世界の破壊を阻止せよ[運命を握るのは幼女?!]

千桜

偵察1【出発】

14:50ー 大広間

 エーデル騎士団の騎馬隊1軍、2軍計6,000名がきっちり詰められた大広間は、床面積にして、半分近くの空白を残している。

 先の昼食後の、団長の話しの内容通り、愉快犯の線が現時点では非常に濃厚だ。

 僅かながら目撃情報が寄せられているが、複数で犯行に及んでいるという事と負傷者が発生したのだという事しかわからなかった。
 犯人の容姿や、犯行目的に繋がる有益な情報は無かったという。
 強いて言うなら、何か意味不明な言葉を去り際に撒き散らしていたが、被害を受けた住民はそれが何かまでは分からなかったとの報告だった。

 買い出しの時に遭遇した、事件と関係があるのだろうか。そう考えてみるが、先入観だけで安易に決め付けるのは任務の適正な遂行を妨げかねない。

 目的が何であれ、これ以上被害を出すわけにはいかない。死者が出る事態を一刻でも早く避けるべく、調査に繰り出したいが、一小隊長が焦っても物事が好転しないことが歯がゆい。

 ふかふかのレッドの絨毯の質感が室内用の白い革靴越しでも分かるが、シルクの滑らかさを味わう余裕など無い。

 左斜めに鎮座する、一人の少年騎士にふと、目がいった。最年少である、8歳のブレン・アレクサンダーは緊張のあまり瞳孔が開き、精悍な顔つきというよりは、筋肉が動かないのかと思う程、強ばっているのが見てとれる。
 肌も瞳と同様に青白くなってしまっている。
 
 1軍小隊で顔を初めて合わせたのはつい3日前で、その時に訓練兵からの昇格試験の合格に立ち会ったのだ。

 年相応の無邪気さはあるものの、一つの考えに固執せず、機転が利くのが見ていて爽快だった。まだ、粗削りだが、偵察や戦闘の訓練では、矢継ぎ早に変わる状勢に臆することなく、立ち向かう様は、強者揃いの1軍でも一線を画している。

 本格的な任務が初めてのブレンが、落ち着かないのは百も承知だ。
 新兵への懸念として、過度のストレスからくるパニックなどが挙げられる。

 隊を団結させ、安全を確保しながら任務を遂行するのが小隊長の責務だ。
 
 ムートは、自分を鼓舞する為により集中して報告に聞き入った。

 





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