世界の破壊を阻止せよ[運命を握るのは幼女?!]

千桜

守る為の強さ5

 そう言えばあの方の調子はどうだ?
 兵士の間、特に上層部では聞かない日はないこの質問に「ああ。変わりはないよ。」
 彼は、義務的に答えられたと思ったのだろう。

 いつもの精悍な顔を取り繕っているのだろうが、8歳の入隊時から苦楽を共に味あわされ、家族同然に過ごした親友であるカールには、判りやすすぎる程慈しんでいるのが伝わっていた。

 切ないような温かいような妙な気分にさせられた。
  自然と穏やかな口調になり、頬が緩んでいることに気付いたが、親友としてあえて黙っていておいた。

 カールの質問にムートは、特に怪我もなく、王室のピンクを基調としたお部屋で、ぬいぐるみやらクレヨンを散らかしていた小さな天使を思い浮かべた。

 今日は僕が面倒を見る日だ。
 カールは安心したのか自分の隊の稽古をつける為、つむじ風のごとく去っていった。
 騎士団には城を守る他にもう一つ重要な任務がある。

 それは我がシュトルツ城預りの幼女エンゲル・ローゼを守る事だ。
 シュトルツ城ーその名を体現したが如く、誇り高くそびえる様はどんな敵の足をもすくませる。

 30万の兵が昼夜問わず警備し続ける鉄壁の要塞なら任せられると国王直々に仰せつかったのだ。

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