世界の破壊を阻止せよ[運命を握るのは幼女?!]

千桜

偵察3【2軍~西~】

 騎馬隊2軍~西側~

 無数の夜躯(よむ)の喚き声が隊員の耳をつんざく荒路に負けじと蹄の音を掻き鳴らす。
 まだ陽が高いというのに寒暗く、密集した木々に絡み付くシダ植物が、じめじめと士気を侵食していく。

ハッ!!

 不規則に出現する凸凹をかわす、頭の芯に突き刺さったような掛け声が四方八方に散らばる。声の主を把握するのもままならないまま、その声は猛スピードで置き去りになっていく。

 巨大な樹木林であるハイリヒトゥームは、シュトルツ城から離れ、1時間近く経つにもかかわらず、出口に辿り着かせてはくれない。

 2軍隊長、カール・ブラウン自ら先導する3千の騎士は、劣悪な環境にも屈せず黙々と体躯を前へと送り出す。

 二騎が並走しても幅のある道は、幸か不幸かアサシン(暗殺者)が現れても抵抗を試みるにはゆとりがある。

 ギェェーッッッ!!

 神経を前方に集中していたカールは、人とは思えない雄叫びに鋭く視線をやった。

 (3‥いや、4 か?!)

 影のような物体‥正確には人であろう黒い布の周囲に血飛沫が確認できた。

 『このまま速度を上げ撒くか、挑発に乗るか』
 脳が使う血液の量を最大限まで増やし、即断した。

 「全隊員、戦闘態勢を整えよ!!」

 呼応する荒い声と、短剣を抜く金音を合図に、辺りは殺気で覆われた。

 
 
 




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