つながる世界へ

きあき

オレンジ色の空の下、ボクは命について考えた

オレンジ色の空を
真っ黒い雲が流れて
山の上まで占拠した工場に
あかりがついていく
ボクは一人川べりを歩く

オレンジ色の空には
家路に帰る鳥の声もなく
黒く流れる川には
銀に揺らめく魚の影もなく
ただ
大地の上に
命を吸って揺らめく炎と
猥雑わいざつな笑い声が響いている

ボクは川べりを歩きながら
消えた命とボクの命の
等しさを考える
ボクらは彼らなしでは生きられないのに
彼らのことを考えず
文明の中の毒をばらまいた

彼らが消え
最後の警告が鳴り終わった時
ボクらは
彼らが受けた苦しみを知るのだろう
そのことにボクらはなんで
文句が言えよう
ボクらがまいた毒のせいなのに

「私は何もしていない」
そう言う人もいるだろう
ボクたちは文明の中で生きている
そのかぎり
ボクたちは彼らに対して
「有罪」なんだ

彼らを守ることが
ボクらを守ることなんだ
彼らが生きられる環境が
ボクらの生きれる環境で
それを取り戻すためなら
どんなに苦労してもいいじゃないか
自分たちの作ったルールに
縛られて滅ぶより
彼らと共に生きようよ
この星が本当に終わる
その時まで

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