雑食無双ヨルムン
ヨルムン、成長する!
さて、夜が明けたら状況が改善されているなんてことはないわけで。
今日も我はしかたなしに海を眺めているわけなんじゃがの。
ぎゅるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
何もしなくても腹の音が鳴ると言うのは人の体の不便なところと思うわけで。
ま、どうしようもないわけなんじゃがの!
「ふんがぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあ! 納得できるかぁぁぁぁぁぁっぁ!」
どうしようもないと言ってあきらめる気はない我は空腹を紛らわせるために先日被りついた木に再び突撃をかます。
全力で噛み付いたにもかかわらず木には歯型が少しついただけでわずかに木の皮が剥がれただけだった。
「うぅぅ、ひもじいのぅ」
とりあえずは剥がれた分は口の中で咀嚼するとしたんじゃが、苦い。もうこれなにこれ? といわんばかりに苦い。というかまずい。これは食い物とは呼べんもんじゃ。まぁ、くいものではないんであるが。
「はぁ、腹が減ったのぅ」
ぎゅるぅぅぅぅぅぅぅぅ
我の声に同意するように腹なの音が返事をしおるし、どうしたもんか。仕方なしに口の中の皮は咀嚼し続けておるわけなんじゃ。
「はぁ」
『未知の味を取得しました。経験値を30入手しました。ヨルムンのレベルが2に上がりました』
ん? なんじゃ? 頭になんか声が響いたんじゃが。
気のせいかの。
そう判断すると咀嚼していた木の皮を口から吐き出し、まだ鳴るお腹をさすると木の横に生えている草が目に入った。
毒草、ではないと信じたいんじゃがのう。
餓えには敵わずにとりあえず一つまみ分だけむしると口に放り込んで見る。しばらく口の中で味わってみるが別に美味しくもなければ不味いわけでもないのう。
というか味がない。
「味がないというのは悲しいものなんじゃなぁ」
丸呑みしていた過去の我ならば味なんぞ全く感じなかったであろうが今の食べ物を選ぶ体になってからは味の意味が良くわかるというものじゃ。
『未知の味を取得しました。経験値を20入手しました。ヨルムンのレベルが3に上がりました』
「聞き間違えじゃない⁉︎」
今度ははっきりと聞こえた声にさすがの我も気づく。なんなんじゃこの声。というか未知の味ってただの草なんじゃが……
「しかし先の声の言う通りならばれべるとやらが上がったようじゃな」
心なしか先ほどより体に力が漲っておるような感じがするのぅ。
パッと見た感じは細い腕であるし太くなったわけでもないんじゃが。
「ふむ、ステータスオープン」
なんとなくこの違和感の正体がわかるかと思い、自分のスキルを確認することにしてみた。
ステータス
ヨルムン
レベル3
所持スキル
・銅の胃袋
・そこそこ強い歯
・そこそこ大きく開く口
・交神(着信不可)
ん? れべるとやらが上がっとる。あと交神がよくわからん表示になっとるんじゃが。
もしかしてれべるが上がれば我の力は元に戻るんじゃないんじゃろうか?
となると未知の味というのが問題になってくるわけなんじゃが。さっきは草を食べたら声が聞こえたわけじゃよな。その前は木の皮じゃったし。
このことから何かを食べたられべるとやらが上がるんじゃなかろうか? しかし、海の水を飲んでもれべるは上がらなかったしのぅ。なんらかの条件があるのかもしれん。
「よし!」
決心すると再び近くに生えている草を引きちぎり口に放り込む。今度のはさっきの草とは違い苦い、凄まじく苦い。さっきのとは違う草を選んだから味が違うのは当たり前かもしれんが。
しかし、我の推測通りならばこれでけいけんちとやらがはいるはずじゃ!
『未知の味を取得しました。経験値を10入手しました』
キタァァァァァ!
やはり我の予想通り食べたことのないものを明確に『食べる』という意思を持って口に入れるとけいけんちとやらが加算されるしくみであったようじゃ。
少しだけ咀嚼して、すぐに吐き出す。とりあえず初めて見るものは片っ端から口に含んでいく。
『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』
よくわからん声がひたすらに我の頭の中に響き続ける。
なんじゃろこれ。うまくないんじゃがけいけんちだけで考えるとめちゃくちゃうまいんじゃが。あ、この草なんか甘いのぅ。
なにやらこの孤島、雑草だけはやたらたと豊富らしいからの。文字通りに我の血となり肉となってもらいけいけんちを手にいれるしかなさそうじゃな! ついでに苦くなくて口当たりのいいやつを探すとするかのぅ。
そう考えた我は口を大きく開けると生い茂る草を手当たりしだいに口の中に放り込んでいくのじゃった。
今日も我はしかたなしに海を眺めているわけなんじゃがの。
ぎゅるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
何もしなくても腹の音が鳴ると言うのは人の体の不便なところと思うわけで。
ま、どうしようもないわけなんじゃがの!
「ふんがぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあ! 納得できるかぁぁぁぁぁぁっぁ!」
どうしようもないと言ってあきらめる気はない我は空腹を紛らわせるために先日被りついた木に再び突撃をかます。
全力で噛み付いたにもかかわらず木には歯型が少しついただけでわずかに木の皮が剥がれただけだった。
「うぅぅ、ひもじいのぅ」
とりあえずは剥がれた分は口の中で咀嚼するとしたんじゃが、苦い。もうこれなにこれ? といわんばかりに苦い。というかまずい。これは食い物とは呼べんもんじゃ。まぁ、くいものではないんであるが。
「はぁ、腹が減ったのぅ」
ぎゅるぅぅぅぅぅぅぅぅ
我の声に同意するように腹なの音が返事をしおるし、どうしたもんか。仕方なしに口の中の皮は咀嚼し続けておるわけなんじゃ。
「はぁ」
『未知の味を取得しました。経験値を30入手しました。ヨルムンのレベルが2に上がりました』
ん? なんじゃ? 頭になんか声が響いたんじゃが。
気のせいかの。
そう判断すると咀嚼していた木の皮を口から吐き出し、まだ鳴るお腹をさすると木の横に生えている草が目に入った。
毒草、ではないと信じたいんじゃがのう。
餓えには敵わずにとりあえず一つまみ分だけむしると口に放り込んで見る。しばらく口の中で味わってみるが別に美味しくもなければ不味いわけでもないのう。
というか味がない。
「味がないというのは悲しいものなんじゃなぁ」
丸呑みしていた過去の我ならば味なんぞ全く感じなかったであろうが今の食べ物を選ぶ体になってからは味の意味が良くわかるというものじゃ。
『未知の味を取得しました。経験値を20入手しました。ヨルムンのレベルが3に上がりました』
「聞き間違えじゃない⁉︎」
今度ははっきりと聞こえた声にさすがの我も気づく。なんなんじゃこの声。というか未知の味ってただの草なんじゃが……
「しかし先の声の言う通りならばれべるとやらが上がったようじゃな」
心なしか先ほどより体に力が漲っておるような感じがするのぅ。
パッと見た感じは細い腕であるし太くなったわけでもないんじゃが。
「ふむ、ステータスオープン」
なんとなくこの違和感の正体がわかるかと思い、自分のスキルを確認することにしてみた。
ステータス
ヨルムン
レベル3
所持スキル
・銅の胃袋
・そこそこ強い歯
・そこそこ大きく開く口
・交神(着信不可)
ん? れべるとやらが上がっとる。あと交神がよくわからん表示になっとるんじゃが。
もしかしてれべるが上がれば我の力は元に戻るんじゃないんじゃろうか?
となると未知の味というのが問題になってくるわけなんじゃが。さっきは草を食べたら声が聞こえたわけじゃよな。その前は木の皮じゃったし。
このことから何かを食べたられべるとやらが上がるんじゃなかろうか? しかし、海の水を飲んでもれべるは上がらなかったしのぅ。なんらかの条件があるのかもしれん。
「よし!」
決心すると再び近くに生えている草を引きちぎり口に放り込む。今度のはさっきの草とは違い苦い、凄まじく苦い。さっきのとは違う草を選んだから味が違うのは当たり前かもしれんが。
しかし、我の推測通りならばこれでけいけんちとやらがはいるはずじゃ!
『未知の味を取得しました。経験値を10入手しました』
キタァァァァァ!
やはり我の予想通り食べたことのないものを明確に『食べる』という意思を持って口に入れるとけいけんちとやらが加算されるしくみであったようじゃ。
少しだけ咀嚼して、すぐに吐き出す。とりあえず初めて見るものは片っ端から口に含んでいく。
『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』
よくわからん声がひたすらに我の頭の中に響き続ける。
なんじゃろこれ。うまくないんじゃがけいけんちだけで考えるとめちゃくちゃうまいんじゃが。あ、この草なんか甘いのぅ。
なにやらこの孤島、雑草だけはやたらたと豊富らしいからの。文字通りに我の血となり肉となってもらいけいけんちを手にいれるしかなさそうじゃな! ついでに苦くなくて口当たりのいいやつを探すとするかのぅ。
そう考えた我は口を大きく開けると生い茂る草を手当たりしだいに口の中に放り込んでいくのじゃった。
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