メイドと武器商人
メイドと弁解
メイドパンチが文句のないほどに顔面に入ったので銀狐は完全に気を失っていました。
先ほどは全力でと考えましたが咄嗟に「あれ? 私の全力パンチなら死んじゃうんじゃ……」と気づき触れる寸前でメイドパンチ全力からメイドパンチ弱へと切り替えました。
それでも仮面は砕けましたし、銀狐は血を流していましたがね。
手についた仮面の破片を払いながら庭に倒れて動かなくなった銀狐へと近づいていきます。
歩きながら残りが少なくなりつつある魔導液体を使いロープを作り上げるとそれで銀狐を縛り上げようとしたところで不意に銀狐の手にまだ折れた炎刀があることに気づきます。
気を失いながらもまだ折れた炎刀を手にしていたのでご主人様の危険を無くすためにもとりあえず奪っておきます。
「そういえば暗殺者でしたよねぇ」
縛り上げてから気づきましたが銀狐は暗殺者なんですよね。つまりは色々な武器、確か暗器とか呼ばれる類の物を持っている可能性もあるわけですよね。
「とりあえず剥いてしまいますか」
さすがに裸ならば武器も隠せないでしょう。
そう判断すると無造作に銀狐の衣服を掴むと力技で破ります。
「姉様……」
「リップス…… 君がそんなに男に飢えてたなんて……」
なにやら凄まじいまでの誤解と蔑むような眼をフィルとご主人様から向けられています。
おかしい、ご主人様の危険を排除しているはずの私なら株は上がるはずなのにむしろ下落しています。
「ご主人様! 私、ご主人様以外には体を許したくありません!」
「えぇ…… リップスはそっちの気の人?」
なぜか体を抱きしめるようにしてさらに虐げるような眼でご主人様は私を見てきます。
そんな風にご主人様に引かれてしまったことにショックを受けた私は思わずその場に膝をついてしまいます。、
いつもならばご褒美になるような視線ですが今はそれどころではありません!
というかなんと答えても私の株が下がるこの現状をなんとかしなければなりません!
「ご主人様、これはこの暗殺者が暗器などを持っていないかのチェックでございます! 決して、決して! いやらしい気持ちからしているわけではありません!」
本心からの言葉を今までにないくらいに真面目な顔を作り叫びます。
届け! リップス魂の叫び!
「姉様……」
「フィル、信じてくれましたか」
膝をついている私の元へいつの間にか姿を現したフィルが爽やかな笑顔を浮かべながら私の肩へと手をポンと乗せてきます。
そう、いつもほぼ表情などを浮かべることのないフィルが爽やかな笑顔を、です。
「姉様がどんな趣味をしていてもフィルは姉様の妹だから。…… 嫌でも」
「フィル、良い事を言ったような顔をしていますが最後の言葉で色々と台無しですよぉぉぉぉ⁉︎」
人をいじめて喜ぶ機械人形の妹を見上げながら私はメイドらしからぬ大声を上げてしまうのでした。
先ほどは全力でと考えましたが咄嗟に「あれ? 私の全力パンチなら死んじゃうんじゃ……」と気づき触れる寸前でメイドパンチ全力からメイドパンチ弱へと切り替えました。
それでも仮面は砕けましたし、銀狐は血を流していましたがね。
手についた仮面の破片を払いながら庭に倒れて動かなくなった銀狐へと近づいていきます。
歩きながら残りが少なくなりつつある魔導液体を使いロープを作り上げるとそれで銀狐を縛り上げようとしたところで不意に銀狐の手にまだ折れた炎刀があることに気づきます。
気を失いながらもまだ折れた炎刀を手にしていたのでご主人様の危険を無くすためにもとりあえず奪っておきます。
「そういえば暗殺者でしたよねぇ」
縛り上げてから気づきましたが銀狐は暗殺者なんですよね。つまりは色々な武器、確か暗器とか呼ばれる類の物を持っている可能性もあるわけですよね。
「とりあえず剥いてしまいますか」
さすがに裸ならば武器も隠せないでしょう。
そう判断すると無造作に銀狐の衣服を掴むと力技で破ります。
「姉様……」
「リップス…… 君がそんなに男に飢えてたなんて……」
なにやら凄まじいまでの誤解と蔑むような眼をフィルとご主人様から向けられています。
おかしい、ご主人様の危険を排除しているはずの私なら株は上がるはずなのにむしろ下落しています。
「ご主人様! 私、ご主人様以外には体を許したくありません!」
「えぇ…… リップスはそっちの気の人?」
なぜか体を抱きしめるようにしてさらに虐げるような眼でご主人様は私を見てきます。
そんな風にご主人様に引かれてしまったことにショックを受けた私は思わずその場に膝をついてしまいます。、
いつもならばご褒美になるような視線ですが今はそれどころではありません!
というかなんと答えても私の株が下がるこの現状をなんとかしなければなりません!
「ご主人様、これはこの暗殺者が暗器などを持っていないかのチェックでございます! 決して、決して! いやらしい気持ちからしているわけではありません!」
本心からの言葉を今までにないくらいに真面目な顔を作り叫びます。
届け! リップス魂の叫び!
「姉様……」
「フィル、信じてくれましたか」
膝をついている私の元へいつの間にか姿を現したフィルが爽やかな笑顔を浮かべながら私の肩へと手をポンと乗せてきます。
そう、いつもほぼ表情などを浮かべることのないフィルが爽やかな笑顔を、です。
「姉様がどんな趣味をしていてもフィルは姉様の妹だから。…… 嫌でも」
「フィル、良い事を言ったような顔をしていますが最後の言葉で色々と台無しですよぉぉぉぉ⁉︎」
人をいじめて喜ぶ機械人形の妹を見上げながら私はメイドらしからぬ大声を上げてしまうのでした。
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