床ぺろリスト! 魔法? 一発しか撃てませんが?
眠るように死を
「あ、わたしエールね」
「うむ、では我は黒き泡が満ちし杯を」
「はいはい、エールね。スイマセーン」
ファラが連れてこられたのは迷宮都市カーディナスにある酒場眠るように死を!である。迷宮都市に唯一ある酒場として日々繁盛しているのだ。酒場の中には種族を問わずといった様子で人族、亞人族などと様々な種族で溢れかえっているのだ。当然、色々といざこざが起こるのだがそれらは全てここ眠るように死を!では余興のようなものである。
「ぷはぁ! 染みるわ〜」
「うむ、この黒き泡が身にしみて我が活力となるであろう。明日の我に死角はないであろう」
サブリナは一気に飲み干し口元を拭い去り、ネイトはなんだかよくわからないことを言っていた。ファラはというとちびちびとエールを口にしており一番おとなしかった。
「で?」
「で? ってなによ」
ファラが尋ねるとなにやら不機嫌そうにサブリナが二杯目のエールをぐびぐびと飲みながら聞き返してきた。
「なんでここに?」
「よくぞ聞いてくれたわ!」
待ってましたと言わんばかりに瞳を輝かしたサブリナであったがその輝いていた瞳が一瞬で呪いを放つかのごとく濁る。
「今日わたし迷宮に行ったんだけどね」
「知ってる。僕と一緒に宿でたからね」
ファラは確かにサブリナ、ネイトと共に宿を出たが二人はパーティを組んで迷宮に挑むと意気込んでいたのでファラは一人で迷宮に向かったのだ。
「まあ、このわたしなんだから! パーティなんて引く手数多だったわけよ」
「ヘーソリャスごい」
ぽりぽりとおつまみを食べながら話を聞き流しているファラ。
確かにサブリナもかなりの美人である。パーティに入れればかなりの華やかさを出すものであろう。
(性格さえ考慮にいれなければですが)
自身の友人の性格の悪さにファラは心の中でのみツッコミを入れる。
隣のネイトに至っては窓から見える大河を見ているという有様である。しかし、そんなことは気にせずに聞いてもらっていると思い込んでいるサブリナは機嫌よく話を続ける。
「それでとあるパーティに入ってあげたんだけど第一階層ってゴブリンばっかりじゃない? わたしの魔法は勿体ないわけよ! だから言ってやったのよ! 「こんな下等なモンスターに使う魔法なんてないわ! あなた達が始末なさい!」って」
「いや、それはどうなんでしょう?」
普通はパーティメンバーにそんなことを言う時点でどうかと思うのだがサブリナはそんなことは気にしない。しかし、それ故にサブリナの性格を知っているファラもは特に口を挟まなかった。
「そしたらそいつらなんて言ったと思う? 「ふざけるな!」ですって」
「普通だと思うよ」
「それでもしつこく言ってくるから仕方ないからゴブリン共を魔法で切り刻んでやったわ。まあ、その後に倒れちゃったわけなんだけどね! しかもそいつらわたしのことを置いて行きやがったのよ!」
「ふーん」
「ちょっと! わたしの話聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。大変だったねぇ。あ、エールおかわりください」
「我も黒き泡が満ちし杯をもう一つ」
「軽ぅ⁉︎ もう少しわたしの話をちゃんと聞きなさいよぉぉぉぉぉ!」
涙を流しながらテーブルをバシバシと叩き魔法使いにあるまじき膂力を発揮したサブリナは机をどんどん変形さしていく。ファラとネイトはテーブルの上のおつまみとエールを素早く手に取り被害を出さないように努めていた。少しして落ち着いたのかぐすぐすとサブリナは泣き出した。そんなサブリナの肩をポンポンとネイトが叩く。
「ネイト?」
涙を浮かべた瞳でネイトを見上げるサブリナ。
「このテーブルの修繕費はお前持ちだからな?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! この世に慈悲はないのぉぉぉぉぉぉ⁉︎」
ネイトの言葉は見事にサブリナの心を抉りより一掃サブリナは大きな声で泣きだした。
「で、ネイトも似たようなもん?」
「我の実力も評価できぬ者に我と組む価値はなし」
「あっそ」
言葉は違うがおそらくはネイトも似たようなものであったであろうとファラは解釈していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! わたしに構ってよぉぉぉぉぉ! ちやほやしてよぉぉぉぉぉ!」
構ってもらえないことに対して尚も泣き叫ぶサブリナにファラとネイトがうんざりとし始めたその時、
「うるせぇぞ! 静かに酒も飲めねえのか!」
サブリナの鳴き声をはるかに凌駕する怒声が酒場に響きます。その声が通った瞬間、今まで喧騒が支配していた酒場にシンとした静寂で満たされていた。
「たく、迷宮都市とかいうからどんな奴らがいるかと思えばただのガキとか中堅冒険者ばかりじゃねえか」
「はは、まったくだぜ」
人を馬鹿にするような発言を繰り返す扉の前にいる輩の方へ酒場のいる者全員の視線が向けられる。
視線を一身に受けるのは軽装鎧で身を固めた四人組であり明らかに侮蔑の笑みを浮かべていた。
「あぁ?」
そんな彼らへとひたすら泣き続け眼を赤くしたサブリナが視線を向けた瞬間、
「あぁぁぁぁ!」
サブリナは勢い良き立ち上がり不届き者たる四人組を指差し大声を上げるのであった。
「うむ、では我は黒き泡が満ちし杯を」
「はいはい、エールね。スイマセーン」
ファラが連れてこられたのは迷宮都市カーディナスにある酒場眠るように死を!である。迷宮都市に唯一ある酒場として日々繁盛しているのだ。酒場の中には種族を問わずといった様子で人族、亞人族などと様々な種族で溢れかえっているのだ。当然、色々といざこざが起こるのだがそれらは全てここ眠るように死を!では余興のようなものである。
「ぷはぁ! 染みるわ〜」
「うむ、この黒き泡が身にしみて我が活力となるであろう。明日の我に死角はないであろう」
サブリナは一気に飲み干し口元を拭い去り、ネイトはなんだかよくわからないことを言っていた。ファラはというとちびちびとエールを口にしており一番おとなしかった。
「で?」
「で? ってなによ」
ファラが尋ねるとなにやら不機嫌そうにサブリナが二杯目のエールをぐびぐびと飲みながら聞き返してきた。
「なんでここに?」
「よくぞ聞いてくれたわ!」
待ってましたと言わんばかりに瞳を輝かしたサブリナであったがその輝いていた瞳が一瞬で呪いを放つかのごとく濁る。
「今日わたし迷宮に行ったんだけどね」
「知ってる。僕と一緒に宿でたからね」
ファラは確かにサブリナ、ネイトと共に宿を出たが二人はパーティを組んで迷宮に挑むと意気込んでいたのでファラは一人で迷宮に向かったのだ。
「まあ、このわたしなんだから! パーティなんて引く手数多だったわけよ」
「ヘーソリャスごい」
ぽりぽりとおつまみを食べながら話を聞き流しているファラ。
確かにサブリナもかなりの美人である。パーティに入れればかなりの華やかさを出すものであろう。
(性格さえ考慮にいれなければですが)
自身の友人の性格の悪さにファラは心の中でのみツッコミを入れる。
隣のネイトに至っては窓から見える大河を見ているという有様である。しかし、そんなことは気にせずに聞いてもらっていると思い込んでいるサブリナは機嫌よく話を続ける。
「それでとあるパーティに入ってあげたんだけど第一階層ってゴブリンばっかりじゃない? わたしの魔法は勿体ないわけよ! だから言ってやったのよ! 「こんな下等なモンスターに使う魔法なんてないわ! あなた達が始末なさい!」って」
「いや、それはどうなんでしょう?」
普通はパーティメンバーにそんなことを言う時点でどうかと思うのだがサブリナはそんなことは気にしない。しかし、それ故にサブリナの性格を知っているファラもは特に口を挟まなかった。
「そしたらそいつらなんて言ったと思う? 「ふざけるな!」ですって」
「普通だと思うよ」
「それでもしつこく言ってくるから仕方ないからゴブリン共を魔法で切り刻んでやったわ。まあ、その後に倒れちゃったわけなんだけどね! しかもそいつらわたしのことを置いて行きやがったのよ!」
「ふーん」
「ちょっと! わたしの話聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。大変だったねぇ。あ、エールおかわりください」
「我も黒き泡が満ちし杯をもう一つ」
「軽ぅ⁉︎ もう少しわたしの話をちゃんと聞きなさいよぉぉぉぉぉ!」
涙を流しながらテーブルをバシバシと叩き魔法使いにあるまじき膂力を発揮したサブリナは机をどんどん変形さしていく。ファラとネイトはテーブルの上のおつまみとエールを素早く手に取り被害を出さないように努めていた。少しして落ち着いたのかぐすぐすとサブリナは泣き出した。そんなサブリナの肩をポンポンとネイトが叩く。
「ネイト?」
涙を浮かべた瞳でネイトを見上げるサブリナ。
「このテーブルの修繕費はお前持ちだからな?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! この世に慈悲はないのぉぉぉぉぉぉ⁉︎」
ネイトの言葉は見事にサブリナの心を抉りより一掃サブリナは大きな声で泣きだした。
「で、ネイトも似たようなもん?」
「我の実力も評価できぬ者に我と組む価値はなし」
「あっそ」
言葉は違うがおそらくはネイトも似たようなものであったであろうとファラは解釈していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! わたしに構ってよぉぉぉぉぉ! ちやほやしてよぉぉぉぉぉ!」
構ってもらえないことに対して尚も泣き叫ぶサブリナにファラとネイトがうんざりとし始めたその時、
「うるせぇぞ! 静かに酒も飲めねえのか!」
サブリナの鳴き声をはるかに凌駕する怒声が酒場に響きます。その声が通った瞬間、今まで喧騒が支配していた酒場にシンとした静寂で満たされていた。
「たく、迷宮都市とかいうからどんな奴らがいるかと思えばただのガキとか中堅冒険者ばかりじゃねえか」
「はは、まったくだぜ」
人を馬鹿にするような発言を繰り返す扉の前にいる輩の方へ酒場のいる者全員の視線が向けられる。
視線を一身に受けるのは軽装鎧で身を固めた四人組であり明らかに侮蔑の笑みを浮かべていた。
「あぁ?」
そんな彼らへとひたすら泣き続け眼を赤くしたサブリナが視線を向けた瞬間、
「あぁぁぁぁ!」
サブリナは勢い良き立ち上がり不届き者たる四人組を指差し大声を上げるのであった。
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