太陽の失われし世界

きょう✩.*˚

学院襲撃編 2

2620年 5月14日 19時30分 自宅

「特待生じゃと?!」

おばあちゃんは驚きの声をあげる。当然だ。

当事者の私もびっくりしてる。

「なんか、そうらしいよ。点数が凄かったとか…」

おばあちゃんは深刻な顔をして言う。

「…それはいかんな。凛。」

名前を呼ばれ、ちょっとビクッとする。

「な、何?」

「お前には、ある魔法を覚えて貰う。その魔法は、お前さんのアリスとも相性が良いはずじゃ。」

「え、魔法?おばあちゃんに教わった魔法は全部マスターしたよ?」

そう。おばあちゃんに教わった魔法は全部使えるようになったのだ。何回も言うけど、
おばあちゃんはまだしも私は魔法を使えないはずなんだ。なんで使えるんだろう…

「もう1つある。お前に教えて無い魔法がな」

と言うと、おばあちゃんはニヤリと、歳相応の笑みを浮かべる。

本当に、10歳の風貌でいるのはやめて欲しい。



同日 同時 第一学院 校長室

「ほ、報告します!」

急に校長室に入ってくる教師。それに教頭が

「おい、この部屋に入る時はノックをしろ!」

と一喝する。が、

「それどころではありません!」

校長は眉をひそめ、

「…何事だ?」

と問う。すると、

「だ、第三学院がロキ派の人間に襲われました!」

「「何?!」」

教頭は驚きの声をあげる。

「被害状況は?」

校長は落ち着いた様子で問う。

「分かりません、通信魔法が封じられているようで…」

校長は尚も落ち着いた様子で、

「…ふむ。私が行こう。」

その言葉に教頭と教師、焦る。

「正気ですか?!」

「相手の能力が分からない間は危険ですよ!」

その言葉を聞き、校長は、

「大丈夫だ。私の能力なら相手がどんな能力を持ってようと関係ない。それに、」

校長は一言付け加える。

「ちょうど運動したい気分だったんだ。」

というと、放送で転送魔法の準備をさせ、
さっさと行ってしまった。

「…勝てると思います?」

教師が問う。

「いやぁ…校長のは戦闘能力というより、」

「圧倒的再生能力、って感じですから…」

相手の能力を探るには適任だと思いますよ。

と言う教頭に対し、

「アリスもですけど、校長もとんでもないチーターですね…」

と小声で言うのを教頭は聞いた。



同日 同時 第三学院

「おーいー、シンデレラー。」

「こんな所に神なんているのかぁ?」

「知りませんよ。文句ならあのロキに言ってください。」

そんな口を叩くのは、ロキ派の2人。

真田幸村と、シンデレラ。

そんな軽口を叩いていると、

「あそこ。何か光ってる。」

見ると、何らかの魔法陣が淡い光を帯びている。

「おぉ。本当だ。調べてみようぜ。」

と言った矢先に、

「ダメっ!」

シンデレラが叫ぶ。

魔法陣は光を強めていき、

「お前らか?第三を襲撃したのは。」

校長、現る。

Fin


補足説明

派閥について!

2620年となった世界には、いくつかの派閥が存在する。大きな物を紹介していこう。

世界同盟派
太陽盗難事件後、各国は同盟を組むこととなる。それが世界同盟。この同盟に忠誠を誓った者が所属する。

ロキ派
太陽盗難事件後、ロキが優秀な人材を集めて作った派閥。優秀な人材が揃っている為、戦闘能力ではトップに君臨する。

反世界派
太陽盗難事件後、しばらくは何もしなかった世界に対し反感を覚えた者が集まる派閥。
9割が魔法使いだが、残りは何かしらの
伝説級能力使いらしい。詳細は不明。

学院派
第一から第五までの魔法学院に忠誠を誓った者達が属する。学院派と世界派は組んでいる為、資金はそこから得ている。戦闘能力的には上位に食い込む。

無所属
派閥に属さない人々。ちなみにおばあちゃんと凛はここに所属する。

これが主な派閥です。今回のお話だと、学院派である校長は、学院派である第三学院をロキ派に襲撃され、同じ派閥の仲間を助けに行った。みたいな感じです。分かったかな?

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