隻眼の賢者

河野原ぺこ@垢停止中

十九話 旅立ち

 そろそろ行くか••••••。

 俺は師匠の場所から旅立つ事にした。理由は暗黒神イギスからの依頼である人族の侵略の阻止のためと魔王になりたくないからだ。一応、無断で出て行くつもりだが置き手紙を残す事にした。それと師匠がついて来ないように指輪は外した。結構大変だった。師匠の付与した呪縛魔法が結構強めの物だったから••••••。それと、俺を拷問した人達はマーレさんに頼んで捕まえないようにしといた。

「今までありがとう」

 俺は師匠の家に一礼してから旅に出た。

「それにしても暗いな。地図が上手く見えない。『ナイトビジョン』」

 今の時間は深夜三時だ。この暗さでは何もできないので闇属性の魔法で暗視することにした。


◇◇◇


 3日後にはすでに人族の領域の近くまで来ていた。まぁ、周りは木しかないけど••••••。それと、俺は魔人族等のステータスを隠すために隠蔽魔法『ハインディング』でステータスの内容を変えていた。


•名前 左馬 成輝
•種族 人 15歳
•職業 魔術師Lv8
•称号 

•生命力 120/120
•魔力 300
•攻撃力 120
•防御力 540

•スキル 家事Lv3 魔力操作Lv2 魔力感知Lv2 火魔法Lv3 氷魔法Lv3 水魔法Lv3 土魔法Lv3 風魔法Lv3 光魔法Lv3 闇魔法Lv3 雷魔法Lv3 回復魔法Lv3 時空魔法Lv3 呪縛魔法Lv3 剣術Lv2
•エクストラスキル 魔神の加護Lv3


 こんなふうにしといた。これで誰が鑑定しても魔人だなんて思わないだろう。ついでに外見も15歳ぐらいの人族に変えた。

 俺は物理化学魔法の迷彩魔法『ステルス』透明にして魔人族と人族の境界を抜けた。

 何か魔人族が人族に捕まってるんだけど••••••。一応助けよう。

「結構、魔人を捕まえれたな!今回は結構な額が出るぞ!」

「そうだな!」

 こんな話をしている。生かしておく必要はないな。

「『グラトニー』」

「な、なんだ!?」

「て、敵襲!?」

 誘拐犯は血一滴すら残さず消滅した。俺は隠蔽魔法を解いて元の姿に戻った。こっちの姿の方が安心するだろうからな。

「君たち魔人だろ?王都マグラまで転移してあげるから安心して」

「「「「あ、ありがとうございます」」」」

「『テレポート』」

 捕縛されていた魔人達は無事に王都の門まで転移できた。人族はなんであんな事するんだろう?奴隷にでもするのだろうか?そう思いながら俺は再び隠蔽魔法を使った。

「そろそろ街があるかな?」

 森を抜けたら舗装された道に出た。

「よし、結構近くに街があるな」

 俺は索敵魔法で5万人規模の街がある事に気づいた。俺は街の入口の門まで歩いて行った。

「身分証明書は?」

 俺は門番の人に聞かれた。確か、冒険者ギルドカードは世界共通で身分証明になるらしい。俺は冒険者ギルドカードを渡した。

「お、その年でAランクか。頑張ったんだな」

「まぁ••••••」

「よし、入って良いぞ。次!」

 俺は普通に街に入れた。魔人族って事がバレていないな••••••。案外簡単なんじゃないか?とりあえず、金と宿を確保しないと••••••。魔人族と人族の硬貨が違うからな••••••。そうだ!冒険者ギルドに魔物の素材を売れば良いんだ!

「この街の冒険者ギルドって何処ですか?」

 俺はお婆さんに聞いた。優しそうだから。

「この道を真っ直ぐ行って本屋を曲がればあるぞ」

「ありがとうございます」

 俺は冒険者ギルドに入った。そのまま、カウンターの所に行った。

「魔物の買取お願いできる?」

「はい。ギルドカードを見せて下さい」

 俺は、憎きキングワーミーの革とギルドカードを袋から出した。

「キングワーミーですね。銀貨30枚です。それにしても凄いですね。キングワーミーってとっても速いはずなんですが••••••」

 受付嬢は銀貨が入った袋を渡しながら驚いていた。

「俺の方が速いですよ?」

「凄いですね。流石、Aランク冒険者です」

「あ、ここら辺に宿ってありますか?」

「冒険者ギルドを出て右に曲がり、そのまま行くと月の看板を掛けている宿屋があります」

「ありがとうございます」

 俺は冒険者ギルドを出て宿屋に向かった。

「一泊いくら?」

「食事有りで2000カラです。なしの場合1500カラです」

 魔人族と同じお金の数え方で助かった。

「食事なしで」

 俺は一泊分のお金を渡して鍵を貰った。

「二階の奥から二番目の部屋です」

 俺は宿から出て冒険者ギルドで金を稼ぐ事にした。

「う〜ん。いい依頼が無いな••••••。適当に狩ってきて素材を売るか」

 冒険者ギルドには、弱い魔物の討伐の依頼ばかりだ。俺は街から出て適当に強そうな魔物を夕方まで殺戮した。

「魔物の買取お願いします」

「昼間も来ていませんでした?」

「ちょっと、街の外で魔物を倒して来ました」

「分かりました。討伐した魔物は何処ですか?」

 俺は倒した魔物を空間魔法で出した。

「空間魔法を使えるのですね••••••。て、えぇぇぇ!?これを倒してきたんですか!」

 俺は虎みたいな魔物と大きいトカゲの魔物を出した。他にもあるけど雑魚ばかりだから出さない。お金にならないだらうからな。

「ワータイガーとスモールドラゴン••••••。買取金額は金貨3枚です。こんなのどうやって倒したんですか!?あ、そういえばAランクでしたねそれなら当たり前か••••••」

 俺に金貨3枚手に入れた。結構雑魚だったけど。

「それと地図貰える?」

「あ、地図は1000カラで売っています」

 俺は銀貨10枚渡した。

「これが地図です」

 俺は地図を手に入れたので、明日この国の王都へ向かう事にした。


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