
 俺は大きく息を吸った。
 「ここに、我が国メルトリリス王国は貴国アルスター帝国に宣戦布告する!!!」
 「き、貴様にどのような権限があってそう言える!」
 「これで十分か?」
 俺は返さずに持っておいた時計を見せる。
 「そ、そ、それは!王国の紋章!」
 「ああ、そういうことだ。つまり俺は国家総代と同じ権限を持っているということになる」
 これで宣戦布告できるだろう。
 持っておいてよかった……。
 「という訳だ。詳しくは親書で説明する。では、さらばだ!」
 俺はルーナをお姫様抱っこし、その状態のまま結婚会場から出て行った。
 俺は他人に見つからないように移動していた。
 「ようやく……会えたね」
 「……ああ、そうだな」
 ルーナと面を向かって喋るのも一年になるのか……。
 「あの約束……守ってくれたんだね」
 「?」
 「ううん……何でもない!それより早く帰ろう!みんなが待ってる!」
 「そうだな。……楓が治ったことは知っていたのか?」
 「トオルの顔を見ればわかるよ。全て解決してからこっちに来た感じだったもん」
 「……ほんと、楓とルーナには勝てる気しないわ」
 「ふふっ、ありがと」
 俺はルーナを連れて走る。
 「……これで本格的にトオルに責任、取ってもらわなくなっちゃったね」
 「……ああ、そうだな」
 ……なんか改まって言われると恥ずかしいんだが……。
 
 「よし、帰るか?」
 「え?もう帰ってるんじゃないの?」
 ルーナがそう言った瞬間、俺は転移を発動し、一瞬で景色はアルスター帝国からメルトリリス王国へと変わった。
 「え?え!?」
 あまりの事にルーナはあたふたしている。
 
 (……可愛い)
 思ったけど、口には出さない。
 何故かって?恥ずかしいからだよ!
 「何でこんな手段があったなら宣戦布告なんてして帰ってきたの!?」
 「宣戦布告に関しては大丈夫だ。軍を出すって書いてもらって俺一人で行けばいいんだから。それにアイツらは一度ボコさないと行けない気がしてな」
 「……危なくないの?」
 「ああ、むしろ心配するんだったら連中のことを心配したほうがいいぞ」
 俺はそう言って、自身のステータスをアイテムボックスに閉まっていた紙と鉛筆で立ちながら書き記した。
 「……本当に強くなったんだね」
 「当たり前だろ。これでもダンジョン踏破者だからな」
 「……どこの?」
 「今喧嘩売ってきたところの」
 「はぁ。確かににそれだったら一般人でも国一番の猛者でも変わらないだろうね」
 「だろ?」
 なんたって俺は神だからな。
 (亜神だけど)
 というわけで帰ってきました。
 今回は直行で王城まで連れて帰った。
 ……流石にこのウェディングドレス姿のまま街を駆け抜けるというのは恥ずかしい……。
 俺たちは王城の扉を開けると、
 「ルーナ!透!」
 楓が抱きついてきた。
 「本当に……無事だったんだね」
 「当たり前だろ!俺を誰だと思ってるんだ?」
 「……ふふっ、透でしょ?」
 「正解。まあ、詳しくはみんなのところで話そうぜ」
 「「うん!!」」
 俺たちは再会の幸福を味わいながら、女王陛下のところに向かった。
 「ルーナっ!」
 「お母様っ!」
 二人はお互いに抱きしめあい、無事を喜んでいた。
 「良かったね、二人とも」
 「はい!」
 「ええ。あなたも本当に無事でよかった」
 「ははは、私に関しては透に治してもらったんですけどね」
 「そうでした!トオルさん!お話があります」
 俺は、女王陛下に一切合切のことを聞かれたため、全て教えた、
 特に教えたくないこともなかったしな。
 「なるほど……、しかし大丈夫なんですか?帝国の軍勢に一人で挑むなんて」
 「一人じゃないさ。エルもいる」
 「あ、初めまして!私の名前はエル=ランパード=ヴラドと申します」
 エルは丁寧にお辞儀をして、みんなに挨拶する。
 ……そう言えば、エルってみんなに紹介するの初めてだったよな。
 「透……その子って強いの?」
 「ああ。少なくとも今の楓よりは強いぞ。なんたってレベルが5桁を超えてるからな」
 その事に俺とエル以外の全員が驚いていた。
 「……それ、生まれつきレベルが高かったの?」
 「いや?一年前はレベル25だぞ」
 「……聞いておくけど、どうやってレベル上げしたの?」
 「ん?5桁のレベルの敵を一日一回倒していってただけだけど?」
 「じゃあ、透のレベルは幾つになったの!?」
 気になったのか、楓が大声で聞いてきた。
 「んーっと、細かい数値はこれを見てくれ」
 俺はさっきルーナに見せた紙を見せる。
 「……透って人間辞めた?あ、ごめん。もう辞めてたね……」
 「ちょっとそこ!俺まだ人間だから!」
 「いやー、ここには亜神と書かれているんですが、これにはどう回答するんですか?」
 「ぐぬぬっ……」
 ……まあ、ステータスが神にっているっていうんだったらもう、それでいいんじゃね?
 そう投げなりの気持ちになりながら、今後のことを考える俺であった。
 (ここから東に2キロぐらいか)
 別に今すぐ直行してルーナを取り戻してもいいが、せっかくなら式の最中に喧嘩を売ろう。
 (すまないが、少し待ってくれよ……)
 絶対に取り戻すからな!
 俺はそう心に誓い、会場まで走った。
 私は今、結婚式の為にウエディングドレスに着替えていた。
 (結局、トオルは間に合わなかったね……)
 私は自らの国民を守る為に、結婚することにした。
 ……でも、やっぱり怖いよ……。
 
 (助けてよ……トオル……!)
 『待ってろ。式の時に必ず助け出してやる』
 私はそんな声が聞こえて、思わず振り返ると、そこにはだれかいたような跡が残っていた。
 (来てくれたんだ……っ!)
 私のヒーローは今になってようやく到着したようだ。
 私は思わず涙を流してしまう。
 (ダメダメっ!こんな弱虫になっていたなんて。せっかくトオルが来てくれたんだ!私も頑張らないと……!)
 私はそう決意し、堂々と前を見て歩き出した。
 歩き出したルーナを見て、俺は思った。
 (俺の声が届いたんだな)
 なら後は仕事をするだけだ。
 お姫様を奪還するっていう大事なミッションをな!
 1時間後、ウエディングドレスに身を包んだルーナと小太りの見た目年齢中年親父の、結婚式は進んでいった。
 「アルスター帝国王子、アマス=アルスター様、あなたはルーナ=メルトリリス様を妻とし良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」
 長いセリフの後に中年親父が、
 「はひ、誓います」
 「ではーーーーーーーー」
 と、また同じようなセリフが続き、ルーナが答える番になった。
 すると、
 ドアが吹っ飛んだ。
 吹っ飛ぶと言っても次元は違う。
 飛んでいったドアは、新郎と新婦の間に割り込み、さらにその奥の壁すらも破壊した。
 「その結婚っ!異議ありッッ!!!」
 俺は大声でそう叫び、自ら破壊した場所から入ってきた。
 「ぶ、ぶ、ぶ、ぶ、無礼者っ!余を誰だと心得る!」
 「は?知るか?」
 俺はコツ……コツ……と、堂々とした佇まいで歩き、ルーナの前にやってきた。
 「お迎えにあがりました。ルーナ」
 「トオルッ!!」
 すると、耐えきれなくなったのかルーナが俺の胸に飛び込んできた。
 「というわけだ。花嫁は攫わせてもらうよ」
 俺はルーナをお姫様抱っこして身を翻し、この場を立ち去ろうとする。
 「ま、待て!花嫁は余のものだ!貴様などのどこか分からぬ馬の骨に渡さん!やれ!」
 周りの兵どもが俺をすぐさま囲い、倒そうとジリジリ近づいてくる。
 「お前ら“どけ”っ!!」
 すると、前にいた兵士は道を譲り、後ろの兵士は動くことが出来なくなっていた。
 これが俺が新しく発見したスキル〈言霊〉だ。
 これは自身の発する言葉が他人に効果を発揮するというスキルで、自身よりレベルが低い敵にしかかかることはない。
 「行くか」
 俺は再び歩き出す。
 「貴様っ!これは我が国との戦争と受け取って良いのだな!?」
 「ああ、いいぞ」
 「い、いいのだな!貴様のせいでたくさんの国民が死ぬのだぞ!」
 「それはお前らの国の方だ。それだけ言っておく。この場にいる者共もよく聞け!」
 俺は大きく息を吸った。
 「ここに、我が国メルトリリス王国は貴国アルスター帝国に宣戦布告する!!!」
 「き、貴様にどのような権限があってそう言える!」
 「これで十分か?」
 俺は返さずに持っておいた時計を見せる。
 「そ、そ、それは!王国の紋章!」
 「ああ、そういうことだ。つまり俺は国家総代と同じ権限を持っているということになる」
 これで宣戦布告できるだろう。
 持っておいてよかった……。
 「という訳だ。詳しくは親書で説明する。では、さらばだ!」
 俺はルーナをお姫様抱っこし、その状態のまま結婚会場から出て行った。
 俺は他人に見つからないように移動していた。
 「ようやく……会えたね」
 「……ああ、そうだな」
 ルーナと面を向かって喋るのも一年になるのか……。
 「あの約束……守ってくれたんだね」
 「?」
 「ううん……何でもない!それより早く帰ろう!みんなが待ってる!」
 「そうだな。……楓が治ったことは知っていたのか?」
 「トオルの顔を見ればわかるよ。全て解決してからこっちに来た感じだったもん」
 「……ほんと、楓とルーナには勝てる気しないわ」
 「ふふっ、ありがと」
 俺はルーナを連れて走る。
 「……これで本格的にトオルに責任、取ってもらわなくなっちゃったね」
 「……ああ、そうだな」
 ……なんか改まって言われると恥ずかしいんだが……。
 
 「よし、帰るか?」
 「え?もう帰ってるんじゃないの?」
 ルーナがそう言った瞬間、俺は転移を発動し、一瞬で景色はアルスター帝国からメルトリリス王国へと変わった。
 「え?え!?」
 あまりの事にルーナはあたふたしている。
 
 (……可愛い)
 思ったけど、口には出さない。
 何故かって?恥ずかしいからだよ!
 「何でこんな手段があったなら宣戦布告なんてして帰ってきたの!?」
 「宣戦布告に関しては大丈夫だ。軍を出すって書いてもらって俺一人で行けばいいんだから。それにアイツらは一度ボコさないと行けない気がしてな」
 「……危なくないの?」
 「ああ、むしろ心配するんだったら連中のことを心配したほうがいいぞ」
 俺はそう言って、自身のステータスをアイテムボックスに閉まっていた紙と鉛筆で立ちながら書き記した。
 「……本当に強くなったんだね」
 「当たり前だろ。これでもダンジョン踏破者だからな」
 「……どこの?」
 「今喧嘩売ってきたところの」
 「はぁ。確かににそれだったら一般人でも国一番の猛者でも変わらないだろうね」
 「だろ?」
 なんたって俺は神だからな。
 (亜神だけど)
 というわけで帰ってきました。
 今回は直行で王城まで連れて帰った。
 ……流石にこのウェディングドレス姿のまま街を駆け抜けるというのは恥ずかしい……。
 俺たちは王城の扉を開けると、
 「ルーナ!透!」
 楓が抱きついてきた。
 「本当に……無事だったんだね」
 「当たり前だろ!俺を誰だと思ってるんだ?」
 「……ふふっ、透でしょ?」
 「正解。まあ、詳しくはみんなのところで話そうぜ」
 「「うん!!」」
 俺たちは再会の幸福を味わいながら、女王陛下のところに向かった。
 「ルーナっ!」
 「お母様っ!」
 二人はお互いに抱きしめあい、無事を喜んでいた。
 「良かったね、二人とも」
 「はい!」
 「ええ。あなたも本当に無事でよかった」
 「ははは、私に関しては透に治してもらったんですけどね」
 「そうでした!トオルさん!お話があります」
 俺は、女王陛下に一切合切のことを聞かれたため、全て教えた、
 特に教えたくないこともなかったしな。
 「なるほど……、しかし大丈夫なんですか?帝国の軍勢に一人で挑むなんて」
 「一人じゃないさ。エルもいる」
 「あ、初めまして!私の名前はエル=ランパード=ヴラドと申します」
 エルは丁寧にお辞儀をして、みんなに挨拶する。
 ……そう言えば、エルってみんなに紹介するの初めてだったよな。
 「透……その子って強いの?」
 「ああ。少なくとも今の楓よりは強いぞ。なんたってレベルが5桁を超えてるからな」
 その事に俺とエル以外の全員が驚いていた。
 「……それ、生まれつきレベルが高かったの?」
 「いや?一年前はレベル25だぞ」
 「……聞いておくけど、どうやってレベル上げしたの?」
 「ん?5桁のレベルの敵を一日一回倒していってただけだけど?」
 「じゃあ、透のレベルは幾つになったの!?」
 気になったのか、楓が大声で聞いてきた。
 「んーっと、細かい数値はこれを見てくれ」
 俺はさっきルーナに見せた紙を見せる。
 「……透って人間辞めた?あ、ごめん。もう辞めてたね……」
 「ちょっとそこ!俺まだ人間だから!」
 「いやー、ここには亜神と書かれているんですが、これにはどう回答するんですか?」
 「ぐぬぬっ……」
 ……まあ、ステータスが神にっているっていうんだったらもう、それでいいんじゃね?
 そう投げなりの気持ちになりながら、今後のことを考える俺であった。
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