雑食無双ヨルムン
ヨルムン、獲物を狙う
「しかし、あれは我も追わんとダメじゃろうな」
ブリューフルを放り投げはしたわけじゃが彼奴は天使ビームとやらはしばらくは撃てんとか言っておったわけじゃし戦う術もなさそうじゃ。
腕を組みそんなことを考えていると僅かに大地が揺れる。門の方を見るとブリューフルが街を取り囲む城壁の一部に深々と突き刺さっているようじゃ。
「うーむ、狙いが逸れたか」
ま、適当に投げたからあたりまえなんじゃがな。うまいこと空中でなんとかしてほしかったがそう簡単にはいかなかったんじゃろう。
だがブリューフルがモンスターどもより先に門に突き刺さり轟音を鳴らしたことは無意味ではなかったようじゃ。
なぜならブリューフルが突き刺さった音に慌てたように出てきた兵士が街に迫るモンスターの群れを発見し、次々に何か指示を出し始めているわけじゃし。
「じゃが、なんというか貧弱そうじゃのう」
門から迎撃? のために出てきた奴らはどうも武装が弱っちそうじゃ。いや、我も別にどれが強い、弱いというのがわかるわけではないんじゃがな。なんというか見た目? もしくは感覚的なものでそう思うわけなんじゃがな。
「百足イノシシのほうが明らかに門に到着するのが速そうじゃな」
爆音を響かせながら疾走を続けておる百足イノシシの速さはかなりのものじゃ。我でも一瞬で追いつくことは困難じゃろうな。仕方ない、
「我も行くしかあるまいか」
先の百足イノシシはブリューフルが消しとばしよったからのぅ。ここで獲物が全くなかった場合、最悪晩御飯が野菜だけという可能性が浮上しておるわけじゃからな。そうなるとべじたりあんとかいう野菜しか食べれない体になってしまうとクマの酒場にいる男が言っておったし、この場は全力でやるしかあるまいて。
深々とため息を一つつくと足に力を溜め、さらにそれを解放する。大地を砕く音を後ろに聞きながら風を切るようにして駆け抜ける。
「む、街の方も意外と反応が早いようじゃの」
迫る門からは装備を整えた、と言っても弱そうな奴らが次々と姿を見せては武器を構え街へと迫る百足イノシシを迎え撃とうとしているようじゃった。
「怯むことはねぇ!」
「そうだこちらは街の奴ら全員で相手をすりゃいいんだ!」
うむ、確かに正論じゃな。じゃがそれは、
「全員集まってればの話じゃよなぁ」
『ぶもっふるぶもっふるぅぅぅ!』
まだ集まり切っておらず、さらには隊列も組めていない奴等に気づいた百足イノシシがさらに雄叫びを上げ、まるで人に惹きつけられるかのように速度を上げよった。
『うわぁぁぁぁぁ!』
激突。額についておる角のような物を振り回し、容易く人々を吹き飛ばしていきながら門の前を駆け抜けていきよる。なんという力なんじゃ。角に引っ掛けられた奴等は軽々と空を舞い、しばらくして潰れるような音を上げながら地面に隊列も叩きつけらる身動きが取れなくなっておる。
やはり我の目に狂いはなかった! あやつらは弱い!
『ぶもっふるぶもっふるぅぅぅ!』
まるで遊ぶかのようにしていたぶり、楽しげな声を上げよる。そんな百足イノシシが方向を変え、門の中へ進もうとし始めとるようじゃがな。
「残念、少しばかり遅かったのう」
すでにあと一息という距離まで詰めていた我が大地をさらに蹴り砕き跳躍。そして体をねじるように回転さし、ゆっくりと向きを変えようとしている百足イノシシの胴体に向け、
「必殺! ヨルムンドゥゥルップキィィィィック!」
両足を揃え、百足イノシシの土手っ腹に向かい、勢いを殺さぬまま肉に埋もれるようになりながらも足から突撃をかましてやる。
『ぶまぁ⁉︎』
突然の衝撃に驚いたのか変な声を上げる百足イノシシじゃが我が力を緩めることはない。
かなりの速度からの跳躍。その勢いで叩きつけられた蹴りを受け、百足イノシシの足が地面から離れ、すさまじい速度で空を飛ぶ。
『ぶもぉぉ!』
「なかなかにタフじゃのう」
胴体に我の蹴りがめり込んだまま空を飛ぶ百足イノシシに賞賛の声を上げるが次に百足イノシシの体から伝わる衝撃、破砕音を耳にした我は無理やり足を引き抜くとすぐに後ろへと飛ぶ。
肉から解放され、よくよく見て見ると我が先ほどヨルムンドゥゥルップキィィィィックを食らわした百足イノシシは蹴りの衝撃で街の城壁まで吹き飛び、そのまま叩きつけられ、城壁を破壊、そのまま落下したようじゃな。
落下の衝撃を受けた際に大量の血を吐き出したようで今はもう虫の息じゃが。
「よっと」
空中で何回か回転をし態勢をきっちりと整えた上で着地。くしくもそこは門の前であり、我の目の前には三頭の百足イノシシが突然現れた我を警戒するように見てきておる。
「お主ら、我の晩御飯決定な」
目の前のご馳走を前に我は胸の前で両の手を合わせ舌舐めずりをするとそう宣言してやったのじゃった。
ブリューフルを放り投げはしたわけじゃが彼奴は天使ビームとやらはしばらくは撃てんとか言っておったわけじゃし戦う術もなさそうじゃ。
腕を組みそんなことを考えていると僅かに大地が揺れる。門の方を見るとブリューフルが街を取り囲む城壁の一部に深々と突き刺さっているようじゃ。
「うーむ、狙いが逸れたか」
ま、適当に投げたからあたりまえなんじゃがな。うまいこと空中でなんとかしてほしかったがそう簡単にはいかなかったんじゃろう。
だがブリューフルがモンスターどもより先に門に突き刺さり轟音を鳴らしたことは無意味ではなかったようじゃ。
なぜならブリューフルが突き刺さった音に慌てたように出てきた兵士が街に迫るモンスターの群れを発見し、次々に何か指示を出し始めているわけじゃし。
「じゃが、なんというか貧弱そうじゃのう」
門から迎撃? のために出てきた奴らはどうも武装が弱っちそうじゃ。いや、我も別にどれが強い、弱いというのがわかるわけではないんじゃがな。なんというか見た目? もしくは感覚的なものでそう思うわけなんじゃがな。
「百足イノシシのほうが明らかに門に到着するのが速そうじゃな」
爆音を響かせながら疾走を続けておる百足イノシシの速さはかなりのものじゃ。我でも一瞬で追いつくことは困難じゃろうな。仕方ない、
「我も行くしかあるまいか」
先の百足イノシシはブリューフルが消しとばしよったからのぅ。ここで獲物が全くなかった場合、最悪晩御飯が野菜だけという可能性が浮上しておるわけじゃからな。そうなるとべじたりあんとかいう野菜しか食べれない体になってしまうとクマの酒場にいる男が言っておったし、この場は全力でやるしかあるまいて。
深々とため息を一つつくと足に力を溜め、さらにそれを解放する。大地を砕く音を後ろに聞きながら風を切るようにして駆け抜ける。
「む、街の方も意外と反応が早いようじゃの」
迫る門からは装備を整えた、と言っても弱そうな奴らが次々と姿を見せては武器を構え街へと迫る百足イノシシを迎え撃とうとしているようじゃった。
「怯むことはねぇ!」
「そうだこちらは街の奴ら全員で相手をすりゃいいんだ!」
うむ、確かに正論じゃな。じゃがそれは、
「全員集まってればの話じゃよなぁ」
『ぶもっふるぶもっふるぅぅぅ!』
まだ集まり切っておらず、さらには隊列も組めていない奴等に気づいた百足イノシシがさらに雄叫びを上げ、まるで人に惹きつけられるかのように速度を上げよった。
『うわぁぁぁぁぁ!』
激突。額についておる角のような物を振り回し、容易く人々を吹き飛ばしていきながら門の前を駆け抜けていきよる。なんという力なんじゃ。角に引っ掛けられた奴等は軽々と空を舞い、しばらくして潰れるような音を上げながら地面に隊列も叩きつけらる身動きが取れなくなっておる。
やはり我の目に狂いはなかった! あやつらは弱い!
『ぶもっふるぶもっふるぅぅぅ!』
まるで遊ぶかのようにしていたぶり、楽しげな声を上げよる。そんな百足イノシシが方向を変え、門の中へ進もうとし始めとるようじゃがな。
「残念、少しばかり遅かったのう」
すでにあと一息という距離まで詰めていた我が大地をさらに蹴り砕き跳躍。そして体をねじるように回転さし、ゆっくりと向きを変えようとしている百足イノシシの胴体に向け、
「必殺! ヨルムンドゥゥルップキィィィィック!」
両足を揃え、百足イノシシの土手っ腹に向かい、勢いを殺さぬまま肉に埋もれるようになりながらも足から突撃をかましてやる。
『ぶまぁ⁉︎』
突然の衝撃に驚いたのか変な声を上げる百足イノシシじゃが我が力を緩めることはない。
かなりの速度からの跳躍。その勢いで叩きつけられた蹴りを受け、百足イノシシの足が地面から離れ、すさまじい速度で空を飛ぶ。
『ぶもぉぉ!』
「なかなかにタフじゃのう」
胴体に我の蹴りがめり込んだまま空を飛ぶ百足イノシシに賞賛の声を上げるが次に百足イノシシの体から伝わる衝撃、破砕音を耳にした我は無理やり足を引き抜くとすぐに後ろへと飛ぶ。
肉から解放され、よくよく見て見ると我が先ほどヨルムンドゥゥルップキィィィィックを食らわした百足イノシシは蹴りの衝撃で街の城壁まで吹き飛び、そのまま叩きつけられ、城壁を破壊、そのまま落下したようじゃな。
落下の衝撃を受けた際に大量の血を吐き出したようで今はもう虫の息じゃが。
「よっと」
空中で何回か回転をし態勢をきっちりと整えた上で着地。くしくもそこは門の前であり、我の目の前には三頭の百足イノシシが突然現れた我を警戒するように見てきておる。
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