一人ぼっちの嘘つきピエロ

成瀬瑛理

1

――嘘つきなピエロは壊れて消えた。 

 ボクは寂しいひとりぼっちのピエロ。だれもボクを見てくれないし。かまってくれないし、遊んでくれない。だからボクはいつも、ひとりぼっちだった。

 そうだ! なら、嘘をつこう。
 嘘をついて、皆にかまってもらうんだ!

 ピエロはそう言うと次の日、自分がついた嘘を町の人に次々に言いながら町中を歩き回り。沢山の嘘をばらまいたのです。

 ピエロがついた嘘を町の人は、すっかり信じてしまいました。ピエロは町の人が自分に関心を持ったことがわかると、それが嬉しくて、またふたたび嘘をついて、町の人を自分がついた嘘で信じこませたのです。ピエロはそれが楽しくて楽しくて仕方がなかったのです。そして、ある日ピエロはお城にいる王様が偽者だと町の人達に嘘をついてしまいました。

 それがお城のほうまで届いてしまい。 王様はピエロがついた嘘にカンカンになると、大臣にピエロを捕まえてこいと、命令をだしたのです。嘘つきピエロはお城の兵士に捕まると、お城のほうに無理矢理連れてこられました。そして、王様の前に出されるとピエロに言いました。

「おい、誰がわたしが偽者の王様だと言った?」

 王様はピエロにカンカンになりながら怒りました。 

「それはわたしです! わたしが嘘をつきました!どうか王様、許して下さい!」

 ピエロはそう言って正直に話すと、そこで王様に許しをこいたのです。

「何故お前は嘘をつく?」
 
 王様が再び尋ねると、ピエロは自分の思いを口に出しました。

 ピエロはひとりぼっちで寂しくて、自分に誰も関心がなくて、皆にかまって欲しかったから沢山の嘘を町の人々についたと話しました。
 
 それを聞いた王様は、ピエロに嘘をつくのはいけないことだと言い聞かせて教えました。ピエロは王様に「ごめんなさい王様、ごめんなさい」と何度も謝り。その場でピエロは涙を流しました。そして、王様はピエロに最後に言いました。
 
「ピエロよ、再びお前が嘘をついたら今度はお前が誰にも嘘をつけないように、お前の舌を引っこ抜いてしまうからな! それを決して忘れるな!」と王様はピエロにそういい残したのです。
 
「はい、王様ありがとうございます! ボクはもう二度と誰にも嘘をつきません!」
 
 ピエロは王様に二度と嘘をつかないことを約束したのです。しかし、ピエロは王様の忠告を無視して再び町に戻ると、ピエロは町の人達に沢山の嘘をついたのでです。それが王様の耳に届くと王様はカンカンになって怒りました。 
 
「ええい、大臣! 嘘つきピエロの舌を引っこ抜いてしまえ! もう二度と誰にも嘘をつけなくさせるのだ!」
 
 そう言って王様は大臣に命令を出しました。そして、あくる日の朝、大臣は嘘つきピエロを再び兵士に引っ捕らえさせました。そして、引っ捕らえると、嘘つきピエロの舌を引っこ抜こうとしたのです。

 嘘つきピエロはごめんなさいと、何度も泣いて謝りました。しかし、いくら泣いて謝っても。だれも嘘つきピエロの話は聞いてくれませんでした。そして嘘つきピエロは、とうとう自分の舌をなくしてしまったのです。

 嘘つきピエロは自分の舌をなくすと、悲しくて泣きました。「エーン エーン」と、泣いて泣いて泣き崩れました。しかし、いくら泣いても可哀想なことに、それを声に出すことはもう出来ませんでした。そして、嘘つきピエロは壊れると二度と誰にも嘘をつけなくなったのです。
  
 ボクはひとりぼっちの嘘つきなピエロ。ボクは誰かに見てもらいたくて、ボクは誰にかまって欲しかったんだ――。
  
 
-おわり-


「一人ぼっちの嘘つきピエロ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「童話」の人気作品

コメント

コメントを書く