出会い系はじめてみたら幼馴染とマッチングした話

さかな

14. 大学にて2

とりあえず金城には茜は俺の彼女だと紹介しておくことにした。
金城は陰気なオーラの使いとなり俺を精神的に嬲っている。
くそ、ほんとのこと言ってしまいたい。
だがここは幼馴染のためにひとまず黙っておくことにした。そして茜の連れてきた友達の方だが…

「どーも!佐々木愛梨っていいます!茜とは同じ学部で仲良くさせてもらってますー!よろしくお願いします。」
このほかにも茜が入る予定だったコーラスサークルの一員でもあり、同じサークルだということもあって仲良くなったのだという。

「これが茜の彼氏さんかー!良さげな人じゃん!かっいいし。」

と茜を肘でつつく。
すると茜もまんざらでもなさそうにしている。女の子はみんな女優ってほんとなんだな。と感心していると、ここで茜がバッグの中を漁り始める。

「4人もいるんだしトランプしようよ!」

そうだ。
こいつは無類のアナログゲーマーだった。特にカードゲームが大好きで昔よく相手させられたのを思い出した。

「いいですよ!午後からは講義ありませんし。」

金城は可愛い女の子と遊べるということでさっきとは打って変わって元気いっぱいである。

「じゃあ大富豪でもしよっか?」

そして大富豪が始まった。
大富豪というのは各家庭ごとに様々なローカルルールが存在するため、別の文化を持つ人とプレイする際には場が乱れることが多い。そしてそれはこの場でも例外ではなかった。
各家庭のルールを持ち込みを面白いからオッケーとしたため、全ての数字に特殊な行動がつくまでになった。
俺はこの空気を利用して今自分で作ったオリジナルルールを都合がいいようにどんどん導入していたのだがみんなはどうなのだろうか。
そんなこんなでゲームは進み、結果は佐々木さんが大富豪で俺が大貧民であった。解せぬ。

「くそー!俺が大貧民かよ!」

「あんたちっちゃい頃からこの手のゲーム弱かったもんねー!」

うるせーほっとけと心の中でつぶやく。

「茜の彼氏さんなら大貧民でもだれか養ってくれるよー。イケメンだし。なんなら私がやしなったげよーか?」

佐々木さんが身を乗り出して俺にいう。
それは魅力的な提案だ。
しかしここは大富豪ジョークと解釈して流した。勘違いしちゃうからそういうことはあんまり言わないようにね。

「それじゃあまあ、宴もたけなわではございますが、ここで解散としましょうか。」

茜が少し不機嫌そうにいうので、今日は解散となった。

「それじゃーまたねー!茜の彼氏くーん!」

佐々木さんが飛び跳ねそうな勢いで手を振って見送る。
くそー。
かわいいな。
ああいう子が彼女になってくれたらな。
などと考えている俺の横で金城は終始目を細めながら2人の美少女を眺めて愉快そうであった。

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