メイドと武器商人
メイドとお茶目さん
「また寝ているのですか……」
どこでも寝れるとかそういう特技を持っているのでしょうか? フィルが言った昼寝マイスターなるものの話も本当かもしれません。
「なにぶつぷつ言ってやがる! 動くなと言ってるだろが!」
「言われなくても動いてないじゃないですか。それにしてもこんなか弱そうなメイド一人にえらく警戒してますね」
「ただのメイドが近衛魔導をあっさりと潰せるか!」
近衛? この周りの痛みですすり泣いている輩が王を守る最強の盾である近衛魔導兵だというのですか?
「盗賊か傭兵の間違いでしょう? この程度が近衛であるのならばこの国に未来はありませんよ?」
国を守るという意味では0点に近いものですね。いやそもそもの話、近衛兵が一般人を襲ってはいけませんよね。
「それでその近衛魔導兵(仮)がご主人様になんの用です?」
まさか本当に金目の物を狙ってきたと考えるほど私は浅はかではありません。もしかしたら美人メイドである私に一目惚れして狙ってきたということも考えられますがそれはかなり低い可能性でしょう。
「命令でやったたけだ! これ以上手出しはしない! だからそっちも手出しをするな!」
「それは人質を取る前に言わなければ信憑性がありませんよ?」
人質を取っている段階ですでに向こう側はどう見ても悪人なわけですからね。
それにもう面倒に巻き込まれてるわけですし悪人に容赦する必要はありませんよね? いや、あるわけがありません。
そう判断した私は棒立ちでいるのを止めるとナイフを突きつけている男の方へとゆっくりと距離を詰めていきます。
「く、くるな! 人質がいるんだぞ⁉︎」
怯えながら後ろへと後ずさり、ナイフを老執事の首筋にさらに押し付けるように男がしますが私は歩行速度を緩めたりはしません。
そんな距離を詰めてくるわたしを見て自称近衛魔導兵の男の顔色が徐々に悪くなっていきます。
「生憎ですがその人は知らない人ですので死んだところで私には然程、益もなければ害もありませんので」
途中、他の連中が落とした杖を拾い上げると付いているご立派な宝珠の部分を指を揃え手刀を作るとそれで叩き切り鋭く尖った棒へと変えます。
「それといい加減にやめたらどうですか? その下手な芝居。見ていてもさほど面白くありませんよ?」
「な、なにを言ってやがるんだ?」
素振りをしながら近づいていきますがまだボロを出しませんね。
「まだ芝居を続けるつもりならば見物料はあなたの命で支払って貰いますよ」
「だからなにを言ってるんだヨォォォォ⁉︎」
もうあと数歩で棒切れを突き刺せるという距離になった瞬間、私は本気で踏み込みます。先程まで緩やかに歩いていたのとは雲泥の差と分かるほどの衝撃波を伴うような速度で踏み込んだ私はそのまま先端が尖っただけの棒切れで刺突を繰り出します。
そう、人質を取っている側ではなく人質にされている側の頭に向かって。
「ぬぁぁぁぁぁ!」
今まで閉じていたとは思えないほどに眼を見開いた老執事が奇声を上げながらその年齢に見合わないほどの力で拘束していた男の手を跳ね上げると恐ろしいまでの俊敏さを発揮し、紙一重で私の刺突を身を投げるようにしてダイブしながら躱していきます。
やはり寝たふりをしてましたね!
そして躱された私の刺突は当然老執事を人質にとっていた男へと迫り肩に接触。色々と削り取るような感触を手に感じていると後から付いてきた衝撃波も一緒にまともに食らったようで後ろへと残像が残るような速度で回転しながら悲鳴をあげる間も無く飛んでいきました。おそらく彼にはなにが起こったかも理解できてないかことでしょう。
「ようやく化けの皮が剥がれましたか」
唯の棒では耐えれないほどの負荷を課せられた棒は一瞬にして風化していきます。
「全くなんなんだね! 最近の若いもんは!ちょっとしたお茶目も許容できんというのか」
仕留め損なった獲物である老執事がダイブして汚れた服を叩きながら文句を言ってきます。
「ご主人様に害を成そうものならばなんであれ潰します」
スカートを軽くたくし上げスカートの中に手を入れ、そこから分厚い刃のナイフを取り出し構えます。
「ふ、やめておくがいい。ワシと貴様が戦えば死人が出るぞ」
そんな私の構える武器を見て嘲笑いかのように老執事が皺を歪ませながら笑います。
ふむ。ということはなかなかの力量で? 確かにあの身のこなしから考えて私と戦えば私が守るゴーレム馬車はともかく周りに死傷者が出るかもしれませんね。
「ワシがな」
「あなたが死ぬ方ですか!」
自信満々で親指で自分を指す老執事に思わずツッコミを入れてしまいました。
どこでも寝れるとかそういう特技を持っているのでしょうか? フィルが言った昼寝マイスターなるものの話も本当かもしれません。
「なにぶつぷつ言ってやがる! 動くなと言ってるだろが!」
「言われなくても動いてないじゃないですか。それにしてもこんなか弱そうなメイド一人にえらく警戒してますね」
「ただのメイドが近衛魔導をあっさりと潰せるか!」
近衛? この周りの痛みですすり泣いている輩が王を守る最強の盾である近衛魔導兵だというのですか?
「盗賊か傭兵の間違いでしょう? この程度が近衛であるのならばこの国に未来はありませんよ?」
国を守るという意味では0点に近いものですね。いやそもそもの話、近衛兵が一般人を襲ってはいけませんよね。
「それでその近衛魔導兵(仮)がご主人様になんの用です?」
まさか本当に金目の物を狙ってきたと考えるほど私は浅はかではありません。もしかしたら美人メイドである私に一目惚れして狙ってきたということも考えられますがそれはかなり低い可能性でしょう。
「命令でやったたけだ! これ以上手出しはしない! だからそっちも手出しをするな!」
「それは人質を取る前に言わなければ信憑性がありませんよ?」
人質を取っている段階ですでに向こう側はどう見ても悪人なわけですからね。
それにもう面倒に巻き込まれてるわけですし悪人に容赦する必要はありませんよね? いや、あるわけがありません。
そう判断した私は棒立ちでいるのを止めるとナイフを突きつけている男の方へとゆっくりと距離を詰めていきます。
「く、くるな! 人質がいるんだぞ⁉︎」
怯えながら後ろへと後ずさり、ナイフを老執事の首筋にさらに押し付けるように男がしますが私は歩行速度を緩めたりはしません。
そんな距離を詰めてくるわたしを見て自称近衛魔導兵の男の顔色が徐々に悪くなっていきます。
「生憎ですがその人は知らない人ですので死んだところで私には然程、益もなければ害もありませんので」
途中、他の連中が落とした杖を拾い上げると付いているご立派な宝珠の部分を指を揃え手刀を作るとそれで叩き切り鋭く尖った棒へと変えます。
「それといい加減にやめたらどうですか? その下手な芝居。見ていてもさほど面白くありませんよ?」
「な、なにを言ってやがるんだ?」
素振りをしながら近づいていきますがまだボロを出しませんね。
「まだ芝居を続けるつもりならば見物料はあなたの命で支払って貰いますよ」
「だからなにを言ってるんだヨォォォォ⁉︎」
もうあと数歩で棒切れを突き刺せるという距離になった瞬間、私は本気で踏み込みます。先程まで緩やかに歩いていたのとは雲泥の差と分かるほどの衝撃波を伴うような速度で踏み込んだ私はそのまま先端が尖っただけの棒切れで刺突を繰り出します。
そう、人質を取っている側ではなく人質にされている側の頭に向かって。
「ぬぁぁぁぁぁ!」
今まで閉じていたとは思えないほどに眼を見開いた老執事が奇声を上げながらその年齢に見合わないほどの力で拘束していた男の手を跳ね上げると恐ろしいまでの俊敏さを発揮し、紙一重で私の刺突を身を投げるようにしてダイブしながら躱していきます。
やはり寝たふりをしてましたね!
そして躱された私の刺突は当然老執事を人質にとっていた男へと迫り肩に接触。色々と削り取るような感触を手に感じていると後から付いてきた衝撃波も一緒にまともに食らったようで後ろへと残像が残るような速度で回転しながら悲鳴をあげる間も無く飛んでいきました。おそらく彼にはなにが起こったかも理解できてないかことでしょう。
「ようやく化けの皮が剥がれましたか」
唯の棒では耐えれないほどの負荷を課せられた棒は一瞬にして風化していきます。
「全くなんなんだね! 最近の若いもんは!ちょっとしたお茶目も許容できんというのか」
仕留め損なった獲物である老執事がダイブして汚れた服を叩きながら文句を言ってきます。
「ご主人様に害を成そうものならばなんであれ潰します」
スカートを軽くたくし上げスカートの中に手を入れ、そこから分厚い刃のナイフを取り出し構えます。
「ふ、やめておくがいい。ワシと貴様が戦えば死人が出るぞ」
そんな私の構える武器を見て嘲笑いかのように老執事が皺を歪ませながら笑います。
ふむ。ということはなかなかの力量で? 確かにあの身のこなしから考えて私と戦えば私が守るゴーレム馬車はともかく周りに死傷者が出るかもしれませんね。
「ワシがな」
「あなたが死ぬ方ですか!」
自信満々で親指で自分を指す老執事に思わずツッコミを入れてしまいました。
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