出会い系はじめてみたら幼馴染とマッチングした話

さかな

6. 初デート3

広場に着いたはいいものの広すぎてどの辺にいればいいか見当がつかない。
 彼女にその旨のメッセージを送るとナナ公前と短く返事が来たので、ナナ公という名のポメラニアンがおすわる姿を象ったモニュメントの前に立った。
 彼女もそろそろつくという返事も一緒に届いていたので、俺は期待に胸を膨らませながら、それでいて幻滅されたらどうしよう、という気持ちも入り混じる中待っていた。
 まあ俺は顔に関しては中の上ぐらいだという評価を高校時代の友人から得ているので、お断りという可能性は低いのではないかと思っている。
 するとここで、広場に化粧をバッチリ済ませた茜が現れスマホ片手にこっちに向かってくる。化粧をすると別人のようで素直に綺麗だと思った。
 同時にかなちゃんから着いたから服装を教えてとメッセージが入るので俺の服装を伝えてやった。するとなぜか、茜がなにかまずいことでも起こったような顔でこちらを見ている。
 そしてここで、かなちゃんからメッセージが届く。内容は用事ができたから今日は会えないというものだった。
 俺は愕然とした。
 自分は中の上だと言われていたのに、やはり男からの評価はあてにならないな。
 と考えながらとりあえず向かってくる茜に声をかける。

「お前もここで待ち合わせなのか?」

「ちごう。…ナナ公の写真撮りにきたの。か、かわいいじゃん?」

 舌の回りが悪くどこか慌てふためく彼女だったがたった今、女の子から不細工の烙印を押された俺にそんなの気にしている余裕はない。
 ここでダメ元でメッセージアプリの通話機能を使用することを試みた。
 後学のために、どこがいけなかったのか聞きたいと思ったからだ。
 出てくれなければそれまでだ。
 と俺は通話ボタンを押す。
 すると

「ひゃい」

 と今まで聞いたことないような素っ頓狂な声を上げる。
 そこでおれは彼女のバックが振動しているのに気づく。
 まさかなと思って一旦通話を切ってかけ直してみる。
 すると彼女のバックもそれに合わせて振動が一旦止みそして再び震え始めた。ここで疑惑が確信に変わる。

「おい」

「なにかな?」

「もしかしてお前がかなちゃんなのか?」

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