メイドと武器商人
メイドとメイドのお仕事4
私がアオイを性格が悪いと評した理由。
それはアオイの攻撃の避け方にあります。
ゴブリンもどきの攻撃は趣味の悪いスーツを着ているわりには異常に速い大剣の斬撃が放たれます。しかし、それをアオイは恐らくはゴブリンもどきの見える速度を持ってギリギリで躱しているのです。
そしてギリギリというのは非常に厄介です。
なぜならギリギリ躱すというのはギリギリ当たるかもしれないという可能性を残すわけですからね。
現に動きを見切っているからでしょう。アオイの奴はギリギリで剣筋から逃れているようですし。
大剣が生じさす衝撃波すら計算に入れる回避などは私は面倒ですしやりたくはありませんね。
「なぜ当たらん!」
「それに気づかないのはまたゴブリンもどきだからでしょうか?」
単純にアオイに遊ばれているということに気づかないゴブリンもどきの声に思わずツッコミを入れてしまいました。
あのゴブリンもどきさんは一体どこで会ったのでしょうか?
ご主人様の仕事の関係上恨まれるのは日常茶飯事なわけなんですがあんな奇抜というか趣味の悪そうな金色のスーツをきた輩というのはそうそう忘れな……
「あ……」
そういえばご主人様と共に闇ギルドの会合へと乗り込んだ時に趣味の悪い金ピカスーツのきた害虫が一人いましたね。
確か名前は…… 名前は……
「んー、わかりませんね。確か武闘派のジャ、ジャルビン?」
「ジャルダンだ!」
遊びとはいえかなりの速度をだしているアオイの攻撃を捌きながらよく私の声が聞こえましたね。いや、それよりもですね。
「よく生きてましたね?」
割と手加減なしで蹴りを頭に叩き込んだ気がしたんですが顔が化け物みたいになっただけで割とピンピンしてますし、無駄に丈夫です。
「俺は強いんだよ!」
「…… そうですか」
強かったらアオイにそこまで圧倒されないでしょうに。いや、本当に気づいていないんでしょうか? 気づいていてわからないフリをしている可能性も……
「あがぁぁぁぁぁ! なんであたらねぇぇぇぇ!」
あ、絶対にこれは気づいてないですね。
アオイにむけて繰り出す大剣を何度も空振りですし、絶叫するジャルダンを見て確信します。こいつはかなりのバカです。
「アオイ、遊ぶのはそろそろ終わりにしなさい」
「ええ?」
不満げな声を上げ、こちらを見てくるアオイですが私が睨み付けると了承するように肩を竦めてきます。
「俺との喧嘩の最中によそ見してんじゃねぇぇぇ!」
私に意識が向けられ隙? が生じたアオイに対してジャルダンの奴は大剣を振り下ろします。
「シ、シマッター」
明らかに棒読みとわかるような発語でアオイの奴は叫び、さらに誰が見てもわかるような不自然さで姿勢を崩し、また演技とわかるような不自然さで両手の刀を上へと向かい放り投げます。
どう見ても罠とわかるようなこんな行動に引っかかるような奴はいるはずがありません。
「もらったぁぁぁぁ!」
「えぇ」
いましたよ。
明らかに罠だとわかってない奴が……
どう見ても罠だというのにジャルダンは力一杯に大剣をニヤニヤと笑うアオイへと振り下ろしていきます。
「バカな奴」
笑みを浮かべたまま大剣を振り下ろしてくるジャルダンに向かいバカにするような笑いかけたアオイの奴はメイド服が汚れるのも構わずに横へと回転。大剣は目標を外し轟音を上げながら床を砕き瓦礫を作り上げます。スカートを翻しながら転がったアオイがジャルダンの方へ視線を向けると拳を作り、何かを引っ張るような素振りを見せます。握りしめた手を凝視してみると何やら輝いていますがなにかまではさすがにわかりません。
「ちょこまかと動く!」
まだ実力差に気づいていない様子のジャルダンには呆れの感情しか浮かんできませんね。次は殺せると思っているのがジャルダンの身体全体から伝わってきます。
「これで終わりだ!」
起き上がる気がないかのようにしていたアオイですがそんなことはあり得ません。必ず何かを仕掛けているのでしょう。
再び大剣を振りかぶったジャルダンでしたがそれを振り下ろす前に動きが止まり、さらには口から血を吐き出すと着ている趣味の悪い金のスーツも紅く染まっていきます。
「がふぅ! い、いったいなにが……」
私も同じような感想ですが血を流しながらよろめいているジャルダンの姿を見て納得しました。
ジャルダンの胸から二本の刃が生えていたんですから。
それはアオイの攻撃の避け方にあります。
ゴブリンもどきの攻撃は趣味の悪いスーツを着ているわりには異常に速い大剣の斬撃が放たれます。しかし、それをアオイは恐らくはゴブリンもどきの見える速度を持ってギリギリで躱しているのです。
そしてギリギリというのは非常に厄介です。
なぜならギリギリ躱すというのはギリギリ当たるかもしれないという可能性を残すわけですからね。
現に動きを見切っているからでしょう。アオイの奴はギリギリで剣筋から逃れているようですし。
大剣が生じさす衝撃波すら計算に入れる回避などは私は面倒ですしやりたくはありませんね。
「なぜ当たらん!」
「それに気づかないのはまたゴブリンもどきだからでしょうか?」
単純にアオイに遊ばれているということに気づかないゴブリンもどきの声に思わずツッコミを入れてしまいました。
あのゴブリンもどきさんは一体どこで会ったのでしょうか?
ご主人様の仕事の関係上恨まれるのは日常茶飯事なわけなんですがあんな奇抜というか趣味の悪そうな金色のスーツをきた輩というのはそうそう忘れな……
「あ……」
そういえばご主人様と共に闇ギルドの会合へと乗り込んだ時に趣味の悪い金ピカスーツのきた害虫が一人いましたね。
確か名前は…… 名前は……
「んー、わかりませんね。確か武闘派のジャ、ジャルビン?」
「ジャルダンだ!」
遊びとはいえかなりの速度をだしているアオイの攻撃を捌きながらよく私の声が聞こえましたね。いや、それよりもですね。
「よく生きてましたね?」
割と手加減なしで蹴りを頭に叩き込んだ気がしたんですが顔が化け物みたいになっただけで割とピンピンしてますし、無駄に丈夫です。
「俺は強いんだよ!」
「…… そうですか」
強かったらアオイにそこまで圧倒されないでしょうに。いや、本当に気づいていないんでしょうか? 気づいていてわからないフリをしている可能性も……
「あがぁぁぁぁぁ! なんであたらねぇぇぇぇ!」
あ、絶対にこれは気づいてないですね。
アオイにむけて繰り出す大剣を何度も空振りですし、絶叫するジャルダンを見て確信します。こいつはかなりのバカです。
「アオイ、遊ぶのはそろそろ終わりにしなさい」
「ええ?」
不満げな声を上げ、こちらを見てくるアオイですが私が睨み付けると了承するように肩を竦めてきます。
「俺との喧嘩の最中によそ見してんじゃねぇぇぇ!」
私に意識が向けられ隙? が生じたアオイに対してジャルダンの奴は大剣を振り下ろします。
「シ、シマッター」
明らかに棒読みとわかるような発語でアオイの奴は叫び、さらに誰が見てもわかるような不自然さで姿勢を崩し、また演技とわかるような不自然さで両手の刀を上へと向かい放り投げます。
どう見ても罠とわかるようなこんな行動に引っかかるような奴はいるはずがありません。
「もらったぁぁぁぁ!」
「えぇ」
いましたよ。
明らかに罠だとわかってない奴が……
どう見ても罠だというのにジャルダンは力一杯に大剣をニヤニヤと笑うアオイへと振り下ろしていきます。
「バカな奴」
笑みを浮かべたまま大剣を振り下ろしてくるジャルダンに向かいバカにするような笑いかけたアオイの奴はメイド服が汚れるのも構わずに横へと回転。大剣は目標を外し轟音を上げながら床を砕き瓦礫を作り上げます。スカートを翻しながら転がったアオイがジャルダンの方へ視線を向けると拳を作り、何かを引っ張るような素振りを見せます。握りしめた手を凝視してみると何やら輝いていますがなにかまではさすがにわかりません。
「ちょこまかと動く!」
まだ実力差に気づいていない様子のジャルダンには呆れの感情しか浮かんできませんね。次は殺せると思っているのがジャルダンの身体全体から伝わってきます。
「これで終わりだ!」
起き上がる気がないかのようにしていたアオイですがそんなことはあり得ません。必ず何かを仕掛けているのでしょう。
再び大剣を振りかぶったジャルダンでしたがそれを振り下ろす前に動きが止まり、さらには口から血を吐き出すと着ている趣味の悪い金のスーツも紅く染まっていきます。
「がふぅ! い、いったいなにが……」
私も同じような感想ですが血を流しながらよろめいているジャルダンの姿を見て納得しました。
ジャルダンの胸から二本の刃が生えていたんですから。
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