プロローグ　悲劇の始まり

「成功です！召喚の儀は成功しました！！」
「急げ！王様へ報告だ！」
「おお、異界の戦士達よ！どうか我々をお救いください…！！」

うるせぇな……。
頭がガンガンする。
いったい何が起きたんだ？

ーーある日、速水　仁（ハヤミ　ジン）を含むクラス３０名が異世界により召喚された。

「良くぞ我々の呼び出しに応じてくれた、異界の戦士達よ！魔王の手から我が国もといこの世界を救うのだ！！」

「えっ……一体どういう…」
「マジ意味わかんねぇんだけど」
「帰れるのよね……？」
「先生ッ！これなんですか！？」

ーージンたちは『異界の戦士』として「天啓の儀」により職業を授かる。

「俺、魔法戦士だったぜ」
「なにこれ…賢者？」
「アークウィザードだってよ！俺ってもしかして最強？」
「ええ！！僧侶ってアノ？」

「えーっと……魔法、使いなのか…？」

ーー魔王の住まう塔『厄災の塔デビルズタワー』への攻略に向け、異界の戦士達は国王直属の近衛騎士団のもと訓練を行う日々。

「剣に炎のエンチャント出来るようになったぜ！」
「サンダーボルトを３連発で出せるようになったわ」
「見ろよこの氷の壁！敵なしじゃね？」
「怪我した人はヒールかけますので～」

「…クソッ、魔法使いだろ！！なんで未だにステータスの魔力値は０なんだよッ………」

「あれ？アイツまだ魔力でないの？」
「レベルが上がっても肝心の魔力がないとな～」
「いい加減お荷物君の面倒はこりごりだよなぁ」

ーーそして遂に『厄災の塔デビルズタワー』攻略への第１出陣が決行された。

「未だに魔力は０。でもやらなきゃやられる……。」

このまま野垂死になんて御免だッ！！
……絶対に、生き残ってやる！！！