捻くれ男子とボクっ娘
11話
葵と一緒に勉強すると言った次の日……
「お邪魔しま~す!!」
何故か僕らは僕の家にいた。
最初は勉強場所を教室や図書館を考えたのだが僕のこの見た目のため、周りが怯えてこっちが気分悪くなるので、“なら琉唯の家でやればよくない?”という葵の言葉で今に至る。
「ただいま……げっ、いるし……」
僕はドアを開けた瞬間に目に入ってきたものを見て嫌な顔をした。
「おかえり琉唯ちゃん……あら、いらっしゃい~葵ちゃん」
僕が嫌な顔をする理由、それは家の扉を開けた瞬間に母さんの姿が目に入ったからだ。ただですら葵がいて正直面倒なのに、そこに母さんが加わるのだから疲れは一気にくる。
「お邪魔しますね琉唯のお母さん。今から彼の部屋で一緒に勉強なんですよ~
ーー彼がどうしてもって言うから」
「あぁ?」
「うん、ごめん調子のったね……」
「こら琉唯ちゃん、女の子を怖がらせちゃいけないでしょ?」
「ちっ……とりあえず葵が成績危ないから勉強させないといけないんだよ」
「実はそうなんですよ~だから成績毎回トップの琉唯に教わろうと思って」
「あらあら青春ね~あとでケーキ持っていくわ~」
と形が崩れて店で売れなくなったケーキを見せてきた。
「えっ本当ですか!! やったぁ~!!」
“ケーキ”という言葉を聞いた瞬間、一気に笑顔になる葵。多分今のその言葉だけで勉強という言葉が頭の中から消えたに違いない。
「……お前は自分の成績を分かっているのか?」
「わ、分かっているさ!! ただ女の子は甘いものには弱いんだよ」
と申し訳なさそうな表情こそしているが目は完全にケーキの方に向いていた。
……僕、何のために昨日の自分の貴重な時間を割いているんだろうか?
だが個人的に一度自分から言った約束は守りたいと思っていたので、とりあえず葵に勉強を教えて、それから全てを考えることにした。
「さっさとやるからな……」
「はぁ~い。ケーキ、ケーキ」
……早速僕の時間は無駄に終わりそうな予感がした。
葵を僕の部屋に連れてきて、床にミニテーブルを設置して葵と向かい側に座ってとりあえず現状で一番苦手なものから潰していくことにした。最初に苦手なものを潰しておけば、それ以降は自信がついて覚えやすくなると思ったからだ。
「で、まず何が苦手だ」
「人付き合い」
……いきなり予想外の答えが返ってきた。
というか友達がクラスで1人もいない僕に対して何を言っているんだろうか。
「それ僕よりも得意だろうが……教科の話だ教科の」
「5教科全部」
「……お前さっきから僕をおちょくっているのか?」
思わず睨むと葵がビクッと身体を震わせた。
「ま、待ってもらえるかな? 確かに最初の発言はふざけて言ったけどさ、5教科全てが苦手なのは本当なんだよ!!」
「嘘だろ……ちなみに前回の点数は?」
「フフッ……聞いて驚くなかれ。現代文41、古文39、数39、英文法42、長文41、日本史43、生物44だ!!」
「……全ての教科赤点ギリギリじゃないか」
なお参考程度に前回のテストの全ての平均点をあげると現代文78、古文76、数75、英文法76、長文71、日本史79、生物76であった。まぁ見て分かるように平均点をなんとか上回っている状態である。確かに僕の高校はそれなりに進学校だから少しレベルが高いのかもしれないがもう少し点数を取れないだろうかと思ってしまう。
「こう見えてボク赤点取ったことないんだよ?」
「それは自慢していいのか?」
「あぁボクが勉強面で唯一自慢出来る事だね!! これだけね!!」
と何故か自慢げに胸を張る葵。
「早速僕のプランを下方修正しないといけないだろうな……これは」
個人的に葵のために色々と作戦を考えてきたのだがさっきの低すぎる点数を聞いた瞬間、その作戦が一気に考え直しになった。というか前回のテストって結構楽だったとクラスの連中も言っていたのを耳に入ってきていたのだが、それでもこの点数だと正直この先が思いやられる。
「おっ、ボクのために考えてきてくれたのかい? 嬉しいことしてくれるじゃないか~このこの~」
と懲りないのかまた調子に乗ってくる葵。さっき睨んだので少しは反省したのかと思ったのだがこいつはあいかわらずなのだと再び苛立ってくる。
「……チッ、昨日の20分無駄にしたなこれ」
「なんて言っているけどキミの20分をボクのために使ってくれたんだ~?」
「よし帰れ、今すぐ僕の家から出ていけ」
「ま、待ってせめて国語を教えてから出ていかせて!? 今回の範囲本当に分からないんだって!!」
「なら最初からそう言え」
「それじゃつまーー」
「--つまらないって言ったら本当につまみ出すからな?」
「お、おっけ……」
と僕と葵の勉強会が始まるのであった。
「お邪魔しま~す!!」
何故か僕らは僕の家にいた。
最初は勉強場所を教室や図書館を考えたのだが僕のこの見た目のため、周りが怯えてこっちが気分悪くなるので、“なら琉唯の家でやればよくない?”という葵の言葉で今に至る。
「ただいま……げっ、いるし……」
僕はドアを開けた瞬間に目に入ってきたものを見て嫌な顔をした。
「おかえり琉唯ちゃん……あら、いらっしゃい~葵ちゃん」
僕が嫌な顔をする理由、それは家の扉を開けた瞬間に母さんの姿が目に入ったからだ。ただですら葵がいて正直面倒なのに、そこに母さんが加わるのだから疲れは一気にくる。
「お邪魔しますね琉唯のお母さん。今から彼の部屋で一緒に勉強なんですよ~
ーー彼がどうしてもって言うから」
「あぁ?」
「うん、ごめん調子のったね……」
「こら琉唯ちゃん、女の子を怖がらせちゃいけないでしょ?」
「ちっ……とりあえず葵が成績危ないから勉強させないといけないんだよ」
「実はそうなんですよ~だから成績毎回トップの琉唯に教わろうと思って」
「あらあら青春ね~あとでケーキ持っていくわ~」
と形が崩れて店で売れなくなったケーキを見せてきた。
「えっ本当ですか!! やったぁ~!!」
“ケーキ”という言葉を聞いた瞬間、一気に笑顔になる葵。多分今のその言葉だけで勉強という言葉が頭の中から消えたに違いない。
「……お前は自分の成績を分かっているのか?」
「わ、分かっているさ!! ただ女の子は甘いものには弱いんだよ」
と申し訳なさそうな表情こそしているが目は完全にケーキの方に向いていた。
……僕、何のために昨日の自分の貴重な時間を割いているんだろうか?
だが個人的に一度自分から言った約束は守りたいと思っていたので、とりあえず葵に勉強を教えて、それから全てを考えることにした。
「さっさとやるからな……」
「はぁ~い。ケーキ、ケーキ」
……早速僕の時間は無駄に終わりそうな予感がした。
葵を僕の部屋に連れてきて、床にミニテーブルを設置して葵と向かい側に座ってとりあえず現状で一番苦手なものから潰していくことにした。最初に苦手なものを潰しておけば、それ以降は自信がついて覚えやすくなると思ったからだ。
「で、まず何が苦手だ」
「人付き合い」
……いきなり予想外の答えが返ってきた。
というか友達がクラスで1人もいない僕に対して何を言っているんだろうか。
「それ僕よりも得意だろうが……教科の話だ教科の」
「5教科全部」
「……お前さっきから僕をおちょくっているのか?」
思わず睨むと葵がビクッと身体を震わせた。
「ま、待ってもらえるかな? 確かに最初の発言はふざけて言ったけどさ、5教科全てが苦手なのは本当なんだよ!!」
「嘘だろ……ちなみに前回の点数は?」
「フフッ……聞いて驚くなかれ。現代文41、古文39、数39、英文法42、長文41、日本史43、生物44だ!!」
「……全ての教科赤点ギリギリじゃないか」
なお参考程度に前回のテストの全ての平均点をあげると現代文78、古文76、数75、英文法76、長文71、日本史79、生物76であった。まぁ見て分かるように平均点をなんとか上回っている状態である。確かに僕の高校はそれなりに進学校だから少しレベルが高いのかもしれないがもう少し点数を取れないだろうかと思ってしまう。
「こう見えてボク赤点取ったことないんだよ?」
「それは自慢していいのか?」
「あぁボクが勉強面で唯一自慢出来る事だね!! これだけね!!」
と何故か自慢げに胸を張る葵。
「早速僕のプランを下方修正しないといけないだろうな……これは」
個人的に葵のために色々と作戦を考えてきたのだがさっきの低すぎる点数を聞いた瞬間、その作戦が一気に考え直しになった。というか前回のテストって結構楽だったとクラスの連中も言っていたのを耳に入ってきていたのだが、それでもこの点数だと正直この先が思いやられる。
「おっ、ボクのために考えてきてくれたのかい? 嬉しいことしてくれるじゃないか~このこの~」
と懲りないのかまた調子に乗ってくる葵。さっき睨んだので少しは反省したのかと思ったのだがこいつはあいかわらずなのだと再び苛立ってくる。
「……チッ、昨日の20分無駄にしたなこれ」
「なんて言っているけどキミの20分をボクのために使ってくれたんだ~?」
「よし帰れ、今すぐ僕の家から出ていけ」
「ま、待ってせめて国語を教えてから出ていかせて!? 今回の範囲本当に分からないんだって!!」
「なら最初からそう言え」
「それじゃつまーー」
「--つまらないって言ったら本当につまみ出すからな?」
「お、おっけ……」
と僕と葵の勉強会が始まるのであった。
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