鬼の彼女と不思議なお話

Axsl

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まだ朝は肌寒い。しかしいつからなんだろう?汗をうっすらとかくようになったのは。そんなことを感じるくらいには昼になると暖かくなる。そんな少し体に来る気温差がある五月のある日。俺はこの庄山高校しょうさんこうこう一年二組の窓際の一番後ろの席でまどろんでいた。眠い。今は四限目。数学の授業。関数がどうとかそんなこれから生きていくうえで役に立つのかわからないことを先生は言っている。しかしそんな興味のないことを聞かされていては意識は保てないわけで…ちょうど暖かくなってきた気温も助けて俺は意識を手放した。


教室の喧騒で目を覚ました。どうやら昼休みになってしまったようだ。入学早々居眠りとか…って思うこともあるけど中学校のときも似たようなものだったし…とくだらないことを考えつつ前に座っている友達に話しかける
「なぁ壮太」
「ん?なに。?」
石井壮太。基本的にやさしい性格で誰にでも分け隔てなく接するまあ要するにいいやつ。
「俺寝てた?」
「え?うーん分かんないなぁ。さっき最後のほうに当てられてたでしょ?」
そういえば授業の最後のほうに先生にあてられた気がする。でもその時にはちゃんと(まあかろうじてだが)起きていたのでそんなに寝ていなかったのだと思う。
「でも授業はちゃんと聞かないともうすぐで中間試験なんだから」
「あーそうだっけ。めんど」
俺は少し前髪がかかった目を細めてそう返す。そんな会話を終えると俺に話しかけてくる奴が来た。
「なぁ飯食おうぜ!」
「あーそうだなー」
こいつは坂本諒也。まあクラスでいうムードメーカー的な存在。別に嫌いってわけではないけどこいつといると疲れる。
「あじゃあ僕も」
壮太も入ってきた。入学してからもうグループが出来上がってもいいころなのだが人数が少ないのでみんな基本的に仲がいい。誰とでも弁当を食べるしだべったりもする。俺も別に断る理由もないし一緒に食べようと弁当に用意をしていると廊下が少し騒がしくなる。
「ねぇあの人って」
「あれでしょ?相村美紀あいむらみき先輩。美人で有名な」
その会話が耳に入り自然と噂されている張本人に目が行く。目はパッチリしていて身長は少し低いがスラっとした身体。きれいな黒髪は肩までの長さ。しかし物静かそうな見た目だが実際はなにかを探しているように落ち着きがない。意外とおしとやかな性格ではないのかもしれない。そんなことを考えながら学校一可愛いといわれている二年の先輩を見る。相村美紀。彼女は一年ながら去年の学校祭でミス庄山をほしいままにした。それは俺たち一年生にも伝えられており、学校のアイドル的存在だ。そんな人が一人で一年生に何の用だろうか。しかし次の瞬間その疑問は別の疑問へと置き換わった。彼女は何かを見つけると一年二組の教室にやってきて扉を開けた。一気に彼女に視線が集まる。そして彼女はクラス全体に聞こえる声で言った。
藤村真人ふじむらまさと君居る?」
なんで俺!?

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