会社の女

ageha

第1の女りか。 第2章

その日は以前から話し合っていた
会社の大掃除の日だった。

会社に着いて朝礼が終わり
準備をしていると

「小川さん、掃除の場所一緒なんですよ
あたし、嬉しいです。」

話し掛けてきた大島りかに
周りも驚いていた。

あたしもどういう心境なのか
全く分からず、うんと言うしか無かった。

しかし、掃除もせずにずっと話ばかりしていて

「大島さん、割り当てられた担当の場所は
きちんとしないと他の人にも迷惑がかかるよ。」

そう言った後に、しまった。また余計な事を
と思った時には遅かった。

いきなり、りかは泣き出して
また人が集まり出したんです。

「どうしたの?」

「またもめちゃってる?」

「あの、あたしが。。。」

そう言おうとした時

「小川さんが、こないだの事を
人に話したってあたしを責めるんです。
次は許さないって。あたし、怖くてもう
会社には来れません。」

それだけ、言うと荷物も持たずに
飛び出して行きました。

「また小川さん、何言ったの?」

「余計な事言って時間取らせないでよ。」

中井チームの人達に
またしても文句を言われ
あたしもさすがに我慢が出来ませんでした。

その時、
「小川さんは何も言ってないよ。」

そう言ったのは
りかより少し前に入社した
広田きよみだった。

「話してないで、掃除をしなさいって
注意しただけだよ〜。」

皆、唖然とするだけで
その後はあちこちで陰口を言い出しました。

何も知らない部長が
「お昼買ってきたから、そろそろ終わりにしよう。」

何事も無かったように
誰もりかの事には触れず片付けをはじめ
お昼を過ごしたのです。

あたしはなんともいえない、状況に気分が悪くなり
その日は早退しました。

次の日、まだ気持ちが落ち着かず
会社に電話を入れると事務員から
思わぬ事を聞かされびっくりしました。

「体調悪いのならゆっくり、休んでね。
あっそれはそうと、大島さん辞めたよ。」

「えっ?」

「小川さんがどうとかじゃなくて
部長が言うには昨日の夕方に戻ってきて
荷物持って
ただ、一言辞めます。って
理由を聞いたら、パパが辞めろって言うんでって。
社会人になってそんな理由ある?」

さすがにあたしのせいには
出来なかったのか、とっさに出たのか
りかが居ない今となっては分かりません。


でも、あたしはまだ知らなかったんです。
明日からまた平穏な日々が戻ると
思っていたのですが。。。。


第2の女 みき につづく。。。


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