太陽の失われし世界

きょう✩.*˚

龍星編 1

2620年 7月6日 ???

周りが真っ暗。まるで宇宙のような空間。そこに1人。男が寝ている。最も、この空間に重力はないようで、ぷかぷか浮いているのだが。ふと目が覚めると、大きな伸びを一つ。

「ふぁ〜…良く寝た。今は何年だ?」

近くにある自分のスマホを見る。

「うげっ!2620年!いやぁ…寝すぎたなぁ…」

首をコキコキならす。

「あの人はまぁ、年取らんから大丈夫かぁ?100年経つとわからんなぁ。」

この男、なんと100年もの間眠りについていたのである。

「ロキは…まだ健在か。ま、100年ぽっちじゃ無理だわなぁ。」

そして男は空間から出る。そこは、太平洋上。

「よーし、待ってろよ風音さん、あとアリスの持ち主。俺が帰ってきたぞ。」


―龍星編―

2620年 7月6日 第一学院職員室

「ロキの能力ねぇ…ありゃチートだろ。チート。」

教頭はボヤく。それに鏡花が、

「一応神様ですから…それを聞くと、本当に太陽はロキの気分次第、ですね…」

鏡花は考え込むように俯く。しかし、こういう時に解決策を出すのが、校長である。

「ロキの自由にはさせない。良い方法がある。」

風音は訝しげに問う。

「方法…とは?どんな方法があるんじゃ?」

「あいつを起こせば良い。星を使う奴だよ。」

それに珍しく梨乃が反論する。

「そ、それは…無理じゃないでしょうか。あの人はいつ起きるのか分かりませんし、そもそも場所が分かりませんし…」

と言った途端に、翼が呟く。

「あ、流れ星…」
 
「ん?あれ、こっちに近づいてきておらんか…?」

風音は言う。

「言われてみれば、まぁ。って、本当に来てません?」

鏡花も言った途端に、

「おい!来てる!どういう偶然だよ!」

翼が叫ぶ。しかし、校長、風音、梨乃は勘づいたらしい。

「「「まさか、本当に起きるとは…」」」

流れ星が校舎に直撃する寸前、星は人の形になる。

「お、風音さんもまだまだご健在という事で。どうも、久しぶりです。」

「言っとる場合か。そのマイペースを治せと数百年前から言っとるわい。」

「その答えは出ませんねぇ…どうも、初めまして皆さん。俺の名前は長岡賢治(ながおかけんじ)。この幼女の遠い親戚です。」

「幼女と言うな。もう500年は生きとるわい!」

風音は怒りながら殴り掛かる。が、それを分かっていたように賢治は避ける。

「ロキの能力の攻略法。それが知りたいんでしょう?俺がその問題の最適解を教えますよ。」

Fin

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