ヴェルシュタイン公爵の再誕~オジサマとか聞いてない。~【Web版】

藤 都斗(旧藤原都斗)

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 そこは、静謐せいひつとも呼べる程の、おごそかな場所だった。
 天井いっぱいに広がるステンドグラスから差し込む光は、静かに辺りを照らしている。
 ガラスで象られた満月を中心に、ぐるりと円を描くようにして、神々の伝説やかつて存在した勇者と聖女の伝説、その有名なシーン。
 勇者らしき少年が、剣を取りドラゴンに立ち向かう様子や、聖女らしき少女が倒れた人を癒している様子が、太陽の光で色とりどりに輝いていた。

 そんな雰囲気ながら、不思議と落ち着く空気のその場所には、一際大きいパイプオルガンが堂々と鎮座していたのだが、それよりも、その前に置かれた美しい女性の像が目を引いた。

 ルナミリア王国の国神である、月の女神ルナミリア。

 彼女は月より舞い降り、王国を建国した初代王、ロイズ・ルナミリアを導いたとされる神である。
 慈悲深く心優しき彼女は、初代国王と共に、その全てを見通す黄金色の瞳で人々を導き、そして彼女は、国王妃として王と共に国を造ったという。

 国母であり、国神、そして、ルナミリア教のシンボルである。

 建物内の造りは、不思議と地球に存在するルネサンス様式の教会の、礼拝堂とそっくりだ。
 強いて言うならば、月がモチーフな為か、装飾に銀色や青色が多い事が、地球の教会とは違う箇所だろうか。

 色ガラスを通して、様々な色が床や壁、女神像や調度品、大きなパイプオルガンを照らす光景は何処か別世界であるかのような錯覚を受ける。
 その光景は美しく、そしてガラスが作り出している事もあり、どこか儚い。

 掃除は行き届いているのだが、どうしても何処かからか入り込んだ風により舞い上がった埃が、ダイヤモンドダストのようにキラキラと光を反射していた。

 「神父様、神父様はいらっしゃいませんか?」

 ふと聞こえたそんな呼び掛けは、どうやらこの礼拝堂の入り口である大きな扉の向こうからのようである。
 少しだけ開かれた大きな扉から微かに見える姿は、年若い少年のようだ。
 年の頃は十代に足を踏み入れて一、二年といった所だろうか。

 その声は音を反響し、増幅しやすい造りの礼拝堂に良く響いた。
 予想よりも大きく響き渡った自分の声に驚いてか、少年は少しだけ身を竦ませる。

 そんな時、礼拝堂の奥の扉から一人の人物が姿を見せた。

 「はいはい、なんだね?、おや、リチャード君じゃないか、どうしたんだい」

 知り合いなのか、何処か意外そうな表情を浮かべながら、ゆったりとした足取りで現れた壮年の男性は、少年へとそんな言葉を返す。
 白髪混じりの金髪を後頭部まで整髪剤で撫で付けたオールバックに、白を基調としたルナミリア教独特の法衣を身に纏う、中肉中背の、普通の男だった。

 「あ!神父様!良かった!いらっしゃったんですね!」

 リチャードと呼ばれた少年は、男の姿にホッと安堵したように破顔すると、まるで仔犬のように駆け寄った。
 彼にとって神父という存在は、親同然で、そして殺伐とした人生における、唯一の救いであった。

 「ははは、神父が教会に居なくてどうするんだい」
 「そんな事言って、神父様は時々酒場に行ってるじゃないですか!」
 「えっ、あれっ、なんで知ってるの?」

 「隣のダンおじさんが言いふらしてましたよ」
 「うわっ、本当に?、酷いなぁダンさんってば」

 困ったように笑う神父に対して、少年はその垢抜けない幼い顔を笑みに歪ませた。
 だがしかし、今はそれよりも神父に報告がある事を思い出した彼は、慌てたように神父の服を引っ張った。

 「それよりも、聞いて下さい神父様!領主がこの街に来たんです!」
 「なんだって!?街の人達は無事かい!?」

 少年のげんに、神父は血相を変える。
 焦ったように眉根を下げながら少年と同じ目線になるように膝を折り、少年の肩に両手を置いた。
 そのさまは、驚きながらも皆を心配している、というのが誰にでもすぐ分かる程で、少年はそんな神父をわざとらしいと等とは全く思わず、むしろそんなに街の人達を、自分達を大事に想ってくれているのかと嬉しく思った。

 だからこそ少年は、堂々と、そして誇らしげに胸を張る。

 「それは大丈夫です、皆で石を投げて追い払ってやりました!」

 しかし、それは神父にとって良い返答では無かったらしい。
 少年の言葉を理解した瞬間、その表情は焦りに染まり、よく分からない汗が額に滲む。

 「なっ、なんて危険な!どうしてそんな事を!?」

 ひっくり返ったような声で、まるで嘆くみたいに問い掛ける神父に、少年は不思議そうな様子で神父を見詰めた。
 
 「だって、貴族は悪い奴なんでしょ?だったらそのくらいしなきゃダメですよ!」

 無学な少年には、何が悪いのか分からなかった。
 悪い奴はやっつけるべきだ、そんな安易な考えしかなかったのだ。

 キョトンと、心底不思議だとでも言わんばかりに、むしろ何故褒めてくれないのか、という不満さえも滲ませながら、少年は首を傾げる。
 そんな少年に、神父はその顔に心配を浮かべながら、溜め息を吐き出した。

 「......リチャード君、君にはまだ分からないかもしれないけれど、貴族は危険なんだ」
 「でもあいつら、何もせずにどっか行きましたよ?」

 少年にとって、あの時の領主達は自分達に立ち向かいもせず、無様に尻尾を巻いて逃げたのだとしか思っていなかった。
 ドラゴンが二体いた事も、あの時の炎も、全て偽物のハリボテで、領主による見栄なのだと。
 だがしかし、神父は変わらぬ心配そうな表情で、窘めるように言葉を発した。

 「...貴族というものはね、リチャード君。
 僕ら平民なんてゴミだとしか思ってないんだ」
 「知ってますよ!神父様はよくそう言ってますよね?」

 意に介した様子も無くにこにこと笑う少年は、当たり前の事だとばかりに問い返し、キラキラとした瞳で神父を見詰めた。
 それは彼にとっての当たり前であり、常識であった。
 貴族に対する知識はそういったもの以外に全く無いのだから、必然だったといえよう。
 だが、それに焦ったのは神父だった。

 「リチャード君は貴族がどれだけ危険か分かってない!
 僕らをゴミだとしか思ってないって事は、それだけ僕らを軽く始末出来ると思ってるって事なんだ!」

 突然声を荒らげた神父に、少年の肩はビクリと震えた。
 いつもと違う神父の切羽詰まった様子に、普段は全く感じない不安感が少年の胸の中に去来して、唇までもが震える。

 「それなのに、街の人達皆で石を投げるなんて!、今は平気でも、いつ刑罰が下されるか...!」
 「そ、そんな、じゃあ一体どうしたら...!?」

 神父の言葉によって、少年はようやく事の重大さに気付いたようだ。
 だがしかし、学の無い彼には、何が正解なのか、そして最善なのか、全く分からなかった。
 今更のように血相を変えて怯えながら、神父の服が皺になっている事も理解せず、目の前の豪華な法衣をぎゅっと握り締める。
 ガタガタと小刻みに震える少年に、しっかりと彼の瞳を見詰め返しながら、神父は真剣な顔で口を開いた。

 「とにかく、石を投げた人達を此処に集めるんだ、教会は不可侵領域だからね、皆に避難して貰うんだ」
 「分かりました、おれ、皆を呼んで来ます...!」
 「気を付けるんですよ!」

 怯えながらも意を決した様子で、はい!という元気な掛け声と共に、少年が駆け出す。
 神父は少年の姿が見えなくなるまで見送ってから、ゆっくりと、礼拝堂の大きな扉を閉めた。

 そして、誰もいない礼拝堂で少年の触れた箇所を、嫌悪感にまみれた顔で払いながら、小さく息を吐く。

 「......ちっ、馬鹿過ぎるのも考えものだな...、面倒な事になった...」

 忌々しげな呟きが、ポツリと落ちた。















 あれからどうなったかというと、結局の所、話が長くなりそうだからとお茶が用意されて、ちょっとしたおもてなしを受ける事になった。
 この領地でも紅茶は作られていたらしく、そんな簡単な説明をされながら、美味しそうなクッキーと共に私の目の前に紅茶のカップを置いたのは弟さんだ。

 海が近い分、港のお陰で色んな物が輸入されやすいこの土地は、実験的に色んな物が作られたりしているらしいけど、オーギュストさんの記憶では情報が12年前で止まってたから、書面だけで見た物が実際に目の前にあると微妙な違和感がある。

 記憶には、まだ試験運用ですら無かったような、そんな物が時間を飛び越えて目の前にあるみたいで、なんとも言えない。

 知ってたけど知らない。
 知らないけど、知ってる。

 オーギュストさんの記憶と、最近頭に入れた情報と、何も知らない自分で構成された今の私は、なんていうか、アンバランスだ。

 湯気の立ち上る紅茶の表面をじっと見詰めていたら、ふと、声が掛かった。

 「で、坊ちゃん、どうするつもりなんだ?」

 紅茶に向かっていた視線を声のした方へと向けると、ニヒルに笑うオーギュストさんの幼馴染。

 はい??

 意識が別の所に行っていたから、突然現実に引き戻されて焦った。

 待って、どうするって、何を?
 領地?領地の話?それとも住んでる人達の話?それともさっきの時代劇的なやり取りの話?どれ?

 頭の中で矢継ぎ早な問いを巡らせてしまったけど、それをそのまま口に出す事は出来ない、ので、いっそ開き直ってやる事にした。

 「主語が足りんな、やり直せ」

 ドヤ顔である。

 だがしかし、完全なドヤ顔はオーギュストさんぽくない、という訳で、冷静かつ淡々と、そして堂々とした、無表情ベースのドヤ顔である。

 オーギュストさんがカッコイイのは当たり前なんだけど、出来る事なら遠くから見たいです。
 幾らでも思うんだけどなんでこれが自分なんだろう。解せぬ。
 もっかい言っとこう、解せぬ。

 「ちェ、分かってるくせに、相変わらず性格が悪いな坊ちゃんは」

 アメリカのドラマでよく見た、大袈裟に肩を竦ませるというリアクションをしながら溜息を吐かれてしまったんだが、しかし言わせてくれ、私は何一つ分かってないという事を。

 なんなんですか、嫌がらせですか。

 セリフっていうのはな、文脈ってのがあって、前後の会話から察する事が出来ないと駄目なんだよ!
 ミステリー系の舞台ならよくあるけど、これ現実だから!
 誰だよ台本書いた奴!いや、現実だけどさぁ!

 自分でも自分が訳分からん事考えてるのが分かるけど、そんな事は放置したいと思います。まる。

 ていうか、気になる事があるんだが、一個いいかな?

 「それよりも、その坊ちゃんという呼び方は何とかならないのか」
 「んな事言われても、俺にとっちゃ坊ちゃんは坊ちゃんだからなァ」

 どういうことなの。

 「...兄さん」 
 「っかぁー!融通が効かねェなァ、どいつもこいつも!」

 「アーネスト、喧しいですよ、いい加減に話を進めなさい、旦那様がお待ちです」
 「へいへい、ったく、仕方ねェな...」

 弟さんと執事さんによる窘めるような発言に対して、またしてもオーバーリアクションにやれやれと溜息を吐くおっさんは、多分こういう人なんだろうと思う。

 たまに居るよね、無駄にわざとらしい動作のおっさん。
 なんなんだろうね、あれ。

 「で、だ、坊ちゃん、街は見たんだろう?どう思った?」

 唐突な、それでも真剣な眼差しでの問い掛けは、いつの間にか静かになっていた室内にやけに響いた。
 髪の色と同じ緑っぽい灰色の瞳が、じっと私を見つめている。

 いや、うん、そんな見ないでくれないかな、恐い。

 そんな失礼な事を口に出さなかった私を褒めたい。
 だってマフィアのボスみたいなおっさんが私を見てるんだよ、恐いよ。

 だがしかし、そんなんを考える時間は無いので、質問に答える為にも街の様子を思い返す事にした。

 馬車の中から見ただけだからイマイチ分からないけど、どっちかって言ったら、栄えてるんじゃないかな。
 石畳は綺麗だったし、ゴミも見当たらなかった。
 なんか、貧困な街ってゴミが多いイメージあるよね。

 ただ、物凄く不満が溜まってるんだろう事は察した。
 まあ、いくらなんでもアレは無いと思う。

 「......随分と、頭の悪い者が増えたな、と」

 だって石投げて来たよ?、机とか椅子もだけど。
 通りが物凄い事になってたもん。
 ちょっと燃えたっぽいけど。

 頭悪く無かったらあんな事しないと思うんだよね。

 そういえばどうしたんだろ、後片付け。

 「あァ、聞いたぜェ?、石を投げて来た連中を前に、思いっ切り素通りしたんだってな」

 くつくつと、喉の奥で音を出すみたいな低い笑い声を発しながら、ダンディに笑ったおっさんは、本当にマフィアっぽかった。

 「何か問題があったかね?」

 「いや?、下手に罰したらロクな事になんねェからな、正解だろ」

 正解だったらしいです。やったね!

 「それで、何が言いたい」

 「頭悪ィ連中しか居ねェのは、学ぶ場所を作る事が出来てねェのが原因だ、教会の奴らの妨害もあったしな」

 「ほう?」
 「民に施しをしたり、学ばせる事は教会の仕事なんだとよ」

 「なるほど」

 つまりこの人達も、人々に勉強させる為になんか色々やってはいたんだろう。
 ルナミリア教は国教だし、だからこそ、強く出れなかったのかもしれない。

 「教会側はなんと?」

 「人々は生きていくだけで精一杯で、この上に更に学びを課すのは酷だ、だとよ」

 「つまり何も教えていないのか」
 「教えてるぜェ?、教会の奴らにとって、貴族は悪なんだとよ」

 「なるほど、馬鹿を量産しているだけか」
 「ははっ、違いねェ。
 だがよ、そうなったのは坊ちゃん、アンタが原因なんだぜ?」

 「...だろうな」

 真剣な眼差しで告げられた言葉は、的を得過ぎていてなんかもう耳が痛い。

 なにせ、何もして来なかった自覚はある。
 私じゃなくて、オーギュストさんが、だけど。
 そんな事言ったら言い訳にしか聞こえないし、むしろ、何言ってんのお前、って事になるから言わないけどね。

 だから、本当に物凄く申し訳ないと思ってます。...という事にしておこうと思います。
 だって私が悪い訳じゃないし、仕方ないとはいえ他人事に思う事くらい自由だと思うの。

 「で、話を戻す訳なんだが、坊ちゃんはどうするつもりなんだ?」

 あぁー、なるほど、こう繋がる訳ですか。

 いや、分かんねぇよ馬鹿。
 私をなんだと思ってんのさ、そんな頭良くないからね?

 内心で思いきりそんな愚痴を吐きながら、しみじみと考える。

 しっかし、この領地問題だらけだなぁ。
 だって頭が悪い人が多いって事は、それだけ騙されやすいって事で、つまりは都合のいい金づるだったり、鴨だったり、まあそんな感じなんだろう。

 「学ぶ場所を作った所で、今更だろう。
 だがしかし、このまま放置する訳にも、教会を廃する事も出来ん」

 めっちゃ詰んでるんだけど、どうしたらいいんだろうね。
 手っ取り早いのは、人々が自分達で気付く事が出来るようにするってのが良いんだろうけど...。

 うん、無理だね!、なんかよっぽどな事件でも起きなきゃどうしようもない。
 それ以前に、教会側が洗脳という名の偏見に満ちた教育を施してるんだから、今更間違ってる事を伝えても信じる訳が無いだろうし。
 だからって強硬手段に出たりなんかしたら、ただでさえ無い信頼が余計に無くなるだけだ。

 いっそ教会、物凄く信頼を無くすような事してくれないだろうか。

 ...国教だし、無理かな?
 まぁ、弱味でも握れたりしたら儲けものって事で、調べるだけ調べて貰おうかな。
 とりあえず、クールなドヤ顔で、目の前のおっさんへ声を掛ける事にした。

 「何をすべきか、分かっているのだろう?」

 どうせ、このおっさんも私の事過大評価してるだろう、という考えの元、丸投げする事にしました。

 すると案の定、目の前のおっさんは、ともすれば悪人にしか見えない程の笑みをその顔に浮かべながら、口を開いた。

 「ははっ、勿論。そう来なくちゃなァ...!」

 一体何をする気か、何も分からなくてめっちゃ恐いんだけど、無視する事にします。
 もう好きにするといいよ!私は知らない!

 「何か問題があれば、アルフレードに伝えろ。...アルフレード、頼んだぞ」
 「は、承知致しました」

 私は、なんでもない顔をして、美味しそうなクッキーを自分の口に突っ込んだのだった。



 それから、今後について話し合ったんだけど、なんか途中から私そっちのけで話し合いが始まってしまったので、放置してたらいつの間にか終わっていた。

 お紅茶美味しかったです、はい。

 まあ、結果としては、なんとかまとまったみたいなんだけど、何がどう決まったのか、ちゃんと聞いてなかったからよく分からない。
 いや、オーギュストさんのスペック的に頭には入ってるだろうけど、今はちょっと置いておきたいです。

 まあ、それでも簡単に要約して説明するなら、よっぽどの事が起きない限り高みの見物してればいいので普段と同じようにしててくれ、って事らしい。
 なんかそんな事言われたらよっぽどの事が起きそうで嫌なんだけど、起きたら起きたで、その時はその時。
 いつも通り臨機応変に、アドリブで対応してやろうと思います、っていうかそれしかないんだけど。

 ちなみに、ちょっと前の悪代官と越後屋的なあのやり取りなんだけど、原因はやっぱりオーギュストさんだった。

 私がこの身体に入る前、オーギュストさんは悪名を無駄に轟かせていた訳なんだが、その下に居る彼等兄弟も見た目がそれっぽい事もあって、物凄く、腹に一物を抱えてそうな、そういう奴らが釣れたらしい。
 だが、彼等の凄い所はそこで腹を立てず、逆に利用してやろうと画策した事だ。

 つまりあのやり取りは、自分達を餌にした、ヴェルシュタイン領の膿の摘出というか、炙り出しというか、なんかそんなアレなのだ。

 いつかオーギュストさんが帰って来ると信じて、12年もの間、汚名や泥を被りながら、ずっと待っていた。
 その気持ちを思うと物凄く複雑な気持ちになるけど、オーギュストさんはもういない訳で。

 なんかもう、きついよね。

 しかも、中身が別人だなんて全く気付いてない。
 王様と王妃様もそうだったみたいだけど、本来のオーギュストさんとの違いなんて、賢人なんてものになったんだから、そのせいだろうと思われているようだ。

 私という存在は誰にも知られちゃいけないから、ありがたい事、なんだけど複雑な気分でしかない。

 でも、きっかけというか、原因はオーギュストさんなんだが、結果としてこの領地に本当に必要な人事の振り分けが出来るのは本当にありがたかった。

 後でアカンやつらのリストを精査しようと思う。
 いくらアカンやつらでも、左遷とかクビとか以外にも使い道があるかもしれないし、ちょっと頑張らなきゃ。

 言っていいかな?

 めんどくせぇええええ!!!


 

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