メイドと武器商人
メイドとメイドのお仕事3
「この野郎がぁぁぁ!」
「そんなこと言われましても……」
知らないものは知りませんしね。あと野郎じゃありません。
「そんな顔を隠した状態でわかるわけないじゃないですか。そこまでいうならば顔の包帯を取り顔を見せてください」
私が頭をひねりながらそう答えると部下に抑えられながらも暴れていた包帯男がピタリと動きを止めます。
「いいだろう…… 顔を見て貴様がやった所業を思い出すがいい」
「兄貴! ですがまだ傷が!」
「だまれぇぇぇぇ!」
なにやら制止しようとした部下を羽交い締めにされた状態でありながら器用に殴りつけた包帯男が叫びます。殴られた部下はというと鼻血を出しながら吹き飛ばされていました。
さらには羽交い締めにしていた部下をも後ろに倒れるようにして無理やり自由になるとゆっくりと立ち上がります。
完全に八つ当たりですよね、あれは。
「見るがいい! この俺の顔を!」
包帯男が顔中に巻かれている包帯へと手をかけるとそれを力付くで引きちぎるようにして外していきます。
そうして徐々に姿を現し見えてきた顔は至る所に青アザがあり頭も歪に変形しています。というか顔のパーツの置いてある位置が色々とおかしなことになっていますよ。
「どうだ! これで思い出しただろう!」
「うーん……」
正直な話、全くわかりません。
いえ、それ以前の疑問なのですが……
「リップス、あれゴブリンか? ゴブリンの知り合いがいるのか?」
あおいが今まで潜めていた声よりさらに小さな声で私に囁くように尋ねてきますがそんなわけありません。いや、そもそもの話、機械人形である私にゴブリンの知り合いがいるわけありませんよね?
「あなた人間ですよね? オーガやゴブリンとのハーフや亜種じゃなくて」
「どう見ても人間だろが!」
すっごく大きな声で怒鳴られました。
いや、どう見てもまともな人間ではありませんよ。いっそのこと魔物ですとか言われた方がまだ説得力があるくらいの醜さです。
「貴様にやられたこの顔を毎朝鏡で見るたびに憎悪がわきあがるんだよおぉぉ!」
「鏡を取ればいいんじゃないんですか?」
そうすれば見ないで済むでしょうに。
「これはなぁぁ! 俺の憎悪の証なんだよぉ!」
めんどくさい。
この方非常にめんどくさい方です。
「アオイ」
「あん?」
面倒になった私は背後のアオイへと声をかけます。
「あれ、切っていいですよ。真っ二つでもいいです」
「いいのかよ?」
案に殺してもいいのかと尋ねてくるあたり優しいですね。
「死体の一つくらい処理できます。他の奴らはまぁ、」
左右の手に持つ超連射砲の砲口を醜いゴブリンもどき以外へと向けます。
「私が動けなくするまでです」
「よく聞けクソメイドが! 俺様の名前は……」
ゴブリンもどきの声は超連射砲が放つ銃声でかき消されます。幾重にも纏められたバレルが高速で回転し、凄まじい轟音と光を放ちながら凶弾を吐き出し、武器を構える輩の足をぶち抜いていきます。
脚を撃ち抜かれ悲鳴を上げながら倒れていく黒服の皆さんの中をアオイが疾走。
メイド服をはためかせながら手の刀を振るい、ゴブリンもどきへと狂ったような笑みを浮かべながら嬉々として刃を繰り出します。
「疾っ!」
「なめるなよクソメイドが!」
アオイが繰り出したかなりの速さの一撃をゴブリンもどきは屈んで躱すと怪我をしていたはずの腕を伸ばしアオイの手を掴もうとしてきます。おそるべき反射神経。しかし、アオイは冷静に手首を捻るようにして刀を回転、掴もうとしていたゴブリンもどきの腕へと斬撃を放ちますが切断へは至りません。軽く食い込む程度です。
さすがはアオイというべきでしょうか。いえ、さすがはご主人様! アオイの才能をここまで読んでの雇用をしていたとは感服してしまいます。
私はというと未だに超連射砲を振る回し惜しみなく銃弾をばら撒いていきます。その成果もありすでに身動きが取れる輩はすでに目視できず、蹲り、悲鳴や嗚咽を上げる者たちだけになりました。
「アオイ、いつまで遊んでいるんですか」
手にしていた連射砲にビビが入り砕け散ったのを確認した私はまだ遊んでいるアオイへと声をかけます。
アオイはというとゴブリンもどきと幾度も交差し刃を交えているようです。ゴブリンもどきもいつの間にか馬鹿でかい大剣を手にしておりそれを棒切れを扱うかのようにして軽々と扱っています。
飛び、跳ね、回り、おおよそ刀を使う戦い方ではない動きをしながらゴブリンもどきに笑いながらアオイは楽しげに斬りつけていっています。
「ふふふふふ!」
致命傷を負わさないように浅く何度も斬りつけながら幾つもの傷をゴブリンもどきへと負わしていくわけなんですがどう考えても性格が悪い戦い方ですね。
狐の仮面をつけてないから表情が丸わかりです。あれはもしかしたら表情を隠すためのものだったのかもしれませんね。
「このメイドがぁぁぁぁ!」
至る所に傷を負ったゴブリンもどきが声を荒げ大剣を振り回しているわけですがアオイにはかすりすらしていません。というかアオイの奴もかなり性格の悪い避け方をしいますねぇ。
私は笑みを浮かべながら攻撃を躱し刃を繰り出し遊ぶアオイにため息をつき壁へともたれ掛かるのでした。
「そんなこと言われましても……」
知らないものは知りませんしね。あと野郎じゃありません。
「そんな顔を隠した状態でわかるわけないじゃないですか。そこまでいうならば顔の包帯を取り顔を見せてください」
私が頭をひねりながらそう答えると部下に抑えられながらも暴れていた包帯男がピタリと動きを止めます。
「いいだろう…… 顔を見て貴様がやった所業を思い出すがいい」
「兄貴! ですがまだ傷が!」
「だまれぇぇぇぇ!」
なにやら制止しようとした部下を羽交い締めにされた状態でありながら器用に殴りつけた包帯男が叫びます。殴られた部下はというと鼻血を出しながら吹き飛ばされていました。
さらには羽交い締めにしていた部下をも後ろに倒れるようにして無理やり自由になるとゆっくりと立ち上がります。
完全に八つ当たりですよね、あれは。
「見るがいい! この俺の顔を!」
包帯男が顔中に巻かれている包帯へと手をかけるとそれを力付くで引きちぎるようにして外していきます。
そうして徐々に姿を現し見えてきた顔は至る所に青アザがあり頭も歪に変形しています。というか顔のパーツの置いてある位置が色々とおかしなことになっていますよ。
「どうだ! これで思い出しただろう!」
「うーん……」
正直な話、全くわかりません。
いえ、それ以前の疑問なのですが……
「リップス、あれゴブリンか? ゴブリンの知り合いがいるのか?」
あおいが今まで潜めていた声よりさらに小さな声で私に囁くように尋ねてきますがそんなわけありません。いや、そもそもの話、機械人形である私にゴブリンの知り合いがいるわけありませんよね?
「あなた人間ですよね? オーガやゴブリンとのハーフや亜種じゃなくて」
「どう見ても人間だろが!」
すっごく大きな声で怒鳴られました。
いや、どう見てもまともな人間ではありませんよ。いっそのこと魔物ですとか言われた方がまだ説得力があるくらいの醜さです。
「貴様にやられたこの顔を毎朝鏡で見るたびに憎悪がわきあがるんだよおぉぉ!」
「鏡を取ればいいんじゃないんですか?」
そうすれば見ないで済むでしょうに。
「これはなぁぁ! 俺の憎悪の証なんだよぉ!」
めんどくさい。
この方非常にめんどくさい方です。
「アオイ」
「あん?」
面倒になった私は背後のアオイへと声をかけます。
「あれ、切っていいですよ。真っ二つでもいいです」
「いいのかよ?」
案に殺してもいいのかと尋ねてくるあたり優しいですね。
「死体の一つくらい処理できます。他の奴らはまぁ、」
左右の手に持つ超連射砲の砲口を醜いゴブリンもどき以外へと向けます。
「私が動けなくするまでです」
「よく聞けクソメイドが! 俺様の名前は……」
ゴブリンもどきの声は超連射砲が放つ銃声でかき消されます。幾重にも纏められたバレルが高速で回転し、凄まじい轟音と光を放ちながら凶弾を吐き出し、武器を構える輩の足をぶち抜いていきます。
脚を撃ち抜かれ悲鳴を上げながら倒れていく黒服の皆さんの中をアオイが疾走。
メイド服をはためかせながら手の刀を振るい、ゴブリンもどきへと狂ったような笑みを浮かべながら嬉々として刃を繰り出します。
「疾っ!」
「なめるなよクソメイドが!」
アオイが繰り出したかなりの速さの一撃をゴブリンもどきは屈んで躱すと怪我をしていたはずの腕を伸ばしアオイの手を掴もうとしてきます。おそるべき反射神経。しかし、アオイは冷静に手首を捻るようにして刀を回転、掴もうとしていたゴブリンもどきの腕へと斬撃を放ちますが切断へは至りません。軽く食い込む程度です。
さすがはアオイというべきでしょうか。いえ、さすがはご主人様! アオイの才能をここまで読んでの雇用をしていたとは感服してしまいます。
私はというと未だに超連射砲を振る回し惜しみなく銃弾をばら撒いていきます。その成果もありすでに身動きが取れる輩はすでに目視できず、蹲り、悲鳴や嗚咽を上げる者たちだけになりました。
「アオイ、いつまで遊んでいるんですか」
手にしていた連射砲にビビが入り砕け散ったのを確認した私はまだ遊んでいるアオイへと声をかけます。
アオイはというとゴブリンもどきと幾度も交差し刃を交えているようです。ゴブリンもどきもいつの間にか馬鹿でかい大剣を手にしておりそれを棒切れを扱うかのようにして軽々と扱っています。
飛び、跳ね、回り、おおよそ刀を使う戦い方ではない動きをしながらゴブリンもどきに笑いながらアオイは楽しげに斬りつけていっています。
「ふふふふふ!」
致命傷を負わさないように浅く何度も斬りつけながら幾つもの傷をゴブリンもどきへと負わしていくわけなんですがどう考えても性格が悪い戦い方ですね。
狐の仮面をつけてないから表情が丸わかりです。あれはもしかしたら表情を隠すためのものだったのかもしれませんね。
「このメイドがぁぁぁぁ!」
至る所に傷を負ったゴブリンもどきが声を荒げ大剣を振り回しているわけですがアオイにはかすりすらしていません。というかアオイの奴もかなり性格の悪い避け方をしいますねぇ。
私は笑みを浮かべながら攻撃を躱し刃を繰り出し遊ぶアオイにため息をつき壁へともたれ掛かるのでした。
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