雑食無双ヨルムン
ヨルムン、星を増やす
「誰じゃったかのぅ?」
背後から声をかけられたために振り返りながら尋ねる。
確かに聞いたことのある声なんじゃがなんと言うかこう…… あんまりにも昔すぎてよく思い出せんのじゃよな。
人型になってから体験した歯の間に食べ物が挟まったような感触。今まさにそれを味わっておるわけなんじゃが。あ、実際に挟まっとるじゃないか。
「いやいやいやいや! 親友を忘れる⁉︎ 普通!」
「親友?」
眉をひそめながら振り返り視線を向けた先には我と同じくらいの小柄な背丈をした金の髪の少年が立っていた。うむ、我がみても美少年と思うあたり我と並べばより我の美しさが引き立てられるんじゃないんじゃろうか?
しかし、此奴は……
「おぉ、お主は…… どちらさまで?」
思い出そうと少し頑張ってみたんじゃが全くそのかいはなく我の頭は思い出さなかった。
「僕だよ! 君の親友のサリハルだよ!」
「サリハル? 嘘つくでない」
サリハルがこんな子供なわけなかろう。なんせサリハルは我が唯一交神できた神なんじゃからな。我よりもずーと年上のはずじゃし。それに我が見たことあるサリハルの姿とは似ても似つかぬではないか。一緒なのは金の髪だけじゃしな。
「いやいやいや! 僕がサリハルだよ! 普通は神の名前を名乗るなんて不敬でしょ?」
「バカを言うでない。サリハルはこういってはなんだがブサイクじゃったぞ? 手の施しようがないくらいに。昔、天使たちが嘆いておったからの『あんなブサイクが上司とかマジでないわー』とな」
マジでの意味がよくわからんかったがその辺だけ妙に力を入れて話しておったのをよく覚えておるわ。
「ちゃ、ちゃうわ! あれは容姿にステ振りを間違えただけだし! 決して面倒だから適当にしたわけじゃないし!」
「なんでそんなに動揺しとるんじゃ?」
うーむ、話しているこのバカな感じ。確かにサリハルぽい感じがするんじゃがな。どうも違和感を感じ……
「あ、なるほどのぅ」
「なに勝手に納得してんふぎゃあ⁉︎」
我はぽんと手を叩くとサリハルの名を語る者へと無造作に一歩前に踏み出し、訝しむサリハルもどきの顔面に向け躊躇なく拳を放つ。防御位はするかと思っていたが全くの無防備な状態で立っていたサリハル(笑)の顔面になんの抵抗もなく突き刺さり、サリハルかもしれない者を吹き飛ばした。
暫く転がり続けたサリハルらしき人物じゃったがやがて大きな音を立て壁にぶつかると止まったようじゃが、周りの者が何事かといった目で音を鳴らしたサリハルぽい人へと集まっとる。
我はというと振るった自分の拳へと視線を向け、目を見開いておった。
「すごいめり込んだような感触じゃったんじゃが……」
まるで人を殴ったかのような感触じゃった。
サリハルは腐っても神じゃ。
あやつには我の力任せにした攻撃は一切あたらんかったし何より効かんかったはずじゃしな。しかし、頭を吹き飛ばすつもりで放ったはずなんじゃが顔が沈んだだけじゃし。無駄に防御力はあるようじゃが……
「やっぱり偽物じゃろ! 貴様」
壁にぶつかり全く動かないサリハル(仮)を指差しながら言い放ってやるがぴくりとも反応せんし、やっぱり偽物じゃし死んだんじゃろうか?
「んーんんんー!」
少しばかりがっかりした我であったが次に瞳に映った光景を見て間抜けにも口を開けて見入ってしもうた。
我の目線の先にいるのは顔が完全に陥没している元サリハルもどきが体を震わしながら立ちがあってきおった。さらには人差し指を立て、我に見えるように左右に振ってきおる。これは我をバカにしておるのか?
しかも、見ていると徐々に陥没した顔が元に戻りつつあるようじゃし。
「ふむ」
気持ち悪いが再生しておる多分サリハルへと我は歩みを進める。周りの奴らはというと元に戻りつつあるサリハルを見ると悲鳴を上げながらにげだしておる。
まあ、普通の反応である。こうやって目の前で見ておる我も気持ち悪いからのぅ。
「ぷはぁ! どう⁉︎ この超再生能力、これこそが僕が神サリハルという証!」
うむ、なんかむかつくのう。
こいつが仮にサリハルであるのかもしれんがこいつの今の美少年の顔で浮かべられる笑みはなんかこう殴りたいほどに腹がたつ。いや、なぐるしかあるまい?
「よし、とりあえず死んどけ」
間近まで近づいたにも関わらず人をバカにしたような笑みを浮かべているサリハルへ宣言すると我は無造作に拳を未だににやけた笑みを浮かべているサリハルへとイラつきを晴らすようにしてアッパー気味に叩きつけてやった。
「パグラァァア⁉︎」
再びサリハルの心地よい悲鳴が響き渡り、そして彼は星になったのじゃった。
背後から声をかけられたために振り返りながら尋ねる。
確かに聞いたことのある声なんじゃがなんと言うかこう…… あんまりにも昔すぎてよく思い出せんのじゃよな。
人型になってから体験した歯の間に食べ物が挟まったような感触。今まさにそれを味わっておるわけなんじゃが。あ、実際に挟まっとるじゃないか。
「いやいやいやいや! 親友を忘れる⁉︎ 普通!」
「親友?」
眉をひそめながら振り返り視線を向けた先には我と同じくらいの小柄な背丈をした金の髪の少年が立っていた。うむ、我がみても美少年と思うあたり我と並べばより我の美しさが引き立てられるんじゃないんじゃろうか?
しかし、此奴は……
「おぉ、お主は…… どちらさまで?」
思い出そうと少し頑張ってみたんじゃが全くそのかいはなく我の頭は思い出さなかった。
「僕だよ! 君の親友のサリハルだよ!」
「サリハル? 嘘つくでない」
サリハルがこんな子供なわけなかろう。なんせサリハルは我が唯一交神できた神なんじゃからな。我よりもずーと年上のはずじゃし。それに我が見たことあるサリハルの姿とは似ても似つかぬではないか。一緒なのは金の髪だけじゃしな。
「いやいやいや! 僕がサリハルだよ! 普通は神の名前を名乗るなんて不敬でしょ?」
「バカを言うでない。サリハルはこういってはなんだがブサイクじゃったぞ? 手の施しようがないくらいに。昔、天使たちが嘆いておったからの『あんなブサイクが上司とかマジでないわー』とな」
マジでの意味がよくわからんかったがその辺だけ妙に力を入れて話しておったのをよく覚えておるわ。
「ちゃ、ちゃうわ! あれは容姿にステ振りを間違えただけだし! 決して面倒だから適当にしたわけじゃないし!」
「なんでそんなに動揺しとるんじゃ?」
うーむ、話しているこのバカな感じ。確かにサリハルぽい感じがするんじゃがな。どうも違和感を感じ……
「あ、なるほどのぅ」
「なに勝手に納得してんふぎゃあ⁉︎」
我はぽんと手を叩くとサリハルの名を語る者へと無造作に一歩前に踏み出し、訝しむサリハルもどきの顔面に向け躊躇なく拳を放つ。防御位はするかと思っていたが全くの無防備な状態で立っていたサリハル(笑)の顔面になんの抵抗もなく突き刺さり、サリハルかもしれない者を吹き飛ばした。
暫く転がり続けたサリハルらしき人物じゃったがやがて大きな音を立て壁にぶつかると止まったようじゃが、周りの者が何事かといった目で音を鳴らしたサリハルぽい人へと集まっとる。
我はというと振るった自分の拳へと視線を向け、目を見開いておった。
「すごいめり込んだような感触じゃったんじゃが……」
まるで人を殴ったかのような感触じゃった。
サリハルは腐っても神じゃ。
あやつには我の力任せにした攻撃は一切あたらんかったし何より効かんかったはずじゃしな。しかし、頭を吹き飛ばすつもりで放ったはずなんじゃが顔が沈んだだけじゃし。無駄に防御力はあるようじゃが……
「やっぱり偽物じゃろ! 貴様」
壁にぶつかり全く動かないサリハル(仮)を指差しながら言い放ってやるがぴくりとも反応せんし、やっぱり偽物じゃし死んだんじゃろうか?
「んーんんんー!」
少しばかりがっかりした我であったが次に瞳に映った光景を見て間抜けにも口を開けて見入ってしもうた。
我の目線の先にいるのは顔が完全に陥没している元サリハルもどきが体を震わしながら立ちがあってきおった。さらには人差し指を立て、我に見えるように左右に振ってきおる。これは我をバカにしておるのか?
しかも、見ていると徐々に陥没した顔が元に戻りつつあるようじゃし。
「ふむ」
気持ち悪いが再生しておる多分サリハルへと我は歩みを進める。周りの奴らはというと元に戻りつつあるサリハルを見ると悲鳴を上げながらにげだしておる。
まあ、普通の反応である。こうやって目の前で見ておる我も気持ち悪いからのぅ。
「ぷはぁ! どう⁉︎ この超再生能力、これこそが僕が神サリハルという証!」
うむ、なんかむかつくのう。
こいつが仮にサリハルであるのかもしれんがこいつの今の美少年の顔で浮かべられる笑みはなんかこう殴りたいほどに腹がたつ。いや、なぐるしかあるまい?
「よし、とりあえず死んどけ」
間近まで近づいたにも関わらず人をバカにしたような笑みを浮かべているサリハルへ宣言すると我は無造作に拳を未だににやけた笑みを浮かべているサリハルへとイラつきを晴らすようにしてアッパー気味に叩きつけてやった。
「パグラァァア⁉︎」
再びサリハルの心地よい悲鳴が響き渡り、そして彼は星になったのじゃった。
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