太陽の失われし世界

きょう✩.*˚

決闘編 4

「これはこれはぁ?アリスさんじゃあありませんかぁ?」

凛に近づいてくる男。嫌な雰囲気を感じながら凛は後ずさる。

「…貴方は?一体…」

凛は質問したことを後悔した。

「私の名前はロキですよぉ?ねぇ?アリスさぁん?」

「最悪!」


「…来ないな。まさかとは思うが、凛や風音鏡花の所へ行ったんじゃないだろうな。」

「おっと、校長の予想的中です。凛さんの所に…は?!」

急に梨乃が叫ぶ。

「ロキです!やばい、校長!凛と位置交換します!」

「OK。ロキに凛を奪われる訳にはいかん。」


「命令!動きを止めろ!」

「こ…んにゃろぉ!」

鏡花は一瞬動きを止めるがすぐに刀を振るう。

「命令!その斬撃外れろ!」

刀は明後日の方向にズレる。

「インフェルノ!」

風音は火炎系最大魔法を放つ。

「命令!炎よ、相手を焼け!」

炎は風音を目掛けて飛んでくる。

「明鏡止水!」

鏡花が炎ごと凍らせ風音を助ける。

「命令!全ての魔法・能力解けよ!」

と言うと氷と炎が消える。

「…厄介な!」

「ところで、あんた、氷を使ってくるあんただよ。腰にもう一本あるじゃないか。あんた、まだ本気を出してないな?」

鏡花を見やる。もう一本とは…

「…二刀を使えと?」

「いやいや、良いんだ。じゃ、命令!そこを動くな!」 

鏡花と風音は動きを止める。そうして渡が歩き始めた途端、

「?!グハッ!」

渡は突然身体を何かに貫かれる。

「貴方が発した能力解けろっていう命令。実はあの命令の後に仕込んでおいたのよ。私は二刀流なんかじゃない。その上を行くわ。」

「グッ…しかし、俺がまた同じような事命令する可能性もあった筈だ!何故!」

鏡花は風音を見やる。風音の手には…

「鏡じゃ。鏡花に借りたな。お前が見ていたインフェルノを撃つ私。それはお前さんが見ていた幻じゃ。その隙に、私は未来を見た。この鏡で。それをテレパシーで教えただけ。」

「…そうか。俺の完敗か…。もう助からないな…臓器をやられた…」

「そうじゃ。しかし、学院派になると誓えば、助けてやらんことも無い。」

風音は言う。しかし、鏡花は、

「なっ…反対です!こいつはロキ派ですよ?!」

「いや、こんな強い能力持ちをこんなところで死なせられん…どうじゃ?悪い話では無かろう。」

渡は、

「そりゃあ、悪い話では無い。だがな、ロキ派にはある契約がある。」

と言った途端に渡の身体が崩れていく。

「「?!」」

「ロキ派の人間は、他派閥との勝負に負けたら、こうやって、命を落とすんだ。死体なんて残らない。」

「なっ…」

「良いことを教えてやろう。ロキの能力は、自分の考えた事を即座に現実に反映する能力だ。気をつけ…」

これで一欠片も残らず渡は死んだ。

「…ロキの能力、参考にさせていただきます。安らかに…」

その時、梨乃から連絡が入る。

「ロキです!今校長が対応しています!」

「はぁ?!直接来たのか?!」

「しかも、校長、押されてます!」

「「なっ…」」

ロキの判明した能力。それが校長を押す原因になりうるのか…?

Fin


ロキ(本名不明)

能力 自分が思い描いた事を現実に反映する能力。

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