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出会い系はじめてみたら幼馴染とマッチングした話

さかな

10. 初デート7


「先輩ってさっき言ってたストーカの?」

俺が尋ねると、茜は無言で何度も頷く。
肩は微かに震えていて表情もこわばっている。
俺も確認しようとさっき茜が見ていた方向に目を向ける。
ほんとに来てやんの。
どうやら茜の言ってたことは本当らしいことがわかった。
その証拠にあちらもチラチラとこちらの様子を伺っている。
茜が顔を上げるとその男は突然立ち上がりこちらに向かってくる。

「茜ちゃんじゃん!こんなとこでぐーぜん!」

なにが偶然だよ。
おれは心の中でツッコミを入れながら男の方を見た。

「先輩お久しぶりですね。大学から遠いのにどうしてこんなところに?」

「いやーカフェ巡り最近ハマっててさ。茜ちゃんもこういうところ来るんだ。これから時間あったら一緒にどう?」

あくまで俺を無視して話を続けるその男に俺は話しかける。

「今日は俺と遊ぶ約束してるんでまた別の日にしてもらってもいいですか?」

こういう人種と話すのは苦手な俺だが金色の毛を生やしていることがトウモロコシと共通の特徴であることからそれらを近似して置き換えることによってなんとか自分の意見を伝えることに成功した。

「チッ。ねー茜ちゃんこいつ何なの?茜ちゃんの彼氏な訳?」

どうやら言葉が通じていなかったようだ。日本語って難しい。
俺は話すことを諦めて茜の方を見た。すると茜もこちらを見ていた。
そして目があったあと茜が微かに口角を上げたかと思うと、さっきとは打って変わって水を得た魚のように喋り出した。

「先輩のお誘いはありがたいんですけど今は大好きな彼氏とデートの真っ最中なのでー!そのお誘いはまた今度にしてもらってもいいですか?いや、誘っていただくのはいいんですけど彼が嫉妬しちゃうので、今後はそう言ったお誘いはできるだけ控えていただけると嬉しいです!」

こいつ…。
まだやると言っていないのに。
すると男は嘲笑を浮かべて俺の顔を見ながら

「こんな冴えないやつより俺の方がいいと思わない?俺と付き合ってよー。」

こいつはどうやって大学入ったんだ。
俺がそんなことを考えていると、茜が急に俺の手を握って

「すみません。私、彼のことほんとに好きなので。」

と迫真の演技である。
俺まで騙されそうになったわ。
そこまで見せつけると男も観念したのか

「あっそ」

と言って千円札をカウンターに叩きつけて店を後にした。

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