浮遊図書館の魔王様
第三十六話 戦闘準備しました
「さぁ、レクレ様の期待に応えて浮遊図書館に攻め込んでくる愚か者達を撃退するわよ!」
「「「は〜い」」」」
流石に王都にいる戦力が全部来たら無理だろうけど交渉? で減ったからなんとかなるだろ。
それにしても相変わらずこの姉妹達(特にレキ)はわたしを置いてきぼりにして世界征服をしたい様子だし。(子供三人組はなんとなく適当ぽい)
なにやらスイッチも入ったみたいだしやる気が満ち溢れてるね。
これでわたしは本をゆっくりと読むことができるよ。
しかし、気になって横目で見ると、
レキは剣を軽く何度も素振りしていた。
あの細身のどこにあんな筋力があるのだろう。
マーテとアルはわたしがあげた魔法のカバンになにやらいろいろ詰め込んでいた。
なんだか、マーテが詰め込んでたのは獣を捕らえるようの虎ばさみに見えたし、アルは明らかにサイズのあわなそうな鎧をいくつも放り込んでいるように見えたが気にしないでおこう。
ビリアラは何も準備しないでお菓子を食べながら本を読んでた。タイトルは『初めての籠城戦! 第一巻』
負け戦なの⁉︎
読んでる本が嫌すぎるよ。あとながら食いはやめさい。
なかなかにマイナス思考な子だったのかもしれない。いつも幸せそうにご飯食べてたから気づかなかったよ。
うん、もう考えても仕方ないから本読むのに集中しよ。
わたしはページをめくるのに集中する。
「はい! マーテ、アル、ビリアラ! 準備できた?」
「「「おっけー」」」
思わず本当かよ⁉︎っとツッコミたいのをぐっとこらえた。
再び視線を向けるとレキは剣を腰に下げただけ、マーテ、アル、ビリアラは魔法のカバンを背負っているだけだった。
「ねぇ! 軍隊と闘うんだよね⁉︎ 軽装備すぎない⁉︎」
もう我慢の限界だ。
まるでどこかの山にでも遠足にいって来ますというくらいの軽装だなよね。
「はい。敵はファンガルム皇国。腕がなります」
おー、レキさんやる気満々じゃないですか。
「いやいやいや、レキは剣あるから百歩譲っていいよ? 後ろの三人!」
えっ? みたいな顔をしてこちらを見てくるちびっ子三人組。
「いや、君達はなんで魔法のカバンだけなの! 武器は」
なんだろう? わたしの常識はおかしいんだろうか。
「大丈夫!私達武器は魔法のカバン《マジックバック》にしまってあるだけだから!」
アルは満面の笑顔で言うけどお姉さんは心配です。
不安要素しか感じられない笑顔というのも珍しい。
「ご心配なく、レクレ様。妹達も獣人種、一騎当千の働きを見してくれるでしょう」
レキ、後ろのほのぼの笑顔三人組からどこからそんな自信が。というか本当に一騎当千したら敵が足りないじゃない。
「それに例え、妹達が敗れたとしても私一人で敵を葬り去って見せます」
そういうとレキはスカートの裾を摘み優雅に一礼して見せる。
あの剣を軽々と振り回すんだから確実に過剰殺戮しそうだしね。
でも、そうなると確実に皇国と戦争しなくちゃいけなくなるし、わたしとしてはごめんこうむりたいんだけど、どうしたものか。
「とりあえず、殺すのは無しだよ?」
「「「「え⁉︎」」」」
なんでそんな驚いたような声出すの⁉︎ というかほのぼの三人組も⁉︎
やっぱりやる気というか殺る気満々だったか。
「当たり前だよ。わたしたちは正当防衛で闘うんだよ? 殺しちゃだめだよ」
「腕一本が飛ぶくらいならいいですか?」
「出血多量で死んじゃうからダメ」
「指一本くらいならいい?」
なにこの子達、血がみたいの? 怖い。
「まぁ、指一本くらいなら死なないだろうし……」
「わかりました!」
嬉々として頷いてるけど大丈夫かな。
でも、途中から後ろのチビっ子三人は何故か夕御飯のメニューについて話してるし! 緊張感なさすぎじゃないかな! というか人肉は晩御飯にでないよね? 神経が図太すぎるよ。
「では、レクレ様、出陣いたします!」
「「「まーす」」」
「ちょっとまった!」
わたしは階段に向かい歩こうとする姉妹を呼び止める。
頭に疑問符を浮かべながらも立ち止まり四姉妹はこちらを振り返る。
わたしはなにもない空間に手を伸ばし軽く手を振るう。するとわたしの手の中には砂時計が四つ現れる。
その砂時計を姉妹それぞれに向かい軽く放ると砂時計はフワフワと浮かびそれぞれの手の中に収まった。
「これは?」
みんなが疑問符を浮かべる中、レキが口を開いた。
「それは転移の魔法が入った砂時計だよ。戦闘が始まったらひっくり返してね」
「わかりましたー」
マーテが元気良く返事を返してくれた。お姉さんは嬉しよ。
「では、魔王様に勝利を捧げてまいります」
「「「まいりまーす」」」
「がんばってねー」
戦場に行くとは思えない様子で四人が笑顔で話をしながら階段から下に降り、姿が見えなくるまでわたしは手を振りながら見送った。
しかし、姿が見えなくなった途端に、言いようのない不安が押し寄せる。
とてもじゃないが読書を楽しむ精神状態じゃないよ!
「ああ、心配だ! 心配すぎて読書ができない。アトラ、遠見の水晶だして。それにいざとなったらアトラにも出てもらうからね」
こちらには最終兵器があるから大丈夫だと思うし、負けるとは思ってないけど保険はかけとかないと。
「お母さんみたいですね」
「ご主人、子供を初めてのお使いに出す時の親みたいですね」
後ろからユールとアトラが楽しそうに言うそんな一言にわたしは微妙に顔を歪めた。
「「「は〜い」」」」
流石に王都にいる戦力が全部来たら無理だろうけど交渉? で減ったからなんとかなるだろ。
それにしても相変わらずこの姉妹達(特にレキ)はわたしを置いてきぼりにして世界征服をしたい様子だし。(子供三人組はなんとなく適当ぽい)
なにやらスイッチも入ったみたいだしやる気が満ち溢れてるね。
これでわたしは本をゆっくりと読むことができるよ。
しかし、気になって横目で見ると、
レキは剣を軽く何度も素振りしていた。
あの細身のどこにあんな筋力があるのだろう。
マーテとアルはわたしがあげた魔法のカバンになにやらいろいろ詰め込んでいた。
なんだか、マーテが詰め込んでたのは獣を捕らえるようの虎ばさみに見えたし、アルは明らかにサイズのあわなそうな鎧をいくつも放り込んでいるように見えたが気にしないでおこう。
ビリアラは何も準備しないでお菓子を食べながら本を読んでた。タイトルは『初めての籠城戦! 第一巻』
負け戦なの⁉︎
読んでる本が嫌すぎるよ。あとながら食いはやめさい。
なかなかにマイナス思考な子だったのかもしれない。いつも幸せそうにご飯食べてたから気づかなかったよ。
うん、もう考えても仕方ないから本読むのに集中しよ。
わたしはページをめくるのに集中する。
「はい! マーテ、アル、ビリアラ! 準備できた?」
「「「おっけー」」」
思わず本当かよ⁉︎っとツッコミたいのをぐっとこらえた。
再び視線を向けるとレキは剣を腰に下げただけ、マーテ、アル、ビリアラは魔法のカバンを背負っているだけだった。
「ねぇ! 軍隊と闘うんだよね⁉︎ 軽装備すぎない⁉︎」
もう我慢の限界だ。
まるでどこかの山にでも遠足にいって来ますというくらいの軽装だなよね。
「はい。敵はファンガルム皇国。腕がなります」
おー、レキさんやる気満々じゃないですか。
「いやいやいや、レキは剣あるから百歩譲っていいよ? 後ろの三人!」
えっ? みたいな顔をしてこちらを見てくるちびっ子三人組。
「いや、君達はなんで魔法のカバンだけなの! 武器は」
なんだろう? わたしの常識はおかしいんだろうか。
「大丈夫!私達武器は魔法のカバン《マジックバック》にしまってあるだけだから!」
アルは満面の笑顔で言うけどお姉さんは心配です。
不安要素しか感じられない笑顔というのも珍しい。
「ご心配なく、レクレ様。妹達も獣人種、一騎当千の働きを見してくれるでしょう」
レキ、後ろのほのぼの笑顔三人組からどこからそんな自信が。というか本当に一騎当千したら敵が足りないじゃない。
「それに例え、妹達が敗れたとしても私一人で敵を葬り去って見せます」
そういうとレキはスカートの裾を摘み優雅に一礼して見せる。
あの剣を軽々と振り回すんだから確実に過剰殺戮しそうだしね。
でも、そうなると確実に皇国と戦争しなくちゃいけなくなるし、わたしとしてはごめんこうむりたいんだけど、どうしたものか。
「とりあえず、殺すのは無しだよ?」
「「「「え⁉︎」」」」
なんでそんな驚いたような声出すの⁉︎ というかほのぼの三人組も⁉︎
やっぱりやる気というか殺る気満々だったか。
「当たり前だよ。わたしたちは正当防衛で闘うんだよ? 殺しちゃだめだよ」
「腕一本が飛ぶくらいならいいですか?」
「出血多量で死んじゃうからダメ」
「指一本くらいならいい?」
なにこの子達、血がみたいの? 怖い。
「まぁ、指一本くらいなら死なないだろうし……」
「わかりました!」
嬉々として頷いてるけど大丈夫かな。
でも、途中から後ろのチビっ子三人は何故か夕御飯のメニューについて話してるし! 緊張感なさすぎじゃないかな! というか人肉は晩御飯にでないよね? 神経が図太すぎるよ。
「では、レクレ様、出陣いたします!」
「「「まーす」」」
「ちょっとまった!」
わたしは階段に向かい歩こうとする姉妹を呼び止める。
頭に疑問符を浮かべながらも立ち止まり四姉妹はこちらを振り返る。
わたしはなにもない空間に手を伸ばし軽く手を振るう。するとわたしの手の中には砂時計が四つ現れる。
その砂時計を姉妹それぞれに向かい軽く放ると砂時計はフワフワと浮かびそれぞれの手の中に収まった。
「これは?」
みんなが疑問符を浮かべる中、レキが口を開いた。
「それは転移の魔法が入った砂時計だよ。戦闘が始まったらひっくり返してね」
「わかりましたー」
マーテが元気良く返事を返してくれた。お姉さんは嬉しよ。
「では、魔王様に勝利を捧げてまいります」
「「「まいりまーす」」」
「がんばってねー」
戦場に行くとは思えない様子で四人が笑顔で話をしながら階段から下に降り、姿が見えなくるまでわたしは手を振りながら見送った。
しかし、姿が見えなくなった途端に、言いようのない不安が押し寄せる。
とてもじゃないが読書を楽しむ精神状態じゃないよ!
「ああ、心配だ! 心配すぎて読書ができない。アトラ、遠見の水晶だして。それにいざとなったらアトラにも出てもらうからね」
こちらには最終兵器があるから大丈夫だと思うし、負けるとは思ってないけど保険はかけとかないと。
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